出版社 : 光文社
勤王か佐幕か、攘夷か開国かー。沸き返る世論と、目まぐるしく変化する時勢の流れに、敢然と立ち向かい、新しい時代を模索しながら、志なかばに斃れていった人々の激しい生きざまを描く。
鎌倉街道東慶寺は、「駆込寺」として知られる。寺の前のせんべい屋に居候する。“麿”は、公卿の身を捨て、住持の玉淵尼を守る忍びの棟梁である。せんべい屋の八兵衛・おかつ夫婦もまた忍びである。この三人で、駆込寺に逃れる女を救い、悪をくじくのを、人呼んで、“陰始末”-。今日も、若い女が東慶寺の石段を逃れてくる。「駆込寺」東慶寺に逃れる女たちを救う白皙の剣士“麿”とは-3人の忍者が事件に立ち向かう快作。
小松公太郎は、京の宿に泊まり、女将のみやびに会う。2人は前世から運命の糸で結ばれていたような錯覚を感じた。小松は作家で自分の作品が映画化されるため、その後も古都を訪ねるが、身も心もみやびに惹かれるばかり…(「恋人みやび」)。人間なら1度は体験したい、ふと巡り会い、燃え狂う愛の様相を全9編の視点から活写。
「戦とは策なり。戦わずして勝つ事なり」-愛する木曽義仲の身を守る女武者巴御前は、海内無双の勇者であるだけでなく、常に策を巡らすことをも心掛けた。これは天下第一の美女、波瀾の合戦記である。
戦火のアフガニスタン。白旗を掲げ、ヒンズークシの渓谷を登るソ連軍のジープ。車上には、寒村の教師として赴任している妻ポーラを迎えにきたヤクーシェフ大佐がいた。だが、母国と夫に不信の念を抱き、今は反政府ゲリラの首領ハーンに思いを寄せる彼女は同行を拒絶。警告を残し、大佐は去った…。-武装ヘリの機銃掃射、山々に谺する砲声。村は潰滅し、ソ連兵の凌辱を受ける女たちのなかにポーラがいた…。
“聖戦の時は満ちたり!敵を殱滅せよ!”地下抵抗組織〈百合〉を率いる謎の女。神託を下す彼女の身には、預言者マホメッドの子が宿っているという…。-ハーンを指導者とする反政府ゲリラの勇猛果敢な抵抗、思想教育に送り込まれたロシア人女性ポーラの数奇な運命、その夫ヤクーシェフ大佐の野望、紛争を取材するイギリス人カメラマンの心の葛藤…。ソ連軍侵攻直後のアフガニスタンを舞台に展開する感動のスペクタル巨編。
1941年、日本連合艦隊は、超自然現象によって、一夜のうちに北大西洋へと運ばれてしまった。すでにヨーロッパで展開されていた英独戦に巻き込まれた連合艦隊は、英が誇る無敵艦隊と激突…次々と命中弾を受け炎上する日本駆逐隊!ようやく英海軍の猛攻を回避し、プレストに入港した山本連合艦隊司令長官は、燃料等の補給を受ける代償として、ヒトラーからの対英共同作戦案を飲む。日独共同作戦を察知した英海軍は、独Uボートの出現に苦しみながらも、死力を尽くしての反撃に…!?ついに、ドーバー大海戦の火蓋が切られた!前作〈イギリス無敵艦隊撃破編〉に続く、大好評“ドーバー大海戦”シリーズ、書下ろし第2弾。
未知への情熱で中国に渡った青年・紅真吾の貿易公司は、日本の商社に押されて破産した。“最後の豪遊”をきめこんだ真吾は、料亭で、高価な豚の毛集めの話に誘われる。揚子江3千キロの旅に同行するのは、大陸浪人など素姓の知れぬ猛者ばかり9人だった。広大な中国大陸に繰り広げられる、日本の代表的冒険小説。
興亡激しい戦国の世に、周到な謀をめぐらして家名を守りぬく、真田昌幸とその子信之・幸村、そして配下に従う腕利きの忍者群。天下分けめの関ケ原で、ついに父子・兄弟は敵味方に分かれて戦う羽目に…。
店の金を持ち逃げした銀座のホステスを追って、鹿児島へ飛んだ取立て屋。やっと見つけた女は、取立て屋をネグリジェ姿のまま迎えた。男はホステスの色仕掛けを甘んじて受け、その夜にもう一度集金に来ることを約束した。ところが、男を部屋で待っていたのは!男女の性と暴力をテーマに、官能とサスペンスで描く傑作集。
髑髏月の精を受けた代議士・八岐忠義は、謎のホステス・比良坂いずみと妖艶な一夜を過ごした。それを知った権堂幹事長は、突然、八岐の政治生命を絶とうと謀る。汚辱にまみれ、闇の主・堕導師の許を訪れた八岐は、暗黒のパワーを手に入れ、権堂に立ち向かった。政界の背後に蠢く魑魅魍魎の世界を描く大伝奇ロマン。
王道の武術を志す宗近恭平。前編〈疾風編〉の北海道から舞台は転じ、より雄大の地・中国へ。統一前夜の大陸で、待ち受けるは試錬の罠、必殺の双竜刀、牙剥く匪賊、妖麗の美姫。一難去ればまた新たなる強敵が!新興教主、満州浪人、愛弟子次郎らをまじえ、求めざる闘いに巻きこまれつつ、磨かれる武技、悲願はなるか往け恭平。
源平の昔、今より、八百年以上も前に、本邦随一の美貌の女武者が存在した。この本は、正室の座よりも愛一筋に生きようと共に戦場を駆けめぐった女性の、愛と武勇に生きた絢爛華麗な物語である。
江戸の町奴関根弥次郎は、旧主越後松平家の騒動の渦中に身を投じて、颯爽と正義の刃を揮う。彼をめぐって主家の娘照姫と、女剣士佐々木留伊が恋の騒け引きに鎬を削るが、その背後に陰謀の魔手が…。
悪人一味の手に落ちた照姫。それを案じる弥次郎の姿に、留伊は嫉妬の鬼となる。将軍家綱は病床に臥し大老酒井雅楽頭と老中堀田筑前との将軍継嗣争いに巻きこまれて、越後松平家の騒動は破滅の淵へ…
アラブ過激派に人質にされているアメリカ人27名の救出作戦。極秘裡に進行するこのトップシークレットが『ワシントン・ポスト』紙にかぎつけられる。記事にせぬよう圧力をかける大統領。「国民の知る権利」を主張する記者。そして、記者は謎の事故死を…。事件解明の過程で暴かれるホワイトハウスの陰謀!-ワシントンを舞台に、政治とメディアの中枢に生きる者たちの悲哀と葛藤を鋭くえぐったポリティカルフィクション秀作。
暗殺された両親の復讐を果たすベく、テロ組織“スカルペル”に身を投じたドルー。だが、ホメイニ暗殺作戦を遂行中、標的の中に自分の忌わしい過去を発見し、現場から逃走。そして6年…。戒律厳しいカルトジオ修道会の修道僧となり、祈りの日々を送るドルーのもとに刺客が…。僧院を脱出した元テロリストは、その日、再び血にめざめた。-映画「ランボー」の原作者が、好評『ブラック・プリンス』に続いて放つ長編冒険アクション。