出版社 : 光文社
諮問探偵業を引退後、ワトスンとともに、ニューヨークで静養中のホームズに、世界的な大事件が降りかかった!なんと高名な歴史学者であるニューヨーク大学の教授が「賢者の石」を発見し、ドイツ軍がその強奪を目論んでいるというのだ。そんな状況下で教授のひとり息子が姿を消す。ドイツ軍に誘拐されたに違いない、と教授は主張するのだが…。ラストシーンに胸が躍る!ホームズ・パスティーシュ史上に残る傑作「賢者の石」のほか三編と、「新訳シャーロック・ホームズ全集」(光文社文庫)の翻訳者・日暮雅通の「ホームズ・パロディ/パスティーシュの華麗なる世界」を収録。ファン必読の傑作集。
元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっかけにフリーの金融探偵に転身した。数々の潜入調査のなかで、次第にひとりの天才詐欺師の存在に気づく恵子。相棒の如月浩二郎とタッグを組み、次第に暴かれていくその詐欺の全容はー。
北海道東方でジャンボ機がハイジャックされた。針路は米軍三沢基地か?緊急発進する自衛隊のF-15。同じ夜、福島の原子力発電所が襲撃される。阻止のため潜入した“毒”と呼ばれる死を恐れない究極の狙撃手、暗号名はダンテ。事件は大規模な謀略戦の序奏に過ぎなかった。ダンテは標的を打ち抜けるのか!?風を読み、息を潜めるスナイパーの鼓動を感じる傑作。
烏賊川市警の失態で持ち逃げされた拳銃が、次々と事件を引き起こす。ホームレス射殺事件、そして名門・十乗寺家の屋敷では、娘・さくらの花婿候補の一人が銃弾に倒れたのだ。花婿候補三人の調査を行っていた“名探偵”鵜飼は、弟子の流平とともに、密室殺人の謎に挑む。ふんだんのギャグに織り込まれた周到な伏線。「お笑い本格ミステリー」の最高峰。
宮崎一晃は、ゆっくりと全身が麻痺していく難病に冒された、少壮の画家。しかし、彼にはもう一つ、ウラの顔があった。宮崎の身の回りの世話をする美貌の介護人・篤子は、彼のウラの稼業を知らない。破格の契約を交わしている二人のあいだは、カネで結ばれているようでもあり、それだけではないようでもあり…。シニカルでユーモラスな、異色のハードボイルド・ロマン。
もう一度、巡り逢う。そのとき、二人のあいだには、何が芽生えるだろう。別れてしまった恋人、終わってしまった恋。時を経て、ふたたび出会った二人には、思いもかけない物語が待っていた…。『金田一少年の事件簿』『神の雫』をはじめ、多くのヒット作を手がける漫画原作者が、はじめて本名で発表する、少し甘口な、大人の恋愛小説集。
「馬の胎から産まれた少年」アディと、宮廷ユダヤ人の息子イシュア・コーヘン。二人の若者の運命が、果てなき戦乱の中で変転していく。ドイツ三十年戦争を、傭兵とユダヤ人の目線から描ききった、圧巻の大作。
新雪に包まれた山中湖畔。日本有数の製薬会社・和辻薬品会長の別荘で、突然、悲劇の幕は開いた!和辻家のだれからも愛されている女子大生の摩子が、大伯父に当たる当主の与兵衛を刺殺したのだ。一族は外部からの犯行に見せかけるため、摩子の家庭教師・一条春生に協力を要請し、偽装工作を…。名作『Yの悲劇』に挑戦する、著者会心の本格長編推理傑作。
ノアは神に命じられた通り、洪水に備えて箱舟を造り、動物たちとともに漂流する。しかし舟のなかに禁断の肉食を知る動物・スカブが紛れ込んだことから、無垢で平和だった動物の世界は、確実に変化していくのだった。聖書では語られない、箱舟の“真の物語”。
「寛は何を集めているの?」と鈴子が聞いた。「昆虫」と寛は適当に答えた。「何と何を捕ったの?」「まだ。夏休みは始まったばかりだろう。もう宿題をやっているのか?」「夏休みはあっという間に過ぎるのよ」少年にしか見えないこの世界の真実を描く、芥川賞作家の書下ろし長編小説。
主婦の典子は、娘との関係がうまくいかないことで悩んでいた。そんなある日、典子のもとに、中学時代の交換日記が届く。差出人の名前はないが、最後に日記を書いていたのは、メンバー四人の中でリーダー格だったハセジュンこと長谷川淳子だった。ところが、テレビで淳子が他殺体で見つかったとのニュースが。一週間も前に殺された淳子が、日記を送れたはずなどない。これは誰かのたちの悪いいたずらか、それとも…。
愛した女の死がもたらしたのは、哀しみだけではなかった。精緻に描き上げた男と女の物語。満場一致、驚嘆すべき新鋭、堂々のデビュー。傑作ハードボイルド!第十回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
ホーキング博士に、自分の足で歩いてもらいたい!無名の天才発明家・機敷埜風天は、壮大な夢を実現すべく、脳波を直接受信して動作をサポートする介護支援機器「BF」を開発していた。しかし、引っ越してきた横嶋町は、二組のやくざが抗争を繰り返す、超危険地域だったのだ…!想像力がエスカレートしていく痛快スラプスティック長編。人気作家・梶尾真治、待望の最新作。
少年は少女に何があってもおまえを守ってやると告白したが、ある事件に巻き込まれた彼女を守ってやることができなかった。19年後、二人は再会した。ストーリーテリングの才が骨太の物語に結実した、著者の最高傑作。
ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で「消えて」いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていた。そして、ついに恐れていた事態が。父フョードルが殺された!犯人は誰なのか。
疾風怒濤の開拓期を生きた、この破天荒な人生!著者渾身の大河歴史巨編、待望の第二部、千四百枚!アイヌに心を通わせた男と無頼の一家を起こした男ー広大無辺の蝦夷地の原野を男たちの「運命」が奔る。