出版社 : 双葉社
音吉と名乗る年端もいかない男の子が、岡っ引の弥平次が営む船宿『笹舟』に父親を捜しにやってきた。見知らぬ男たちに音吉の母親が連れ去られたと聞いた弥平次は、その行方を追おうとするが、音吉の捜す父親が、かつて弥平次の手先で、探索の最中に命を落とした飴売りの直助だと知り…。江戸の岡っ引たちに一目置かれる弥平次と個性豊かな手先たちの活躍を描く人情捕物の決定版。シリーズ第二弾。
武家女の物の怪が旗本を色香で惑わせ次々と取り殺しているー江戸を騒がす不気味な噂に、暗殺奉行の依田は謀略の匂いを嗅ぎつけ、闇裁きの配下に探索を命じる。一刀流の早見、手裏剣遣いの神谷ら軍団の面々が仕掛仕置に闘志を燃やすなか、ひとり浮かぬ顔の与七。実は三人目の旗本が殺められた川開きの夜、血刀を手に必死で逃げる美しい女を深川で助けたのだった。大反響の新シリーズ第三弾!書き下ろし長編時代小説。
腕のいい蝋燭職人の父との確執から家を飛び出した照介は、十年に亘る放蕩無頼の生活の末、実家である蝋燭問屋に舞い戻る。すでに父は亡くなっており、家業は弟の次郎が継いでいたのだが、往時の繁盛ぶりは見る影もなく…。(「あかり」)-家族の愛憎を扱った表題作をはじめ、米つき屋、廻り髪結いなど、江戸の市井で懸命に生きる人々の、日々の暮らしぶりや人間模様を描いた、傑作人情絵巻シリーズ第一弾。書き下ろし時代小説。
東京の郊外で暮らす、しがないサラリーマン久保田輝之は、ある晩、人を殺めてしまう。自首するべきか?自殺するべきか?いや、しかし、でも…。結局はどちらも選べないまま、逃亡生活を送ることに。はたして、輝之は彷徨の果てに何を見るのか?そして、最後に下した決断とはー。日本全国津々浦々を彷徨い続けること、二年四か月。魂のクライム・ロードノヴェル。
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
ある高校で1人の男子高校生が自殺した。そして2カ月後、クラスメイト全員に“王様”から1通のメールが届いたークラスを恐怖のどん底に陥れたのは誰なのか!?恐怖の物語が幕を開けた!サバイバルホラー。
よかれと思ってとった行動が裏目に出たり想定外のトラブルに直面し右往左往したり。周囲との摩擦を避けるため、ぐっと気持ちを押し殺したり、会社員として、職場という名の舞台で、日々戦いつづける者たち。そんな彼らの物語を通して、会社というものの本質や、人生の真実をえぐりだす。宮仕えの悲哀を知る、世のすべてのサラリーマンに捧ぐ、オフィス傑作短編集。
横浜の私立校で教師をする五月雨丈司のもとに不思議な知らせが届いた。港の片隅にある喫茶店に自分あての葉書が届いているという。行ってみると、そこは届けられたポストカードを壁一面に貼って公開し、永遠に保管するという風変わりな喫茶店だった。差出人に心当たりのない丈司は、記憶をたどり始めるがー。その店にいると、一枚の葉書に込められた真摯な想いと、それぞれが抱える人生が見えてくる。読み終わったあと、大切な誰かに手紙を書きたくなる、あたたかで鮮やかな連作短篇。
短大の准教授である竹田雄一は、教え子の一人、本木絵里奈に密かな恋心を抱いていた。バツイチのうえ、歳の差があって交際は無理だと考えていたが、理事長から雄一に、学生が風俗店で働いているという噂の調査をするよう指示が出されたことから事態が一変する。絵里奈が風俗店でアルバイトをしていたのだ。長編癒し系エロス。
予備校生の長岡雄治は、美しき継母・詩織への恋心に耐えかね、父の海外転勤を機に「勉強に集中するため」と理由をつけて安アパートでひとり暮らしを始める。だが、心配した詩織は足繁く雄治の元に通い、エプロン姿で健気に世話を焼く。六畳一間に満ち溢れる甘い汗の香り、誘うように揺れる胸の膨らみ。童貞の雄治は、淫欲を悟られまいと、必死で取り繕うがー。人気急上昇作家が贈る、甘く切ない背徳官能。
文具メーカーに勤務する村上隆平は、営業の途中で古びたアパートを見つけて入居を決める。1階には管理人の横山とホストの安田、2階には駅前のスナックで働く原田優子と玩具メーカーのOL前原美恵子が住んでいる「満願荘」の周辺にも、ワケありでエロい人物がいっぱい。淫心が、やがてすべてをひとつに繋げていく。書き下ろし長編艶笑エロス。
はぐれ長屋に小さな娘を連れた武士がやってきた。訳ありの様子だが、武士のたっての頼みで父娘は長屋で暮らし始める。そんなある日、屈強な男たちが長屋に乗り込み、武士に襲いかかった。源九郎たちの助勢もあり、なんとか刺客を追い払ったが、それ以来、父娘を狙う影がちらつくようになる。大好評シリーズ第三十一弾!
柳橋でも指折りの船宿「笹舟」の主にして、南町奉行所定町廻り同心から手札を貰う岡っ引、人呼んで“柳橋の弥平次”。行方知れずの亭主を捜しに常陸国から出てきた女と知り合った弥平次は、その手伝いを始めるものの中々手掛りを掴めずにいた。そんな中、弥平次の命を狙う影が動き出し…。江戸の岡っ引たちに一目置かれる弥平次と個性豊かな手先たちの活躍を描く人情捕物の決定版。シリーズ第一弾。
死病が大流行した幕末、近藤勇の剣術道場は閑散としていた。ある晩、仲間の土方歳三や沖田総司と町の見回りに出たところ、生き返った屍の群れに取り囲まれてしまう。辛くも逃れたものの、戦いで負傷した総司の様子がおかしい。次の将軍と噂される一橋慶喜に、日本中で増殖する“ゾンビ”が原因らしいと知らされた近藤たちは、その退治を頼まれるがー
「お化け長屋のあやかし先生」として、いまや江戸中の評判となっている鏡三十郎の耳に、奇妙な噂が入ってくる。なんでも、江戸の市中で雲つくような大きな猿が次々と若い女を襲い、手込めにしているというのだ。三十郎は猿の正体を確かめようとするが、事態は思わぬ方向に転がっていく。好評「三十郎あやかし破り」シリーズ第二弾。
雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに一本の電話がかかってきた。低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。開いた記者会見では社長と工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか?そのとき、無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた!痛快無比の企業エンターテインメント。
十津川警部は三上刑事部長の特命を受け、警視庁を退職した岡部道夫の事故死を捜査するため、亀井刑事と岡山に向かった。捜査を進めると、岡部が退職後も秘かに追っていた事件の真相がしたためられていた手帳の存在が判明した。その手帳から、警察幹部が関与したある事件の全容が浮かび上がってきた…。
多国籍グループと日本人との対立は急速に激化し、多国籍同士の抗争も始まった。多国籍が豊かさを求めてきたはずのこの国は、今、有り余るほどの情報や自由を手にしながらも、実は不自由さにからめ取られているのかもしれない。“革命”小説シリーズ第9弾。描き下ろし掌編「ゴッホの血」収録。
吉祥寺のコンビニでアルバイトをして暮らす“おれ”(バツイチ・息子あり)を訪ねて、市長選挙を控えた政治家の秘書がやってきた。強引に連れていかれた先で、政治家本人から「娘を捜してほしい」と依頼される。おれはその話に、どこか釈然としないものを感じながらも、報酬につられて引き受けた…。東京・吉祥寺を舞台に描く、書き下ろし探偵ミステリーシリーズの第2弾。