出版社 : 双葉社
これはうんこの話ですが、本当に美しい物語ですーー。62歳住所不定、話題作連発の奇才が描く昭和のノスタルジック・ファンタジー。下肥汲みの貧しい家に生まれた美しき少女・純子は、家業を手伝いながら、遊女だった祖母に「男を虜にする女になれ」と手練手管を教わって育つ。いつしか時代は高度経済成長期へ移ろい、村には水資源に大問題が勃発するのだった。
第二王子の婚約者戦争で敗北し、国民から嫌われた悪役令嬢のカミラは、罰として『沼地のヒキガエル』と称されるアロイス公爵に嫁ぐことになった。この結婚を心底嫌がっていたカミラだったが、アロイスと一緒に過ごすうちに心を許し始める。アロイスもまた、不器用だけれど感情豊かなカミラに惹かれていき……「正式に、私と婚約していただけませんか」カミラのために半分まで体重を落としたアロイスに言われたのは、まさかのプロポーズ!さらに色男の料理人クラウスの猛アピールで、三角関係に発展してしまうーー!?小説家になろう発!大人気悪役令嬢ストーリー、第2弾!
青梅の精神科病院で殺人未遂事件が発生。その後、容疑者として浮上した男性が、松島海岸近くで遺体で発見された。殺人事件の捜査を進めていくと、東日本大震災で沈没し、海底から引き揚げられた豪華客船・グズマン二世号の客室から大量のプラチナが見つかった事件と繋がり、十津川警部はそこに潜む闇資金の謎を追う。
豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。
全世界で聴かれているNHK WORLD-JAPANのラジオ番組で、世界17言語に翻訳して放送された、人気作家8名の短編を収録。几帳面な上司の秘められた過去。独り暮らしする娘に母親が贈ったもの。夫を亡くした妻が綴る日記……。海の向こうに暮らす人々に、私たち日本人の愛すべき姿を細やかに伝えた好編が、オリジナル文庫として登場!
一家の大黒柱・花菱清太郎が家族全員を巻き込んで始めたのは、『レンタル家族』という商売。行く先々で依頼人の理想の家族を演じるものの、失敗につぐ失敗で借金はかさみ、家計は火の車に。やがて住む家すら失った花菱家の六人は、それぞれ別の道を歩み始めるが…。笑いと涙が詰まった荻原作品の“原点”ともいえる傑作家族小説。
じめじめと降りしきる長雨、闇にすだく虫の声、おかっぱ頭の市松人形──四季の移ろいを背景に、日本人だからこそ感じる恐怖や夢と現実のあわいを描く七つの短篇。これぞホラージャパネスク、これぞ怪談文芸の神髄!
夏休みも終わった9月。清貴は、最後の修業先である「小松勝也探偵事務所」で働き始めた。相棒は、なんと永遠のライバル、円生。最初の依頼は「私を殺した人物を知りたいんです」という奇妙なものだった。同じ頃、祇園では、舞妓へのストーカーと祗園の幽霊騒動が起きていたーー小松と円生、清貴の、なんだか危うい3人組が、事件解決のために、京都の街をところ狭しと駆け回る! 大人気シリーズ、最新作。
道後温泉にたたずむ、神様だけが訪れることができる宿「湯築屋」。湯築九十九は、そこの若女将にして現役女子高生。ときには気難しい神様や、人に害をなす鬼まで温泉宿に来ることもあるけれど、宿のオーナー兼夫でもある稲荷神のシロ、いつもやさしく彼女を見守る両親、何ごとにも一生懸命なもふもふ子狐のコマをはじめ、個性豊かな仲間に囲まれながら、九十九は持ち前の明るさで、今日も元気にお客様をお出迎え!
東京・吉祥寺にある『さくらい動物病院』。院長・亜希には、動物の言葉が理解できるという不思議な力があるーー大学院生の手塚が通う大学で飼育されているミニブタが、人に懐かず困っていると聞いた亜希。心を開かせることを目的に、亜希はミニブタの世話を申し出た。徐々にミニブタの気持ちに寄り添っていく亜希は、ミニブタの抱える”記憶”に気づくがーー不思議な力を持つ獣医と動物たちの、心温まる物語。
五十路直前に不本意ながら旅行会社を辞めた本田涼介は、心と体を癒そうと南国の離島へと旅立つ。と、地元の企業に勤める三人の美女と出会ったことで、いきなり天にも昇る展開が始まった。すぐに噂が広まる狭い島内では、旅行者はセックス相手にうってつけなのだ。タイプの違う女体に耽溺しながら、どこか陰のある26歳の香澄に涼介は本気で惹かれていくが…。人生逆転、旅情マン喫の傑作書き下ろしエロス。
江戸の町は騒然としていた。相次ぐ地鳴りに、連日の大火。さらに顔を潰された浪人の仏が見つかった。南町奉行所同心・樺山富士太郎はただちに探索を始め、木場および老中の下屋敷、この二つの火元に疑いの目を向ける。するとそこに、さる大名家の“奇妙な取り潰し”との関係が浮かび上がってきた!大人気書き下ろしシリーズ第45弾。
町方の手の届かぬ悪を闇に葬る“浪人奉行”を拝して二度目の初夏。八雲兼四郎は、鈴ヶ森近くで行き倒れ、栖岸院に身を寄せる幼子小太郎を見て愕然とした。かつて愛した女の一子、小吉に瓜二つだったのだ。献身的に世話する兼四郎や麹町で営む飯屋の常連客に可愛がられ、徐々に心を開く小太郎。やがて身元の手掛かりが届き、池上道へと向かう途中、小太郎の苛烈な過去が明らかになるー「おとう」は刺客だった!大反響シリーズ、堂々の第七弾!!
高岡藩藩主・井上正国が大阪定番の任を終え奏者番へ就任した。お役目は多忙を極め藩政に関わる暇はない。そんな折、奏者番就任祝いで狩野派の掛軸が贈られてきた。画に詳しい正室・和は掛軸を贋作だと見抜き、出所を明らかにするよう正紀に命じた。贋作作家捜しは、思わぬ展開になっていく。好評シリーズ第九弾!
将軍在位五十年、隠居して大御所となってからも幕府の実権を握りつづけた第十一代将軍・徳川家斉が薨去した。死に臨んで下された三つの遺命を果たすため、御庭番の村垣範正は天保の改革に揺れる江戸の闇を奔るー。後に奉行を歴任し、万延元年には幕府の遣米使節として海を渡った幕末を代表する能吏、村垣範正の若き日の活躍を描いた傑作時代小説、堂々の完結編!
六年前、武内譲は無差別に二つの家族を惨殺し、凶行の動機を明らかにしないまま拘置所で自殺した。遺族となった栗山香那と進藤小雪は、深い傷を負いながら離れた場で生活していた。二人は事件当時の武内と同じ二十歳になったとき再会する。「事件をあらためて調べよう」と小雪に誘われ応じた香那。真相を追うごとに世代を越えて女性への嫌悪で繋がる男の存在に気づく香那たち。武内が殺人を犯す背景は何だったのか、それに触れたとき二人はー。女性憎悪の闇を追う長篇サスペンス。
1939年、日韓併合時代の夏、平壌一中の一番セカンド・朴龍雅と二番ショート・吉永龍弘の名コンビは甲子園出場を目指し、野球に夢中だった。二人はその後、軍人の道を歩み、朴は少年飛行兵となり、吉永は陸軍予科士官学校に進学する。そして戦況はますます悪化し、いつしか朴は東南アジアの撃墜王となり、朝鮮の英雄と呼ばれるようになる。懐には幼き頃に吉永からもらった血塗れの白球があり、それが朴の心の支えだった。一方、少尉となった吉永はマニラに赴任。戦況を打破するための「特攻作戦」に関わることになり、再び二人の運命は交錯するー。
江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会うーー江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編の第一巻。 「何度読んでも号泣必至」「人生観が変わった」と絶賛の嵐だったWEB小説シリーズが、待望の書籍化! 全編改稿のうえ、書籍版番外編も収録。