出版社 : 双葉社
東京の神楽坂は、石畳の路地で有名な花街。まるで迷路のように広がるその路地のひとつに、不思議な学校はあった。教員志望の如月由那は、その学校の求人を知り、二つ返事で飛びついてしまう。だが、そこは、あやかしたちの通う学校だった。不安ながらも、念願だった教師となった由那の前に、妖怪退治の祓い屋・蒼野秋斗が現れる。
夢だった洋食屋を経営不振で閉じることにした佐山。失意のまま実家に帰った佐山は、倉庫で不思議な鏡を見つけ、ふと気づくと異世界に飛ばされていた。そこには、洋食屋をひとりで切り盛りしている少年がいて、佐山を見るなり「救世主様、きつね亭を救ってください!」と懇願してきた。佐山は安くて美味しいハンバーグを提供することで、店の苦境を脱しようとするが…。心もお腹もあたたまるハートフルな異世界グルメストーリー。
寺社奉行・本山相模守が神君家康公より拝領した刀を盗まれた。困った本山は幼馴染みの南町奉行・曲田伊予守を頼り、定廻り同心の樺山富士太郎に密命が下る。折しも謎の墜落死を調べていた富士太郎は探索を中断し、わずか一日で拝領刀の行方を突き止めてみせる。ふたたび墜死事件を追う富士太郎に、大石に上半身を潰された死体発見の一報が届く。摩訶不思議な連続死と拝領刀の盗難は、何の繋がりもないと思われたのだが…。大人気書き下ろしシリーズ第44弾!
はぐれ長屋を訪ねてきた若い娘と、その弟が三人の武士に襲われた。危うく難を逃れた二人から源九郎は仇討ちのための剣術指南を懇願される。何者かに斬殺された姉弟の父は、若き日に鏡心明智流の士学館で共に剣の修行に励んだ旧友であった。源九郎は長屋に居を移した二人に稽古をつけつつ、仲間たちの協力をえて下手人の捜索に乗りだす。大人気シリーズ第四十五弾!
怪僧隆光の権勢が強まるにつれて、厳しさを増していく生類憐みの令。度重なる発令によって、三つ姫さまの命をつなぐ新鮮な鯛の入手を危ぶんだ川田久保家の家老稲葉主膳は、御納屋奉行の鮎貝伝八郎にまたしても高難度の課題を与える。そんな中、かつて伝八郎が暮らしていた長屋の腕白“あぶ”こと文吉に犬殺しの疑いがかけられたとの知らせが舞い込んだ。文吉の身を案じた伝八郎は本所に駆けつけるが…。さまざまな難局に立ち向かう若侍の活躍を爽快に描く、好評書き下ろしシリーズ第二弾。
神田鍋町の飯屋の看板娘・おはるは頑固一徹な料理人の父と二人暮らし。うどんに鱈鍋、いなり寿司。父の料理は素朴だが、不思議と毎日食べても飽きないのが売りで、店は常連客で賑わっている。千客万来ー店にはおかしな事件や揉め事も舞い込んでくるけど、亡き母に教わった笑顔の大切さを胸に、ともすれば顔を出す短気や弱気をおさえ込んで元気一杯に前を向く。注目の書き下ろし新シリーズ、開店!
高校二年生の瞬の前に現れたのは、二十歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあったー。運命的な愛に揺れる少年の姿を、繊細な筆致で描いた著者会心のデビュー長編。
「社長があなたを嫌っているから」と、25年勤続にもかかわらずいきなりリストラされたかすみ。プライドはずたずた、崖っぷちに立たされたかすみが這い上がるきっかけは、東京マラソンの沿道で縁もゆかりもないランナーたちを応援する友人の姿だったーー。独身アラフィフ、無口な夫との生活に飽き飽きしている専業主婦、社内で「客寄せパンダ」的にしか振る舞えない中堅女性社員。それぞれが「人を応援すること」を通し人生を見つめ直していく連作短篇集。読めば元気が出る、疲れた心に贈る栄養剤小説!(本書は2016年2月に講談社より刊行された『アレー!行け、ニッポンの女たち』を加筆修正し改題したものです。)
十津川警部に辞表を提出して失踪した田中刑事。飲酒運転で人を轢いて死亡させ、遺体を奥多摩山中に埋めたという弟を助けるための決断だった。十津川は捜査を始めるが、埋めたという遺体は発見されず、田中家を監視する謎の男が現れ、さらに兄弟の犯罪を告発する手紙が捜査本部に送られてくる。果たして事件の真相は…!?
売れないシナリオライターだった大多の毎日は人気女優あやめの主演ドラマ「ヒロイン」を手掛けることで、一転する。脚本制作の忙しさに加え、出演者の突然の降板や関係者の死亡事故など数々のトラブルが発生。一方で、自殺未遂をしたところを大多が助け、ドラマのモデルにもなったシングルマザー・奈良本智子は不穏な動きをしはじめる。大多は事件の真相を探っていくが…。
刑事である母に毎年届く、差出人不明の御守り。秘められた想いが、封印された過去を引き寄せる。果たして、真実を知った娘はーー。40万部超の大ヒット文庫『傍聞き』の表題作(日本推理作家協会賞短編部門受賞作)で主人公を務めた、あの母娘が再び登場! 「巧緻な伏線」と「人生の哀歓」が、見事にクロスする瞬間を描いたミステリー短編集。
全世界の人々を熱狂させる欧州サッカー。その闇を抉り出す迫真のミステリーーー。ユーロポール連絡員・村野隼介の任務はサッカーの八百長賭博の摘発。そして、ひとりの少年を救い出すこと。かつて袂を分かった恩師が殺された。八百長に加わり、逃亡した元アカデミー生を救出に行った末の惨劇だった。亡き師に報いるため、村野は捜査をはじめる。
ウソを見破る術に長けたベテラン刑事・平間徹とコンビを組んだ新米刑事の目を通して、人間がウソをつくときに見せる仕草や言動を明らかにしていくショートストーリー集。エピソード全35話。瞳の収縮やまばたき、情動発汗など嘘をつく人に表れるクセや生理的反応をベテラン刑事が指南する。
事件は起こる前に潰せーーそんな指針のもと、危険な組織や犯罪者を闇処理する警視庁特殊企画課に所属する山神翔二。そんな彼が今回手がけるミッションは、多国籍企業の外国人社長の特別背任に鉄槌を下すこと。財界や検察との虚々実々の駆け引きが繰り広げられる中、山神は全世界に向けて「暴露工作」を発動する。工作シリーズ第3弾!
日本最古の温泉とも言われる「道後温泉」。温泉旅館『湯築屋』は、そんな歴史ある温泉街の一角にある目立たない宿だが、実は誰も知らない秘密があった。そこを訪れることができるお客様は、神様だけなのだ。女子高生でありながら、湯築屋の若女将を務める湯築九十九は、宿のオーナーであり夫でもある稲荷神のシロ、子狐のコマといった仲間と一緒に、今日も神様のおもてなしに全力投球! 話題沸騰のキャラクター小説、待望の第二弾!
「北条雫、19歳。どこにでもいる平凡な女子大生のようですが…実はわたし、平成最後の魔女なんです!」祖母から魔女の能力を受け継いだ雫の前に、ある日、10年ぶりに幼馴染の爽太が現れた。「魔法で人助けなんて時代遅れ」とすっかり冷めている雫だが、爽太はかつて約束した「魔女の使命」を果たそうと一生懸命。雫はしぶしぶ六つの魔導具を取り出すが…なぜ、爽太は雫の前に現れたのか?雫が「魔女の使命」を果たした時、その切ない理由が明らかになる。心震える、愛と家族の物語!
大学生の陽輝の下に、ずっと連絡のとれなくなっていた兄から、突然荷物が届いた。荷物の中身は、見慣れない眼鏡型のデバイスとタブレット。説明によると、それは他人の検索履歴を見ることができるAR機器「ウィザードグラス」だった。なぜ兄はこんなものを自分の下に送ってきたのか。陽輝は次第に、ウィザード・グラスをめぐる予想外の事件へと巻き込まれていくーー“1億総監視社会"の危険と希望を描き切り、巨大IT企業が個人情報を収集する現代へ警鐘を鳴らす。「プロパガンダゲーム」でデビューした著者による意欲作!
唯一の身内である弟を医者にすべく、阿漕な金貸しをしてまで仕送りする姉。だが弟は修業先の京から江戸へと密かに逃げ帰っていた。姉の急病を治療した桂千鶴は、同じ医術を志す者として弟に手を差し伸べるが、その厚意は思わぬ事件へと繋がってしまう。追い打ちをかけるように、千鶴の想い人、菊池求馬に大坂勤番の命が下る。累計九十五万部突破の超人気シリーズ、激動の第十二弾!