出版社 : 大陸書館
直木賞作家、山田克郎氏が昭和31年10月1日より日本経済新聞夕刊に連載した少年向け冒険小説、魔の城。 れい子、エルザはオランダ官憲に捕えられ銃殺刑の危機に。太郎、タドン小僧、ハリマオらは救出に向かうが…。波乱万丈の物語、完結編。
北鉄(東清鉄道)のソ連から満鉄への譲渡は、そこに従事する鉄道員の生計に多大な影響を及ぼした。満鉄に勤務しつつ、「満人もの作家」を自任した著者は、五族協和の理想の下に有りながら、諸民族間の軋轢に翻弄される鉄道員たちの現実を描いた。第八号転轍器、窓口、一時期、木の芽立、帰去来、春遠胡同、寒駅、北の沃野の8編の小説の他に、著者の文学的立場を述べた満洲文学私観、随筆の哈爾浜の憂鬱を併録。
清朝の粛親王の皇女として生まれ、波乱の生涯の末、昭和23年に北京で刑死した川島芳子。著者は第一次上海事変の翌年に2か月間、川島宅に同居し、川島をモデルとした「男装の麗人」を婦人公論に連載、翌年には中央公論社が単行本を刊行した。 戦後、復刻本が刊行されただけで長らく絶版だった本書を仮名遣いを改めて復刊。戦後の作品の「男装の麗人は生きている」も併録。
世界的に大ヒットしたハリウッド映画「慕情」の原作。国共内戦によって大陸を追われた外国人や資本家、多数の難民が流入した香港の様子が詳細に描かれ、国共内戦の終盤期の中国や香港の情勢や、運命に翻弄される人々を描いた貴重な小説の一面を持つ。下巻では1949年10月から1950年8月まで、誕生直後の新中国や、マークが派遣された朝鮮戦争の戦場の様子などが描かれている。
世界的に大ヒットしたハリウッド映画「慕情」の原作。 ただし原作は主人公のロマンスを描くだけではなく、国共内戦によって大陸を追われた外国人や資本家、多数の難民が流入した香港の様子が詳細に描かれ、国共内戦の終盤期の中国や香港の情勢や、運命に翻弄される人々を描いた貴重な歴史小説の一面を持つ。 上巻は1949年3月から10月まで、主人公たちの恋愛の発展と共に、混乱する香港の事情、陥落直前の重慶の模様などが描かれている。
河北新報記者であった著者は、一年志願兵の兵役を終え伍長で予備役となっていたが、第二次上海事変の勃発とともに招集され、上海北方の呉淞クリークの前線に送られる。 応召する人々と家族の暮し(召集令状)、出征兵士に尽くす人々(出帆)、激戦地の最前線での死闘(呉淞クリーク)、野戦病院の戦傷者たち(野戦病院)を実体験に基づいて描いた4編を収録。