出版社 : 光文社
警視庁刑事・紗倉芽衣子は、学生時代、六本木のSMクラブで、ナンバーワンを誇った女王だった。そのころ垣間見た六本木の裏社会を浄化すべく、芽衣子は刑事になった。水商売の人脈を伝手にした情報網「六本木水脈」と、華麗な鞭捌きを武器に、芽衣子が巨悪に立ち向かう!芽衣子は、暴漢に襲われた総理夫人の警護を命じられるが、背後に大事件が隠されていた!
大学で法制史を教える山根辰雄は、古書店で集めた本に、同じ蔵書印があることに気付く。その持ち主は亡くなっていたが、両親と妻の幸子は健在で、問い合わせると家に招かれた。そこでは、若くて魅力的な幸子を中心に、青年客たちが客間に集っているのだった。ミステリアスな家族の周りで起こった事件を描いた表題作他一編を収録した傑作小説集。
父が倒れたのをきっかけに富山県にある実家の「はなまる造園」を継いだ咲和。東京育ちの咲和は雪国の勝手がわからず、年下の涼太に怒られる日々を過ごしていた。そんな中、小学校の花壇づくりの仕事を通して教員・朝倉と親しくなる。朝倉は近所の寺を一人で切り盛りする住職でもあり、その優しい人柄が、咲和の固くなった心を解かしていってー。
老中水野忠邦と目付鳥居耀蔵の悪政を正すべく将軍家慶の「闇御庭番」となった菅沼外記。卑劣な「三方領知替」の計画を実現させようと庄内藩に隠密を放った水野らの企みを阻止すべく、家慶の命を受けた外記らは芭蕉の『おくのほそ道』を辿る旅に出る。道中、隠密たちとの攻防と知恵比べの果てに、酒田湊でついに決戦!時代小説の醍醐味が詰まったシリーズ第二弾。
戦国の世、尾張の国に生まれた堀尾吉晴は、秀吉と出会い、頭角を現し、幾多の戦いに参加。信長からも「わが者ぞ」と呼ばれる存在となる。秀吉の軍師・竹中半兵衛、尼子家再興を目指す山中鹿之介らとの出会いを通して「治国平天下」を志す武人となった吉晴は、鳥取城、備中高松城などの戦いで、優れた交渉人としての活躍も見せる。歴史に埋もれた名将を描いた超大作!
信長の死後、覇権は秀吉が握ることとなった。秀吉麾下の堀尾吉晴は、ともに戦ってきた部将や、肉親の死に直面しながらも激動の時代を生きぬく。家康の天下を迎え、出雲・隠岐二十四万石に移封された吉晴は、宍道湖のほとりに松江城を築く。それは長く続いた戦国の世の終焉を意味するものだった…。今こそその人生に学びたい屈指の英傑の物語、ここに完結!
将軍家毒味役の矢背蔵人介は、姿を消した養母志乃の行方を案じていた。ある日、長州萩藩毛利家の重臣が襲われたところを蔵人介が救う。刺客は同じ毛利家の下士で、矢背家をつけ狙う刺客「痩せ男」と同じ技を遣った。再び「痩せ男」の影を追う蔵人介だがー。ついにその正体が明らかになる。そして気になる消えた志乃の行方は…。超人気シリーズ、驚愕の二十六弾。
新潟県の三条署管内で、松本在住の戸板紀之の変死体が見つかった!松本署の刑事・道原伝吉は相棒の吉村巡査と現場に急行する。戸板について調べを進めるうち、昨年、娘の婚約者が北穂高岳からの下山中に転落死していることが判明する。二つの事件はつながっているのか?捜査が難航するなか、機動隊員が拳銃を紛失するという大事件が発生。その三日後に善光寺の仲見世通りで銃撃事件が起こった。すべての事件は、35年前の夜、三条駅近くの線路であった、不可解な出来事に端を発しているのかー?
あるきっかけで、同級生のエミールが気になって仕方がないユッキー。彼女の気を惹きたいのと、ひとりでは手に余るのとで、おそるおそる、声をかけた。「ダイイングメッセージって判る?相談に乗ってもらえないかなあ、と思って」ふたりは、失われた事件の道筋を辿りなおして、真相に到達することができるのか?事件は20世紀に起こった。時を経て、21世紀の彼女たちが驚くべき真相に辿りつく。記憶違いと忘却で、こんがらがった謎をほぐす、追憶と慕情の本格ミステリー。
ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
小石川傳通院の裏で五人の沼津藩藩士が斬殺された。背後に、妖刀村正に似た無銘刀を遣う凄腕の剣客の存在が浮かび上がる。汐崎藩御刀番頭の左京之介は、度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主・水野忠成の懐刀で、これまで対立していた土方縫殿助から助けを求められる。土方の求めに京之介が下した判断とはー。霞左文字が権力者たちの謀略を斬る!感動のシリーズ最終巻。
廓の用心棒・神守幹次郎は、姉妹の売れっ子見番芸者が、禁忌を犯し客と床入りをしているとの噂を聞く。同時に年の瀬、煤払いの賑やかな吉原で、二人の間抜けな掏摸が捕まる。二つの小さな出来事の陰には、吉原を貶める大胆な企てが蠢いていた。命を懸け大捕物に挑む幹次郎は、苦悩の果てに、新たな使命を心に誓うことになるー。急展開を迎えるシリーズ第五弾。
東北に甚大なる被害をもたらした地震は、東京をも揺るがした。震災をきっかけに小説が書けなくなった桜城葵、被災地出身の作家で、いまは筆を折っている武山洋嗣。二人の担当編集者である山下亜依子は仙河海市を訪れた。葵の取材に同行するとともに、武山を探し出し、震災と向き合った作品を書かせるためにー。それぞれの思いが込められ、作品が紡ぎ出される。
明治九年の横浜で、瓦斯灯の鉄柱に英国人の生首がさらされた。居合いの達人にして左足が義足の男・奥井隆之は、親友の仇を追い放浪していたが、連続殺人の背景にその仇がいると聞きつけ、事件の真相に迫っていく。思惑が入り交じる謎の先に、友の復讐を誓った奥井は何を見るのかー。第20回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞の傑作長編!
遠く離れた塔から放たれた矢が密室の男に命中した!?パンク刑事十一年ぶりの復活作「誰が駒鳥を殺そうが」をはじめ、断崖絶壁の一本道で消えた子供達の謎「教祖と七人の女房と七袋の中の猫」、超能力者の子供ばかりが集う特異犯罪「超子供たちの安息日」ほか、「アリバイの泡」「鼠が耳をすます時」の全五編を収録。著者の全面改訂のもと、待望の初文庫化!
新聞記者出身の人気テレビコメンテーター・滝沢修也が何者かに惨殺された。一向に捜査が進まない事件は、ついに風見竜次たち警視庁特命遊撃班に任される。政官財の権力に立ち向かった被害者は敵も多かったが、滝沢の殺害にまで及んだ人物は浮かばない。暗礁に乗り上げたと思われたが、事件は意外な展開を見せる。衝撃の真相!癖になるシリーズ、一気読みの第六弾。
時は大正。消えた姉を追ってやってきた帝都屈指の歓楽街・浅草で、仙太郎は浅草六区を牛耳る男子禁制の少女ギャング団・紅紐団の長、操と出会う。家族より強い絆で結ばれ、厳しい団規に支配される紅紐団に仙太郎は女装して潜り姉を捜すが、その裏では彼の知らぬある企みが進行していた。最底辺の街を、時代を、生き抜け。少年少女らの生きる力が迸る、傑作長編!
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家によるアンソロジー第二弾!海野碧、両角長彦、石川渓月、川中大樹、前川裕の五名が「街」をテーマに競作。旧型ポストがある田舎の街から基地のある街、さらには新宿ゴールデン街までーその場所ならではの五つの「謎」。個性豊かな著者たちによる、バラエティーあふれる短編傑作集!
雨の音が聞こえる。冷たい手が伸びるー。アパレル店員として働く朱里には、隠し続ける「あの日」の過去があった。「あの日」が近づき、同じ過去を共有する典子が婚約の報告に訪れた。しかしその一か月後、典子は何者かに殺害されてしまう! 典子を殺したのは誰か。「あの日」に何があったのか。複雑に絡み合う真実の末に潜むのは、衝撃のラストー!