出版社 : 双葉社
エレナ松本(22)。日系ブラジル人留学生。エキゾチックな美貌と抜群のプロポーションの持ち主。敬虔なクリスチャン。田上麻衣(25)。劇団『六曜座』所属。劇団公演『屋根裏のジェスティーヌ』に主演が決まった新進女優。大磯海岸で遺体が発見されたエレナ、自宅マンションから落下死亡した麻衣。同時期の“事件”だが、生前の2人は何の関係もない。エレナの恋人と妹、麻衣の友人たちが、別途に「不審な死」の真相を探ろうと、行動を開始する。しかし、行く先々で得体の知れない“邪悪なパワー”にさいなまれて…。
一文字郁良は名前通りのしがないフリーライターだが、全国規模の警備保障会社に頼まれて各支店の体験譚を取材すべく北は北海道から南は九州までの行脚に出かける。自転車チェイス、パンティ泥棒、糞尿譚…。さすが話題には事欠かないが、あにはからんや一文字じしんが政・財・官の結託する大陰謀に巻き込まれる。東京B・B計画-。そこには怪しげな対祖や女性も登場して…。
都内のアパートで若い女性の死体が発見された。情況は殺人だが、ドアも窓も内側からロックされている。密室殺人?ただちに警視庁から御存知八木沢警部補たちが出動する。物盗りの仕業ではなさそうだ。しかし被害者の人間関係を洗っても殺されるような動機はまったく見つからない。死体の胸元から平泉の絵葉書が発見される。ダイイングメッセージ?やがて第二の殺人が湯沢で起こる。そして第三の殺人が東京の夜の路上で…。被害者はいずれも若い女性、そして平泉の絵葉書が登場するのだった。
東京の高級住宅地・自由ヶ丘にマンション一棟を所有している29歳の笹岡夏美が自室で、下着もつけず裸同然の姿で殺された。その後千葉県市川市で中年の女性書家・木村初江が殺されているのをフリーライターの叶雅之が発見した。殺された二人は叔母姪の関係で犯人は同一と推測された。叶は事件のひと月ほど前、霧深い納沙布岬で偶然出会った女性に強く印象づけられていたが、その女性によく似たひとが被害者の身近におり、事件と何らかの関係があるように思われてならなかった。書き下ろし長編ミステリー。
あまりに事実そのもの。だからフィクション。野望、葛藤、利権、醜聞、謀略-。中東湾岸のある石油王国に渦巻く政治、経済、社会の実態を衝撃的にあぶりだした本邦初のアラブ内幕小説。
ラブホテルの雑役婦に身を窶して養女マリアの消息を追っていた私に、「横浜でみかけた」と。情報提供者は横浜の貿易商・水原譲治。元学生アマレスラー。目撃談を聞いたあと私は誘われるまま彼の洋館に。白竜組組長の夫を亡くして以来4年半ぶりに男の腕の中で朝を迎え、東京に戻った私を待っていたのは同組の速水伸太郎。「ママ、力を貸して下さい」-。右翼の大立者の孫娘が誘拐され、身代金3億円の運び役に私〈白松美影〉を指名してきたというのだ。犯人の狙いは、マリアはどこに。
大永一年戦国時代。人々は殺りくと略奪に目を血走らせ、戦いに身を投じていた。『愚かなり人間』地上に渦巻く欲望と憎悪の念に引き寄せられた鬼が再びよみがえった。その名も“黒夜叉道鬼”という魔道士は、この世を闇の世界に変えるという野望のもと、地獄から妖魔どもを召喚する。一方、この刻を待つひとりの男がいた。かつて、道鬼を封じ込めた鴉天狗の子孫“カブト”である。彼は、妖剣“飛龍”を手に入れ、守護神“四神”を集結して道鬼を迎え撃つ。カブトと道鬼は光と闇、決して相容れることのない宿命であった。かくして、時代を越えた二人の男の永遠の戦いが始まる。
雪の夜、新進作家の山路昌夫が妻ともども惨殺死体となって発見された。山路は聖徳太子ガン死亡説をめぐる殺人事件をテーマにした作品を書きあげていた。容疑者として浮かんだ人物は、山路と対立していた先輩作家・吉岡だったが、吉岡には鉄壁のアリバイがあった。-アリバイ・トリックと暗号を駆使して存分に本領を発揮した著者会心の代表作。
時は戦雲迫る昭和初期、南満州鉄道が誇る特急「あじあ」号の中で日本人が刺殺された。次の日、北満新報の記者香崎鋭介は社長の密命を受け、その「あじあ」号から消えた男を探そうとするが憲兵隊に阻まれる。どうやら背後にはドイツ、ソ連、日本、中国の国家機密が隠されているらしい。そして各国が血眼で追い掛けている古代“火神伝説”の謎とは?
ふくらみのない腹部は、すぐその下に、恥骨の盛りあがりにふれる。薄く細かいヘアが、かすかに指先に触れる。だが、その先のやわらかい湿地に、指を刺すと、ヌルリとした愛液のたまりがやわらかな花弁を露のように濡らしている。もう男を知っている体なのだろうか。-恐る恐る指を深みに入れていくと、なんの抵抗もなく、第一関節、第二関節、やがては指一本をそっくり呑みこんで…。処女喪失から未亡人の性愛まで、さまざまな女の官能を大胆に描くエロチカ傑作集。
新幹線『ひかり277号』の個室で、中年男が殺され、若い女が姿をくらました。中年男は息を引きとる間際、車掌に「蝶々夫人に殺された…」と言い残す。たまたま警乗中だった鉄道警察隊の女刑事・香月美沙子はその謎の女を追って長崎へ。一方、美沙子の大学時代の先輩で元警視庁捜査官、現在はトラベル・ライターの花園千明も“おくんち”祭りの取材で長崎へ来ていて、その殺人事件解明に協力することになる。トラベル・ミステリーで定評のある筆者が放つ“終着駅シリーズ”第1弾。
『女流民俗学研究者の集い』の招待状をもらって京都嵯峨野の奥に位置する水尾に三人の女性が出席したが、会は中止になっていた。さらに驚いたことは、招待状の発送人がその地で殺されていた。三人の女性はお互い一面識もなく、話し合ってみると過去に警察庁遊撃隊の宮之原警部と接触があったことが共通点であった。そして三人とも好意を胸に秘めていることが感じとれた。早速、宮之原警部登場となったが、第二、第三の殺人事件がその周辺で起きた。
辛く貧しかった境遇をバネに一躍スターの座に昇りつめ、さらに大財閥の御曹司に見初められ…。幸福の絶頂にある若きヒロインを脅かす過去からの声-「俺はおまえの秘密を知っている」…。長編サスペンス・ロマン。
全学共闘・学費値上げ反対闘争に浮き沈みした、男1人・女2人の青春の無惨さを歌い、現実と回想で時代を刻む。キーワードは「去年マリエンバートで」。書き下ろし長編小説。