出版社 : 小学館
それぞれのボスから共同の潜入調査の命令が下った狩野京児と鯨井慧。しかし、二人が訪れた先で待ち受けていたのは、シリアルキラー同士を戦わせる「殺人闘技場」だった!法では裁けぬ畜生を、狂気を狂気で、悪を悪で制するダークヒーロー活劇!
天性の歌声を持つ大学生のギンマと、彼の才能を信じて集まった同じ大学のランジ、サミン、ハル。1通の白い封筒をきっかけに、それぞれの秘密が次々に明らかになるー。24歳の新たな才能が叫ぶように描いた、リアルな「青春」小説。
喪われた時を取り戻そうとする二人の男たち 太平洋戦争を示唆したと思われる「戦慄すべき時期」「精神の衝撃」のために、青年期の記憶をほとんど失ってしまった主人公の〈私〉。そして、定年間際の銀行マンで、流されゆく人生に疑問を抱いてしまった〈私〉の学生時代の友人〈K〉。 50代になったふたりが、30数年前に輝くようなひと夏を過ごした高原の避暑地を再び訪れ、青春時代の記憶を辿って歩く。短くとも濃密な旅を終えたふたりに宿った思いとはーー。 『夏』『秋』『冬』と続く4部作の第1作目にして著者の代表作。作家・加賀乙彦氏の解説を再録。
運命の人はかつての許婚?平安後宮ロマン! 大納言だった父と母を続けて亡くし、他人に騙されて家の財産も失ってしまった沙羅。親が決めていた縁談もあっさりとなかったことにされ路頭に迷いかけた沙羅だったが、入内した従姉妹の女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら、梅壺で静かな日々を過ごしている。 そんなある日の夜。主が飼う猫の散歩につきあい、月明かりの中で一人ぼんやりと庭をながめていた沙羅の前に、宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくるその男は、右近少将藤原朝蔭と名乗った。その名を聞いて衝撃を受ける沙羅。それは忘れたくても忘れられなかった、かつての許婚(いいなずけ)の名前だったーー。 運命に翻弄され、裏切られ、過去の悲しみの中ですべてを諦めるかのように生きてきた沙羅だったが、強引なほど沙羅との距離を詰めようとする朝蔭の態度に、いまさらと思いながらも、ゆっくりと心を開きはじめる。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を、沙羅は耳にしてしまい……。 運命の恋を描く、平安後宮ロマン!
名和涼真は、ごく普通の大学生。だが彼の兄弟は、それぞれが特殊な事情を抱えていて…。まず、ある事件に巻き込まれた長兄の一真は現在、人としての存在があやふやだ。美貌の次兄・祥真は、祖父の跡を継ぐべく「水神社」の守り手候補となっている。末っ子の秀真は、長く別の世界に飛ばされていた幼馴染みを、最近、取り戻したところだ。実は涼真にも、普通とはいえない事情がある。子犬かと思えば少年のようで、実際にはそのどれでもない…変幻自在の友人・サクラのこと。世界はシンプルで、かつ混沌としている。新感覚パラレル・ストーリー第二弾!
東京駅に到着した「ひかり」号の洗面所で忘れ物が発見された。その持ち主が自宅近くで殺害され、捜査が始まった。調べを進めるなか、被害者の関係者である女性の死体が阿武隈川で発見された。容疑者とみられる男には、二つの事件のどちらにもアリバイがあって…(「ゆうづる5号殺人事件」)。このほか、同僚の亀井刑事が容疑者で捕まったり、妻の直子が事件現場に居合わせたり、といった事件が。容疑者による鉄壁のアリバイを、十津川警部はどう崩すのか!?東北地方を舞台にした、珠玉のトラベルミステリー五編を収録。
わたしたちの新たな旅立ちを祝っていただきたいと思う方々をご招待した、ささやかな宴ですー。小さな創作料理のレストランを始めるという泰樹と萌恵の披露宴が始まった。式の前に「大切なものを捨てる結婚はしません」「泰樹とは積み上げていける。捨てるんじゃなくて育てていける」と語った萌恵には、産みの母と育ての母がいた。二人の母の間で揺れ、環境に振り回される自分の存在に苛立ちながら成長した彼女が目指す、本物の夫婦像とは。居合わせた人々が、家族の形や生き方に真摯に向き合おうとする姿を描く、感涙の結婚式小説。
話題の胸アツ法廷エンタメ小説、待望の続編 クー・クラックス・クラン誕生の地、テネシー州プラスキ。幼い日、目の前で彼らに父を殺された黒人弁護士ボーは、45年後の父の命日に復讐殺人の疑いで逮捕された。親友の冤罪を晴らすべく、70歳のロースクールの元教授トムと熱血漢の教え子リックの老若弁護士コンビが法廷に立つ。あまりにも不利な状況の中、「負け知らず」の女性検事を相手に二人の反撃が始まるがーー。胸アツエンタテインメント『ザ・プロフェッサー』の続編が、大好評にお応えして登場です。解説は、前作読了後に「出版してくれてありがとう。続編もぜひ出して下さい!」と直接編集部にラブコールを下さった、落語家の林家正蔵さんです。
奈子は、大学の通学路ですれ違う男性がとても素敵で、ずっと気になっていた。話しかけることもできず親友・葵に相談するのが精一杯。時は過ぎ、いつのまにか彼と会えなくなる。彼との再会を夢見る奈子だが、葵とともに彼の行方を捜すも、いつもあと一歩のところですれ違ってしまう。果たして彼と奈子は再会できるのか?驚愕のラストとは?WEBで期間限定全文公開をするとたちまち大反響。戦慄の展開が待ち受ける衝撃の恋愛ミステリー。短編「四谷三丁目の幽霊」、蘇部健一氏による笑って泣ける「ぬぁがーいあとがき」を収録。
碓井ヒカルは歌舞伎町「アリア」のナンバー1ホスト。ある日、店の太客から「鬼の腕」なる謎の干物をネットオークションに代理出品するよう持ちかけられたヒカルは、半信半疑でそれに応じる。すると「鬼の腕」は、なんと一千万円で落札されてしまった。ときを同じくして、ヒカルは道ばたでカイという不思議な少女に呼び止められる。指示されるままに古書店で一冊の仕掛け絵本を購入すると、それは例の「鬼の腕」にまつわる平安時代の「渡辺綱の鬼退治」の物語でー。カイに連れられ、本の中へダイブしたヒカルの運命は?元気がでるおとぎ話、爆誕!
唸る剛剣、煌めく正義。そして因縁が……。 八賢人の一人「真理の紡ぎ手」を退けたランベールは、以前から存在を訝しく思っていたハインス教の聖都ハインスティアへと向かっていた。 その目的はハインス教が真の正義の下で力を行使しているのかを「見定める」ため。 一方で「笛吹き悪魔」たちもまた、聖都に集結しているのであった。 ハインス教、「笛吹き悪魔」、ランベール。 3つの強大な力が、この聖都で衝突する。 そしてその闘いの先に、ランベールは200年前の統一戦争時代から続く、否、己がアンデッドになった時から続く因縁そのものの残滓に出会うのであったーー。
第1回警察小説大賞、満場一致の受賞作! 「聞いてると思うけどさ。俺たちはごんぞうだから。無駄な仕事はしないから。張り切ってガタガタ騒いだりしないでね」 ごんぞうーー自主的窓際警官のこと。 神奈川県辻堂にある鳩裏交番は、自主的窓際警官、いわゆる“ごんぞう”ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しようとしない。県警幹部も扱いに手を焼く“ごんぞう”たちだが、「巡回」だけは大好きで、住民との世間話をきっかけに事件に首を突っ込んでゆく。そんな中、ホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生。“ごんぞう”たちは真相に辿り着くのだが……。 第1回警察小説大賞、選考委員満場一致の受賞作! 【編集担当からのおすすめ情報】 「アンチヒーロー的な主役が魅力。一番面白い作品になる可能性、すなわち伸び代がある書き手」--相場英雄氏 「いわゆる『ごんぞう』だけを集めた実験交番。この設定を上手く生かし、愉快で物悲しい人間味のあふれる警察小説に仕上がっている」--長岡弘樹氏 「読み進めれば読み進めるほど面白くなる。警察小説というテーマに、もっとも斬新な形でこたえた作品」--幾野克哉(小説誌「STORY BOX」編集長)
最後の退校希望者は、誰だ? 必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出すための篩。それが、警察学校だ。警察学校第百二期短期課程の教官を務める風間公親は、警官の資質なしと見なした生徒には、容赦なく退校を命じる鬼として知られていた。その風間に校長の久光が命じたのは、「退校者ゼロ」の模範教場を作ることだった。妊娠する女生徒も現れるなか、風間はミッションをクリアできるのか!? 累計70万部のベストセラー最新作! シリーズ初の長編! 【編集担当からのおすすめ情報】 本邦初の警察学校小説として大きな話題となり、 ベストセラーとなった『教場』。 フジテレビ開局60周年特別企画として、 木村拓哉主演でスペシャルドラマ化! 2020年新春放送予定。 『風間教場』は、「教場3」にあたるシリーズ最新作。
実在の小説家たちを巻き込んだ混沌の結末 前巻で、主人公・前田永造と『別れる理由』の作者が電話で延々と語り合うシーンが描かれたかと思えば、場面は急に作者が出席したパーティ会場に移る。そこには永造のほか、藤枝静男、柄谷行人、大庭みな子といった実在する小説家、評論家たちがおり、愛と性、文学、哲学などについてのとりとめもない会話が展開される。 挙げ句、連載されていた雑誌「群像」の編集長が作者に話を早く進めるよう促すなか、「『月山』の作者」という人物(森敦)が登場し、物語はいよいよクライマックスへーー。 第38回日本芸術院賞、第35回野間文芸賞を受賞した小島信夫“執念の大作”最終刊。
1945年8月、広島と長崎に原爆が投下され、その直後に迎えた敗戦。GHQ占領下の卑屈な統治時代を、市井の人たちがどのように生き抜いたのか、ある海軍中将一家の目線で描く。未亡人となり家財総てを失った中将夫人、米軍人に求婚される長女、原爆被害で恋人と離ればなれになってしまった長男、その長男を想いながらも米兵に身をゆだねてしまう恋人…。戦勝国・アメリカを呪いながら、その助けなしには生きていけない日本人の哀切と、それでも新時代に向けて歩みを始める強さを、心の奥底を揺さぶる独特な筆致で綴った秀作。
姫こそが浪士の希望。新「忠臣蔵」の誕生。 時は、江戸幕府が生類憐れみの令を発していた元禄の頃。 広島三次藩に生まれた美しい栗姫、のちの阿久利姫は、播磨赤穂藩の浅野内匠頭長矩に輿入れしてからというもの、大名火消しや勅使饗応、藩の政治に励む夫を支え、家臣を家族とも思い、面倒を見てきた。 しかし、勅使饗応の指南役である高家筆頭・吉良上野介の「依頼」を断ってから、平穏な暮らしに目に見えないひびが入りはじめるーー。 胸騒ぎを感じながら過ごしていたある日、火事場でとった内匠頭のとっさの「行い」から、五代将軍徳川綱吉の側近である柳沢保明からも不興を買ってしまう。 質実剛健で質素倹約、大名火消しとして江戸者の人気をさらう内匠頭を目障りに思う、吉良と柳沢はとうとう赤穂藩改易を企む。 吉良のしつこい嫌がらせに、次第に身心を病んでゆき、つかえを発症した内匠頭。 疲弊した夫を癒そうと必死になる阿久利の努力も空しく、内匠頭は江戸城中松の廊下で吉良へ刃傷に及ぶ。 即日切腹を聞かされ、藩邸引き払いを命じられた阿久利は、吉良の沙汰を待つが……。 赤穂浪士一縷の望み、阿久利の静かな闘いが今はじまった。 広島県三次市出身の大人気時代小説作家が描く、新しい「忠臣蔵」! 【編集担当からのおすすめ情報】 大人気シリーズ「浪人若さま新見左近」「公家武者信平」「身代わり若殿葉月定光」で大活躍している時代小説作家が放つ、広島三次藩の「忠臣蔵」!
古都サンドミエシュのシナゴーグで見つかった女性の遺体。咽喉元を幾重にも切り裂かれ、体中の血を抜かれて不自然なほど真っ白になった議員の妻の無残な姿に、町の人々は「儀式殺人」だと騒然とする。独り身となり首都から赴任してきた傷心の検察官シャツキは、久しぶりの大きな事件に腕を鳴らすが、やがて第二の遺体が…。“欧州一ボヤく男”こと中年検察官シャツキが、凄惨で不気味な殺人事件の謎を追う!第三作『怒り』、第一作『もつれ』で日本のミステリーファンを驚かせた「ポーランドのルメートル」による怪作シリーズ、衝撃の第二作。
フルダ・ヘルマンスドッティル、六十四歳。女性警部として実直に職務に励むも“ガラスの天井”に出世を阻まれ、数カ月後に定年が迫っていた。ある朝、年下の上司から二週間後に後輩に席を明け渡すよう急に指示される。最後に未解決事件を担当させるよう進言したフルダは、ロシア人女性不審死事件の単独捜査を始めた。当初は難民申請が通らず自殺したとされていた彼女だったが、やがて売春組織の関与が見え始める。真実に迫るフルダを待ち受けていたのは、あまりにも悲劇的な運命だった。アイスランド・ミステリの気鋭、待望の新シリーズ。
女大家おはんの法華長屋に三人の若者が越してきた。男前の才蔵、浅黒い与市、下がり目の小六、室町一丁目の呉服商京屋専属の仕立屋だ。実はこの三人、大奥年寄今和泉と御目付神保中務が世情の安寧を願って江戸に放ったお広敷伊賀者。そして、京屋を買い取った旦那の又兵衛はお広敷番頭で、女人に目がないが、酸いも甘いも噛み分けた直心影流の達人だ。その京屋に、妙な男が紛れ込む。前の京屋の五番番頭で三木助というのだが、これがとんでもない男で…。江戸の長屋は恋あり、剣あり、笑いあり!これぞ著者最高の書き下ろし“大笑い時代小説”新シリーズ第1弾。