出版社 : 勁文社
世の真珠ブームにのり、売り上げを伸ばしている宝石販売会社社長の井尻俊作は、商売ものの真珠を自分のモノに埋め込んでいる。その自慢のモノで井尻は、顧客の貞淑な人妻を口説き落とし、未知の快楽へと誘い、人妻たちもその熟れた唇戯で井尻を絶頂へと導くー。猟色も仕事もパワフルにこなす、絶頂請負人の昼夜を問わない八面六臂の活躍を描く長篇官能ロマン。
北アルプス西穂高で警察官が連続して転落死した。共に山に関してはベテランだった。その偶然に不審を感じた捜査一課の白鳥刑事は死んだ警察官の山仲間だった白バイ隊の月村を強引に巻き込んで捜査を始めた。目撃者もいない冬山の事件だけに捜査は難航したが、やがてひとりのアルピニストが線上に浮かんだ。だが、男には鉄壁のアリバイが…。本格山岳ミステリー。
白百合銀行の成城支店に赴任してきた鈴木昇は四十二歳。仕事の実績をかわれて渉外担当代理に抜擢されたが、彼は美女には目がない好色漢。仕事のついでに顧客の女性を次々と口説き落とし、手慣れたテクニックと自慢のモノで美女たちを絶頂へと導く。ある日、そんな鈴木の前に、ポスター撮影でアイドルタレントの西宮あかりが現れて…。書下ろしサクセスロマン。
冬の京都で現金輸送車が襲われ、一億円が強奪された。犯人たちは車で逃走、その後一味と思われる男の絞殺死体が発見された。だが初動捜査の遅れから有力な手がかりも得られないまま、事件は膠着状態におちいり、九年の歳月が流れた。焦る捜査本部は数々の未解決事件を手がけたベテラン警部に最後の望みを賭けた。時効成立まで捜査陣に残された時間はあとわずか…。
私立天王寺学院は、中高一貫で厳格な全寮制の名門進学校。その厳粛な雰囲気をブチ壊す、経済ヤクザの組長の息子にして最低最悪最強の不良・加藤雅臣16歳。誰もが見惚れる端整な顔立ちながら、非常識で大胆で女も男も食い放題の野生の獣。その加藤のお気に入りの抱き枕・童顔教師芹沢の誕生日がやってきた。誕生日を恥ずかしがる芹ちゃんに加藤は…。
江戸元禄期。大坂の染物屋の若旦那文七は放蕩を尽くして勘当の身。金もなく途方にくれる文七は、やはり金に窮する赤穂浪人不破数右衛門と出合う。それは、殿中で赤穂藩主浅野内匠頭が吉良上野介を斬ったことが浪速の町に知れわたった日であった。町人と武士の身分を超えて気の合う二人は、やがて赤穂の仇討ち騒動に巻き込まれていくのだが…。書下ろし痛快時代小説。
ある夜、大学生の翔はゆきずりの美女に一目惚れした。なんとか近づきたいと尾行した翔は青山霊園で美女を見失う。さらに彼女が名乗った名前のOLは既に自殺して青山霊園に葬られていることが判明した。やがて、夜だけその美女が翔の前に現れるようになると同時に不可思議な事が…。そしてついには隣人が殺された!名探偵貴船があやかしの謎に挑む書下ろしミステリー。
徳川八代将軍をめぐり、御三家、尾張家と紀州家との間で繰り広げられた暗闘の数々。尾張藩は雑賀一族の再興を取り引き条件に、狙撃術に卓越した雑賀孫四郎を、吉宗の暗殺者に仕立てる。芝・増上寺で吉宗の命を狙う孫四郎の背後に忍び寄る影の正体は…。徳川家の血と血の争い、その中に否応なく巻き込まれた暗殺者に迫りくる父子宿命の闘い。
函館在住の推理作家を訪ねようとしていた編集者弘田の服毒死体が青森で発見された。その後各出版社に殺人を予告する脅迫状が送りつけられ、弘田の上司も殺されてしまった。しかも浮かび上がった容疑者には鉄壁のアリバイが…。はからずも事件に巻き込まれた笹谷美緒と黒江壮の名コンビは不可能殺人の解明に乗り出す。アリバイ崩しに挑む本格長篇鉄道ミステリー。
内閣調査室の工作員だった速水は引退して、今は六本木のディスコのオーナーに収まっていた。しかしその平穏な日々は親友だった竹中の息子の出現によって破られた。息子の話から竹中の死に不審を感じた速水は、元の上司が副頭取に就任している銀行を脅迫、十五億円を要求すると同時に真相を暴こうとする。その速水の許に五人の男女が集まって…。痛快ハードボイルド。
羽倉信清は秘術の使い手として武芸の道を極めた男。だが、ある事故で男の機能を失ってしまった。家名を継ぐことを断念した彼に老中・松平定信の声がかかる。大奥坊主・斎左門として隠密を務めよというのだ。それは御台所の男子を暗殺することが主な役目だが…。魑魅魍魎の如き大奥三千人の女たちを相手に孤軍奮闘する男を描く書下ろし長篇時代小説。
東京の臨海副都心として急速に開発が進むベイエリア地区に新設された東京湾臨海署ー通称ベイエリア分署。その管内で、テレビ局プロデューサーの殺人事件が発生した。捜査に乗り出した安積警部補らは、現場の状況から他殺と断定。被害者の利害関係から容疑者をあぶり出すが、彼には鉄壁のアリバイが…。
小諸久美子は27歳のベテラン看護婦。入院中の市議会議員・岩館が手術直前アレルギーショックで死亡する事件が起き、病院は医療ミスを問われることになった。久美子たち看護婦は巡回時には異常がなかったことを主張。だが、久美子は未明に岩館の病室の前で不審な白衣の男を目撃したことが気になり…。