小説むすび | 出版社 : 小学館

出版社 : 小学館

女人追憶 8女人追憶 8

出版社

小学館

発売日

2018年8月10日 発売

帰省列車で隣り合わせた人妻との危険な情事 夏休みの帰省を前に、下宿先の未亡人ちえに誘われて観劇に行った真吾。厳格な姑のもと貞淑な嫁に徹するちえの意図を測りかねるも、以前の電車内での一件もあり、何かが起こるのではと淡い期待もしていた。解放的な時間のなかで生き生きとしているちえに、はるか年上の女性ながら新鮮な魅力を感じる真吾。案の定、帰り道にひそやかな行為に興じたふたりは、続きは夏休み明けに、と「約束」する。その帰省のために乗った列車では、隣の席の女性・佳子と同郷であることがわかり、話がはずむ。人妻である佳子は、浮気をした夫と一時距離を置くため里帰りするところであった。長時間の乗車中、佳子は真吾としても驚きの大胆な行動に及ぶ。そしてふたりは、帰省先で改めて会うことを「約束」するのだった。故郷の恋人・妙子との関係は良好で、両家の親からも認められ、「婚約」の決意を新たにする真吾。そんな状況にあっても、以前関係した同級生の鈴子と、結婚してからも密会しようと「約束」をする。さまざまな女人たちとの「約束」、共に追い求める官能の世界。真吾の性的探訪の旅は果てなく続いていく。

抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた抱擁/この世でいちばん冴えたやりかた

著者

辻原登

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小学館

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2018年8月7日 発売

ゴシックミステリから奇譚まで極上の物語集 元版は2002年刊の短篇集『約束よ』と2009年刊の中篇『抱擁』。二冊を合本、二部構成にして初の文庫化。第一部「抱擁」は、二・二六事件の翌年、昭和12年の東京駒場の前田侯爵邸を舞台に展開する。18歳の小間使い(わたし)の検事に向かっての供述で語られる物語。5歳の令嬢・緑子の不可思議な行動、ゴシック建築の洋館で起こる異様な事件、物語は謎をたたえて結末に向かって走り出す。ヘンリー・ジェイムズの傑作『ねじの回転』をパスティーシュした傑作である。 第二部は総タイトルを「この世でいちばん冴えたやりかた」と改め、七篇の名品が並ぶ。日本と中国を舞台にした奇譚の数々。一篇一篇がその文章力と物語の起伏で読む手が止まらない。特筆すべきは著者の代表作である盲目の落語家を主人公にした『遊動亭円木』(谷崎潤一郎賞)の外伝三篇が収録されていること。ファン感涙である。若き日に中国貿易に携わった著者でこそ書ける中国を舞台にした三篇もすごい。時代も唐から現代まで、そのストーリーテリングは凡百の作家の追随を許さない。タイトルに採った「この世でいちばん冴えたやりかた」は天安門事件を背景にした驚くべき現代の奇譚。単行本時の表題作だった「約束よ」には官能の匂いが立ちのぼる。 さらに、作品の中にさりげなく引用されるフロベールの『ボヴァリー夫人』とボルヘスの掌篇、豊潤な作品を詰め込んだ「世界文学」ともいうべき至福の物語集である。 解説は宮下奈都。

赤道 星降る夜赤道 星降る夜

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小学館

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2018年8月7日 発売

真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌 ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。 そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。 やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 おそらく日本国内ではほとんど知られていない、終戦間近の時期インドネシアで実際に起こった「ポンティアナック事件」がモチーフとなっています。この事件は日本ではほとんど知られていませんが、現地では今も毎年慰霊祭が行われ、忘れられることはありません。それは、決して遠い記憶ではありません。 戦争時は軍隊、現代はブラック企業、有名大学の体育会まで。名前と質こそ違えど、現代も昔も一部上層部の私利私欲のために犠牲になり、苦しむ人々はたくさん存在します。著者の力強い筆に救われ、励まされる方も多数いらっしゃると思います。 こんな時代だからこそ、10代の高校生から戦争を経験された年輩の方々まで、現代を生きる多くの方に是非読んでいただきたい、人間賛歌。 読後は爽やかで、明日を生きる力が湧いてくる小説です。 インドネシアとの国交樹立60周年の今年の夏に、満を持しての文庫化です。

神様の護り猫 最後の願い叶えます神様の護り猫 最後の願い叶えます

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小学館

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2018年8月7日 発売

あやかし猫が起こす再会の奇跡! ストレスで体調を崩し、会社を退職。初めての彼氏にも浮気されてあっさり失恋。うまくいかない人生に打ちのめされた美琴が逃げこんだのは、亡くなった祖母が住んでいた田舎の空き家だった。 誰とも接触せず、引きこもり気味に一人暮らしをはじめた美琴だが、気分を切り替えようと訪れた近くの神社で、見習い神主の青年・千早と、人の言葉を話す猫・モーと出会う。モーの不思議な力によって過去の自分の姿を見せられた美琴は、心の奥に押し込めていた後悔と向き合うことに……。 花咲神社は生者死者の再会が許されている場所。神様の眷族だというモーは、それを必要としている人々の手助けをするのだと千早は言う。特別なこの神社で、美琴が選んだ未来とはーー? 心から誰かに再会したいと願えば、きっと叶えてくれる神様の猫がここにいる。現世〈うつしよ〉と隠世〈かくりよ〉をつなぐ花咲神社で、優しい神主見習いと毒舌猫とともに働くことになった美琴の、奇跡と涙と感動の物語!

元将軍のアンデッドナイト(2)元将軍のアンデッドナイト(2)

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小学館

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2018年7月19日 発売

巨悪を挫くは、圧倒的な力と義。 二百年前の統一戦争において、常人には扱うこともできぬ超重量の魔金(オルガン)製鎧と大剣を駆使して戦場を駆け抜け、数々の戦果を上げた超英雄・ランベール。 仕えていた主君から叛意を疑われ非業の死を遂げた彼は、時代が移り変わりすっかりと平和になったレギオス王国にて、偶然アンデッドナイトとして蘇ったーー。 その後、レギオス王国のアインザスにて、二百年前の怨敵・ドーミリオネを人知れず倒し、都市に陰謀を持ち込んでいたオーボック伯爵の謀略を防ぐ。 そして、時代を超える超英雄の物語は、次の都市バライラへと向かってた。 その目的は、オーボック伯爵の騒動の際に名前の出た『笛吹き悪魔』という禁魔術組織の情報収集である。 死してなお、レギオス王国への忠義心を忘れぬランベールは、王国に危機をもたらす可能性のあるものを、全て滅ぼす覚悟をしている。 そんな彼の前に現れる『笛吹き悪魔』の「八賢人」が一角。 それは、かつてランベールが討ち果たした、史上最悪の錬金術師ガイロフが生み出した魔道書を操る魔術師。 果たして繰り広げられるは稀代の死闘か、殺戮かーー。 最強のアンデッドナイトが繰り広げる、再英雄譚。堂々の第二弾!!

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