出版社 : 光文社
不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。寂れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密やかに進行していた……。全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線! 傑作本格推理。
賭博師ボーモントは友人の実業家であり市政の黒幕・マドヴィッグに、次の選挙で地元の上院議員を後押しすると打ち明けられる。その矢先、上院議員の息子が殺され、マドヴィッグの犯行を匂わせる手紙が関係者に届けられる。友人を窮地から救うためボーモントは事件の解明に乗り出す。
結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とはーー。いまもっとも旬な作家・道尾秀介が思いを込めた「傑作」、ついに文庫化。
浅見光彦は、芸能界の大物・加堂孝次郎が箱根の別荘で毎年開く豪華な晩餐会に招かれていた。そこでは二年連続で不審な死亡事故が起きていた。今年こそ事故を防ぐため呼ばれたのだ。十四人の賓客を迎えてパーティーが始まったが、暴露本を書いた俳優の永井智宏が女優の妻の目前で毒殺された!“密室”と化した豪華別荘で起きる連続殺人の謎に浅見光彦が挑む。
宮崎一晃は、難病に冒された車椅子の画家だ。ゆっくりと全身が麻痺していき、十年後には寝たきりになる運命…。しかし、彼にはプロの殺し屋という裏の顔があった。美貌のヘルパー兼愛人・垣本篤子の世話を受けながら、困難な依頼を確実にこなしてゆく。車椅子は時に武器の隠し場所となり、時に隠れ蓑にもなるのだ。ユーモラスでシニカルな連作ハードボイルド。
桂真紀は中学校に通う女の子。みんなが憧れている先輩の男子から誘われて一緒に帰っても、気後れが先に立つ。学校行事で行った夏のキャンプでも、誰がカップルになるかで盛り上がる友だちの話に素直に入っていけない。そんな彼女を驚かせた友人の思い切った行動とはー。十四歳の少女が二十三歳の大人の入り口に立つまでの十年間を丁寧に描いた連作小説。
立ち並ぶ工場が次々と倒産し、人々が去ったゴーストタウン。迷路のようなこの町に殺人犯の金山が潜んでいた。片山たちとともに捜査にあたった笹井は、金山と間違えて同僚の若原を撃ってしまう。その現場を金山が見ていた!笹井は脅され逃亡の手助けを約束させられる。金山は笹井の娘・亜季子にも近付く。何も知らない彼女は、殺人犯に惹かれていくのだったー。
「馬の胎から産まれた少年」アディは、新教と旧教が争う三十年戦争の戦地を渡り歩きながら育った。略奪に行った村で国王にも金を貸すほど裕福な宮廷ユダヤ人の息子イシュアと出会う。果てない戦乱のなか傭兵となったアディは愛してはいけない女性に思いを寄せ、イシュアは権謀を巡らし権力を握ろうとする。二人の友情を軸に十七世紀前半の欧州を描く傑作歴史小説。
京都観光を楽しむカップルが、次々と謎の死を遂げ、古都への情死行が流行の兆しを見せ始めた。しかし、これは心中ではなく、他殺なのだ!確信を持って、捜査にあたった十津川警部は、嵯峨野の名刹・直指庵に辿り着いた。若者たちの真実の声を伝えるノートが、事件の鍵を握る。一二七万部のレコードを記録し、光文社文庫史上最大のベストセラーとなった傑作長編推理。
“おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた!ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作。
フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々ながら向かったロケ現場。エステラの透視通り、廃ビルから男性のミイラ化した死体が発見された!ヤラセ?それとも…。さらに、生放送中のスタジオに殺人犯がやって来るとの透視が!?読み始めたら止まらない、迫真のホラー・ミステリー。
昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁ー。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。瞠目せよ!そして驚愕せよ!奇跡を現出して、読者を魅了する本格の旗手が放つ渾身の巨編千八百枚。
矢吹由利子、桑田旭子、弘野香子の花園学園二年生仲良しトリオは試験休みに温泉へ。そこで三人は知り合いの芸能プロ社長と会う。社長はこの街でスカウトした女子高生・三枝千秋を連れていた。デビュー後、たちまち人気者になる千秋だが、彼女には「出生の秘密」があった。一方で、先輩アイドルの納谷しおりが撮影中に急死!三人組は事件の真相究明に係ることに。
小池信江は、亡き夫との思い出の公園を訪れていた。まさに桜が満開の季節。桜吹雪の中、つい眠り込んでしまった信江に話しかけてきたのは、可愛い点目のぶたのぬいぐるみだった。熱を出して倒れたことから、彼女と彼の不思議な同居生活が始まる…(「桜色七日」)。ほか、心優しきぶたぶたが人々に温かな波紋を拡げてゆく、ハートウォーミング・ストーリー全五編を収録。
小学六年生の奈都は、父の実家で暮らすことになった。とんでもなく大きくて古い屋敷に両親と離れて。気むずかしい祖父に口うるさい大伯母。しかも「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えがあるらしいのだ。頼りの中学三年生さゆりは、隠し階段に隠し部屋と聞いて、張り切るばかりー二人の少女の冒険が“お屋敷ミステリー”に、さわやかな新風を吹き込む。
江戸の町で女が次々と殺された。北定町廻り同心の木暮信次郎は、被害者が挿していた簪が小間物問屋主人・清之介の「遠野屋」で売られていたことを知る。因縁ある二人が再び交差したとき、事件の真相とともに女たちの哀しすぎる過去が浮かび上がった。生きることの辛さ、人間の怖ろしさと同時に、人の深い愛を『バッテリー』の著者が満を持して描いたシリーズ第二作。
自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へ変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは……。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。
銀行員ヨーゼフ・Kは、ある朝、とつぜん逮捕される。なぜなのか?判事にも弁護士からもまったく説明されず、わけのわからないまま審理がおこなわれ、窮地に追い込まれていく…。「草稿」に忠実な、最新の“史的批判版”をもとに、カフカをカフカのまま届けるラディカルな新訳。
多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された! 近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。死体なき殺人事件として捜査が開始された。遺体はどこに? なぜ手首だけが残されていたのか? 姫川玲子ら捜査一課の刑事たちが 捜査を進める中、驚くべき事実が次々と浮かび上がるーー。大ヒットシリーズ第二弾!