出版社 : 光文社
大物代議士綱川豊年は、突然の事故で息子と孫を同時に喪った。中央政界への夢を抱く岐阜県議会議長熊谷太一に、後継者の芽が…。千載一遇の機会を得た熊谷に、豊年はある土地の名を耳打ちした。その情報は確実に巨額な資金に化ける。土地を、秘かにしかも手を汚さずに入手するため、熊谷は、不動産業者石切と天才詐欺師『男』と組み、綿密な秘策を練りに練った。大胆にして巧妙な、息を呑む犯罪。最後のページまで目が離せない、逆転につぐ逆転。狐と狸の化かし合い-。色と欲をとことん追い続ける紳士たちを痛快に描く、期待の新鋭の書下ろし超娯楽小説の力作。
杉原爽、19歳の春。大学へ進学した爽香は、家計の足しにと中学生・志水多恵の家庭教師を始める。多恵は、父親・国明が長期海外出張で不在中、継母や父の愛人と、三人で生活するという複雑な家庭事情にあった。そして父の帰国とともに事件の幕が開いた。春の別荘地で起こる殺人…。爽香はまたも渦中へ。恋のライバルまで登場する絶好調シリーズ第5弾。
恋人を暴走族に殺られた白バイ乗りの北条は、奴らに復讐する気はないかとある男に誘われ、S機関なる組織に入った。そこは司法手続き抜きで極悪犯罪の容疑者を断罪処刑する、闇の捜査官を養成していた。ところが、“掃除人”として仕上がった彼は、入会の経緯が機関の仕組んだ罠であることを知り、一匹狼として組織をも敵に回すことになった。好評「処刑捜査官」シリーズ。
聳え立つ北アルプスの峰々に囲まれた安曇野で、つかの間の休暇を楽しむ孔雀警視こと扇野笙子。ところが、なぜかそこに居合わせた笙子の父の権兵衛が、何者かに拉致された。続いて発砲事件が…。これらの事件と錯綜する22年前の殺人。謎が謎を呼ぶ事件の解決に挑む笙子。穂高神社の秋祭りの夜、事件はクライマックスを迎える。お待たせ、孔雀警視シリーズの最新刊。
星島弘の持つ国際的な武器商社の支社が爆破され、旧友であるカメラマンが惨殺された…。友人が遺したのは、ベルリンの壁崩壊を超然と眺める老人の姿を写したスライドだけ。ナチスの残党を思わせる老人だった。ふたつの事件に国際的陰謀を嗅ぎつけた星島は調査のため渡欧。だが、彼も何者かに急襲され、瀕死の重傷を負う。-待望の書下ろしシリーズ最新作。
「現役偶然、一浪当然」といわれる大学受験。津吹淳一は、現役で共通一次に挑戦、私立も二、三受けてみたが、予想どおり全部失敗。いよいよ浪人生活へ。通い始めた予備校で、仲間もできた。同じ高校のバンカラ片山。おかま言葉の大道寺。ロリコン趣味の気弱な吉沢。なぜかヘンな奴ばかりでユーウツな毎日だ。文壇随一の奇才が描く、哀しくもおかしい青春群像、第一弾。
新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子とビー子。同期入社でルームメイトという誰もが知る仲よしコンビ。容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど…。この二人が奇妙な事件に遭遇する。昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ。雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?
零細編集プロダクションに勤める宝生敦子、26歳。社長の罵声を溶びながら原稿取りに奔走している。晩夏のある日、原稿の進まない翻訳家加賀淳平宅を訪れた折り、敦子はOL時代の親友高瀬知美の自殺を知らされる。通夜の席上、機械嫌いだったはずの知美がパソコン通信をしていた形跡を発見した敦子は…。情報時代に潜む罠をユーモラスに描く傑作長編。
人間の性欲を破壊的に膨張させる青い強力粉末-“チャイナブルー”。サンフランシスコのチャイナタウンで失踪したトーマス吉岡を激しい追跡の末、救出した貴島俊だが、青い粉末に溺れ変貌した吉岡の姿に愕然とする。さらに新たに依頼を受けた失踪者にも青い粉末の無気味な影が!青い粉末の元凶を壊滅せんと、単身、俊はマフィアが跋扈するチャイナタウンの暗部へ侵入。待ち受ける刺客との激烈な死闘が始まった。一方、続発する上流階級猟奇殺人の捜査もチャイナタウンへと集約されていく。セックス、暴力、幼児虐待、人種差別-。世紀末アメリカに蠢く暗部。強烈なエロスと圧倒的バイオレンスとを描く、新鋭の熱筆書下ろし全2巻、堂々の完結。
戦後一代で財を成した大富豪・美宗門康則は、本宅を関西の超高級住宅地芦屋市六麓荘に、妄宅を東京田園調布に構え、それぞれ西のお屋敷、東のお屋敷と称した。6月6日午後8時30分、西のお屋敷で、美宗門家の双子の娘の一人・美果が殺された。ベッドは血の海で、一かたまりの髪の毛と血に染まったパジャマがあるだけで、死体は消えていた。同時刻、東のお屋敷では、姉の美和が全裸で尼僧のように髪を剃られた凄惨な姿で発見された。誰が何のために、このような手のこんだ猟奇的演出をしたのか。大トリック&どんでん返しの妙。精神分析医・氷室想介の苦悩と名推理。好評シリーズ書下ろし第3弾。
集団就職した圭司はテレビタレントに憧れ、大阪から東京へ。運よく音楽事務所にもぐりこみ、「フォーウイングス」のリーダーとしてスターダムにのし上がる。人気で女性を自由にできた。が、スターは所詮、人形だ。人気は下降するが、大人の歌手として独立する実力もない。圭司は焦りを情事で忘れ、麻薬にすがる。彼は再び、王座に復活するか?著者会心の異色な野望の軌跡。