出版社 : 小学館
まれにみる“ツイてない”男・梁脩徳が、奇跡的に科挙に登第して紫微国西方にある侶州の知州職を拝命してからしばらくの月日が流れた。僻地とはいえ、知州はその土地の最高権力者。皇帝の覚えもめでたいと、任命当初は大喜びだった脩徳だが、蓋をあけてみれば侶州は妖怪・幽鬼が跋扈する妖しい土地だった!元来の不運体質も相まって、赴任早々怪事件に巻き込まれ、妖しいものたちに絡まれた脩徳。一刻も早く他州へ転任したいと願うが、癖の強い部下たちだけでなく、曲者の皇帝にも振り回されっぱなし。皇帝にも魑魅魍魎にも愛される男の運命やいかに!?
会社員三年目の永野遥香には、もう一つ内緒の仕事がある。それは浅草を守る陰陽師として、毎晩、町の見回りをするという任務。放っておくと治安悪化の原因になる怪異たちを、独自に考案した呪術“甘味祓い”で祓って回るのだ。日夜忙しく働いていたある日、遥香の職場に京都支社から新しい係長がやってきた。彼の名は長谷川正臣。イケメンかつ有能で独身という長谷川の登場に、同僚たちは色めきたつが、遥香だけは気づいていた。この強大な邪気、彼は人間じゃない。最悪最強の“鬼”だ…!!戦慄する遥香だが、なぜか長谷川は余裕の態度を見せてー。
東京都心から少しはずれた街の一角に、時代に忘れ去られたかのような洋館がある。そこに間借りして探偵事務所を開く男の名は、猪目空我。彫りの深い顔立ちの美丈夫だ。開業して数ヶ月、なんの実績もなく依頼者は限りなく少ないが、猪目は『名探偵』という自らの運命的な職業にも、雰囲気ある屋敷に格安で住めている現在の生活にも、すこぶる満足していた。ただし彼の大家である幼いお嬢様が実は『死者』で、彼女に寄り添う美形執事の正体が『死神』だったりはするのだが…。ハリボテ探偵と自称エリート死神の“やりなおし”ファンタジー、カーテンコール!
僕らは戦う。恋するあの子と自由のために! 佐藤勝利(Sexy Zone)高橋海人(King & Prince)出演、『セトウツミ』の此元和津也が脚本を手掛けた、ドラマ・映画・Hulu横断「ブラック校則」プロジェクト待望のノベライズ化。 クラスの最底辺を生きていた創楽(佐藤勝利)と中弥(高橋海人)。ある日、恋するあの子が生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に。『こんなルールは、もうたくさんだ』…いま2人の男子高校生が立ち上がる! ちっぽけな自分でも何かを変えることができる。ダメな自分でも一歩踏み出せるかもしれない。恋するあの子のため、500人の生徒の自由を手に入れるために、「ブラック校則」と大人たちに立ち向かう。創楽&中弥コンビが繰り広げる、奇想天外な戦い方とは?
救急救命士の花巻みこと(24)には、手を重ねた人の最期の姿が視えるという特殊な能力があった。だが必死に救命処置を施しても、その運命を変えることはできない。父親の再婚で姉となった沙羅に特別な想いを寄せるみことだが、あるとき沙羅が1年後に命を失う運命にあることに気づく。誰にも言えない想いを抱えたまま、運命の日は刻一刻と近づいてきてー。2019年秋、TBSにてドラマ化決定!新聞各紙激賞の原作は、著者の娘であるキリエ作。みことと家族の出会いの物語を書き下ろした、この秋一番の感動作!
辰巳芸者のおたみは、呼ばれた席で幼馴染みの勝麟太郎と再会。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと口説いてくる。旗本との結婚など無理な話と諦めていたおたみの所に、麟太郎の父小吉がやってきた。小吉に気に入られ、姑となるお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言をあげ、溜池のあばら家で新生活を始めたが…。蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を高額で借り受けて一年かけて二部筆写するという作業のため、収入は途絶え、天井板をはがして薪代わりに燃やすという、貧乏生活に突入!勝海舟夫婦の波瀾万丈の生涯を描く、シリーズ第一作!
“小説「風と共に去りぬ」を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である。恋あり、三角関係あり、冒険ありと、その面白いことといったらない”(本書まえがきより)世界中で読み継がれるマーガレット・ミッチェルの名作を、林真理子が一人称小説として鮮やかにポップに、現代に甦らせた!パリピ気質で男の子にモテることが大好き、わがままで思慮が浅く、まわりの女子ほぼ全員を敵に回す最強ヒロイン・スカーレット。南北戦争時代のアメリカを舞台に、彼女の波瀾万丈な人生が幕を開けるーとにかく最高に面白い、待望の第一巻!
神奈川県警捜査一課生え抜きエリートの萩原哲郎に突然の異動命令が下された。赴任先は重大事件が希な湘南・鎌倉南署。しかも署長職。実はこの異例人事には密命があった。それは女性前任者の不審死の謎を署長として潜入捜査せよというもの。協力者もなく孤立無援の中、萩原は秘密裏に捜査を始めるが署員達の口は固く容易に進まない。そんな時、管内で殺人事件が発生。それは過去の未解決殺人事件と繋がっていた…。正義を貫くべき警察官たちが頑なに隠蔽していた真実とは一体何なのか。組織トップの孤独と葛藤、渦巻く人間模様を描く堂場瞬一警察小説の到達点。
経済界を震撼させた超問題作奇跡の文庫化 「本書の内容のどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか。 これについて、巨大自動車企業に極めて近い経営者は99%が事実と私に言い切った。一方で良識ある自動車業界担当の官僚は、まあ、半分くらいじゃないですかね、と口を濁す。名古屋界隈の書店から本書はすべて消えた、とか(中略)さまざまな噂が駆け巡るが、真実を知るものは本書の登場人物のモデルとされる人物だけだろうし、彼らが本書の真偽を語ることは絶対にないだろう。 本書は週刊誌ではないのだから、真偽のほどなどどうでもいい。フィクションと割り切って読むと、これほど面白い企業小説はない」(夏野剛氏による解説より) 序 章 荒ぶる夜 第一章 ふたりの使用人 第二章 社内事情 第三章 北京の怪人 第四章 ジュニアの憂鬱 第五章 暴君 第六章 ハイブリッド 第七章 異端児 第八章 萌芽 第九章 去りゆく男 第十章 スキャンダル 第十一章 クーデター 第十二章 ナッパ服の王さま 第十三章 そして、公聴会へ 第十四章 誤算 終 章 幕が上がる
十年前、同じ英会話スクールに通う僕たち六人の仲間は、連れだって鞍馬の火祭を見物にでかけ、その夜、長谷川さんは姿を消した。十年ぶりに皆で火祭に出かけることになったのは、誰ひとり彼女を忘れられなかったからだ。夜は、雨とともに更けてゆき、それぞれが旅先で出会った不思議な出来事を語り始める。尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡。僕たちは、全員が道中で岸田道生という銅版画家の描いた「夜行」という連作絵画を目にしていた。その絵は、永遠に続く夜を思わせたー。果たして、長谷川さんに再会できるだろうか。怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。直木賞&本屋大賞ダブルノミネート作品。
県税事務所に勤める、年齢も立場も異なる女性たち。見ている景色は同じようで、まったく違っているーそこにあるのは、絶望か、希望か。太宰治賞作家渾身の新感覚同僚小説!
十一代将軍家斉の正室寔子と密かに想いを寄せ合う白野弁蔵は表向き、提灯奉行という軽輩者だが、その実、御目付神保中務から陰扶持を頂戴する直心影流の達人だ。その弁蔵が神保に呼び出されて絶句した。こともあろうに、寔子の実父にして元薩摩国鹿児島藩主・島津重豪が捕縛されたというのだ。早速、品川宿に出向いた弁蔵が宿役人から話を聞くと、重豪が旧知の旅籠・利久屋で働く女中母娘を助けようとして三人の破落戸を成敗したらしい。だが、事件の背後には、性懲りもなく寔子の命をねらう織田信長の残党・影母衣衆の気配があった。シリーズ第3弾完結篇。
ときは平安、華やかなりし京の都のそこかしこー夜の暗闇や澱みには、人ならざるものたちが跋扈していた。陰陽寮の新米役人・大江春実の夢は、立脈な陰陽師になること。しかし未熟者ゆえ、その道のりは遠そうだ。さて頻発する怪事件の調査のため、左大臣の豪邸に遣わされた春実は、自分の式神がほしくなった。さっそく召喚したところ、現れたのは飄々とした美形のあやかし・雪羽。両者の能力差は歴然としており、あっという間に敗北した春実は、雪羽の食事がわりに自らの寿命を提供する羽目に。こうして世にも奇妙な凸凹コンビが誕生したのだが…。