出版社 : 光文社
PKO軍団がタイム・スリップした幕末の世は、断末魔の獣のように、不気味にのたうっていた。争乱の世を、晋作が駆ける、龍馬が吠える。PKO軍団は、あの恐るべき餓狼の集団・新選組と遭遇。沖田総司が伊達軍団長に挑み、土方歳三ら隊士はPKO軍団に襲いかかる。やがて-血気に逸る新選組は、池田屋において、尊皇討幕の志士たちを惨殺した。その悲報は、長州藩を激昂させた。復讐の念に燃え、諸隊は続々と京を目指し、包囲して突入の機を窺う。PKO軍団もその近くに野営、一触即発の危機が迫る。歴史の荒波に翻弄されるPKO軍団、彼らは何処へ。筆者渾身の傑作第二弾。
夫以外の男に、初めて女の歓びを教えられた大信田倫子。彼女は、秘密の情事のめくるめく予感に震えながら、今日も男のもとへ急ぐー。だが、思いもよらぬ事件がふりかかった。渋谷のホテルで人妻が殺され、現場から夫の万年筆が見つかったのだ。夫はアリバイを主張するが、証人が出現。倫子は夫の潔白を証明すべく奔走し始めたのだが…。驚愕の真相。
浅草で浮浪者風の老人が、消費税12円を請求されたことに腹を立て、店の主婦をナイフで刺殺した。だが老人は氏名すら名乗らず完全黙秘を続けている。この裏には何かがある。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、懸命な捜査の結果、ついに過去数十年に及ぶ巨大な犯罪の構図を突き止めた。-壮大なトリックを駆使し、本格推理と社会派推理とを見事に融合させた傑作。
1992年9月、海上自衛隊呉基地に輸送艦『みうら』ほか2艦が集結した。PKO(国連平和維持活動)によるカンボジア派遣部隊の出港である。ところが、巨大津波が『みうら』を直撃。衝撃波で『みうら』は天下分け目の関ヶ原合戦直前にタイム・スリップ。異常事態に、伊達進助一尉はPKO軍団を結成、生き残り戦に挑む。佐々木小次郎らを配下に、抜群の破壊力を誇示し、桑名城攻略戦に…。そして、武器・弾薬に限りのあるPKO軍団は関ヶ原にある策略をしかけた。最新兵器と圧倒的物量の激突。関ヶ原合戦の行方は?伊達は家康の本陣を目指すが…。大迫力の書下ろしスペクタクル巨編“大逆説シリーズ”第7弾。
小川家は、郊外の分譲地にあった。駅まで歩いて20分。スーパーも自動販売機もない。週一回はひどい霧にすっぽり包まれるという寂しいところ。だから隣りに宮沢家が引っ越してきたときには、大歓迎だった。しかし、どうした偶然の一致か、宮沢家と小川家の家族構成は、各人の年齢までピタリ同じだった。平凡な家庭に起こる戦慄の事件。超人気作家が描く新恐怖小説。
夏目涼太郎は六本木に生まれ、家業である銭湯の番台で女の裸を見ながら育った。美大生の彼は、アルバイトで始めたヌード・カメラマンの仕事が忙しく現在は休学中の身だ。悪友の岩田は、家業の魚屋を嫌って何やら怪しげなカフェバーを始めた。地元育ちの若者と多国からの出稼ぎモデルが繰り広げる、恋とスリルとウイットたっぷりの『六本木バナナ・ボーイズ』第二弾。
骨肉相食む戦国の世、島津家は親子兄弟が堅固な団結力をもって、薩摩・大隅・日向、やがては九州全土の征服を目指した。20歳の初陣で大勝した義弘は、輝かしい武名を残すが、関ケ原の合戦に敗れ、家康陣の前を敵中突破、“島津の早駈け”で名を挙げた。兄義久と協力して、薩摩藩の繁栄の礎を築く。南国の猛将の生涯を通して、島津一族の絆を描いた長編力作。
商社マン野々村省三は、銀婚式の旅に25年前に新婚旅行で訪れた能登を選んだ。妻・文恵との思い出を辿りながらの旅だったが、思いもかけぬ戦慄の旅行となってしまった。省三の突然の死を知った娘の万里子は、寝台特急で能登へと向かったが…。姿を消した母に夫殺しの嫌疑が。母の無実を信じる万里子は、両親の旅の足跡を追う。万里子の前に、ひとりの女の影と25年前の新婚旅行に秘められた驚愕の真実が。25年前に何があったのか。錯綜する過去と現在。読者待望のトリック・テラー久々の登場。書下ろし長編推理小説会心作。
異常気象で連日霧の立ちこめる東京・世田谷区では、少女誘拐未遂事件が多発していた。武藤類子がパソコン売場を通りかかった時、少女たちが「何よこれ!」と騒いでいる。ディスプレイを見ると「悪魔の警告!」という文字が浮かびあがり、続いて殺人を予告する奇怪な文面が出現。次の日、天才囲碁棋士で類子のB・F牧場知久の周りでも異変が生じた。対局相手の桃井4段が失踪したのだ。さらに世田谷区では12歳の少女が次々と殺されて。桃井の失踪と殺人事件の関連は。智久と類子が挑む連続少女殺人事件の驚愕の真相は?本格推理の鬼才が放つ戦慄のサスペンス&推理書下ろし傑作。
夫の二階堂警部と“奥の細道三百年”で沸く東北へ旅行を計画していた日美子。友だちの梅枝葉が訪れ、娘・真里の安全を占ってほしいという。日美子は、「サンタ芭蕉」というプレゼント企画で、東北旅行に参加する真里をタロットで占ったが、カードは不幸を予言。芭蕉の足跡を辿る真里たちに魔の手が…。名作『奥の細道殺人事件』と並ぶ、著者会心の長編旅情推理。
木でできた重いドアを開けてみる。そこは、自分がより温かくなれる場所。いろんな人のいろんな人生が、薄暗い照明に映し出されている。恋に迷う女たち。新しい生き方を求め、新しい出逢いを探すひと。でもただひとつ、はっきりしていることがある。「ノーワン・ノーラブ」-誰もが皆、恋をする。とあるバーを舞台に、やさしいまなざしで描かれた恋の物語。
手にした者は必ず幸せになれるという香水、「シンデレラの夢」。風子、撫子、虹子のもとにそれを捜してほしいと依頼がきた。風子の嫌な予感は的中し、やはり香水には、あの〈PW〉が混入されていた。人の心の成長を止め、世界を破滅に導く危険な物質だ。日本征服を企む謎の組織“麗しの美族”の登場で事態はますます大混乱。現代の聖母3人娘が大活躍の第2弾。
「銀行冬の時代」を迎えた。東京に本店を持つ大友銀行、その頭取、大友尚久は、突然に大蔵官僚の意思決定として、金融再編成の話を聞かされた。具体的には、東京に地盤作りを目指す関西のライバル銀行への吸収合併を意味していた。その場では、何の条件も出さずに「了承」を装った大友であったが…。醜くも権謀術数の限りを尽くす、新銀行誕生の裏側を敢然と描破。
奥州一帯に強大な勢力と文化を誇った藤原秀衡。頼朝に追われた義経を匿ったため、鎌倉幕府の追及厳しく、屈服か、決戦か。秀衡の死後、次代を担うべき嫡子泰衡と、国衡・忠衡ら一門は足なみも揃わぬまま、怒涛のごとき幕府軍を迎え、熾烈な戦いを繰り広げる。-独自の文化を築いた平泉のがわから初めて書かれた藤原氏滅亡の謎。’93年下期NHK大河ドラマの世界。
1944年4月、アメリカ・タコマ市にあるB-29製造工場の爆撃に成功した「富岳」隊に次なる命令が下った。それは、ニューギニアにいるマッカーサー将軍の爆殺計画だった。ブーゲンビル島で撃墜された山本五十六長官の仇討ちに燃える近藤正己少佐は、18機の富岳を率いて出撃していった。さらに、囮部隊として空母大鳳を旗艦とする第1機動艦隊がパラオ島方面に進出…。だが、富岳隊撃滅の責任者であるドナルド・フォス中尉は、日本軍の意図を察知、迎撃態勢を整えていた。富岳隊に肉迫するP-51マスタング。新型戦闘機「旋風」登場。息をのむ大空中戦。絶好調書下ろし長編スペクタクル小説の圧巻。