出版社 : 小学館
料理雑誌の編集者・栗原綾乃には、実は重度の食物アレルギーがある。不本意な配属と食物への恨みをつのらせた綾乃は、ヤケ酒をあおって倒れ、生死の境をさまようことに。そこへ花比売という女神が通りかかり、ある契約を持ちかけてきた。強引な展開に困惑する綾乃だが、一心同体となった花比売のおかげか、アレルギー症状が消えて万万歳。しかし女神に胃袋を支配され、いくら食べてもすぐにお腹がすく。わがままな花比売は「美味しいものでなくてはイヤじゃ」と言うし…。かくして女神様と元アレルギー体質編集者の、グルメ追究二人三脚生活が始まった!
冒険者が集う街・迷宮都市レイロア。司祭のノエルは、あまりにも遅い成長速度のせいで相変わらず固定パーティを組めずにいた。ようやく春を迎えたレイロアは毎日が冒険日和。そんな中、相棒達にもちょっとずつ変化が起きていて?せちがらくもどこか楽しい冒険活劇第三幕。
京都クルミ製作所の崖っぷち3人組が立ち上がった!「セカンドキャリア戦略室」。通称クビ切り小屋こと、「ギロチンハウス」に異動となった3人。社内不倫、不正経理、派閥争い、盗聴、裏切り…。いま崖っぷち社員の、人生をかけた闘いが始まる!リストラ秒読み社員が会社の闇を暴く!痛快!!リストラリベンジミステリ小説。
女教師・美津と過ごす妖しい放課後の秘め事 昭和24年の春、真吾の通う高校は女学校と合併して共学になった。高校3年生となり、翌春に控えた卒業と大学入試が最重要事項ではあるものの、多くの男子学生と同様に、女生徒と縁ができることに仄かな期待も抱いていた。だが思いがけず、真吾の心をとらえたのは、女生徒ではなく新任教師の香原美津だった。ある日の放課後、野の道で偶然出会った美津と真吾は、急速に接近していく。社会人になった恋人・妙子への愛に変わりはなく、美津とは互いに“遊び”と割り切った関係ではあったが、これまでに出会った女性たちにはない、大学出のインテリ女性ならではの知的な雰囲気、成熟しきった女の魅力、そして欲望のままに肉体をぶつけてくる大胆さに、真吾はのめり込んでいく。教師と生徒であり、絶対に誰にも知られてはならないというスリルを味わいながら、二人は逢瀬を重ねる。一方、共学となった校内では、いくつもの恋の物語が生まれていた。秋も深まった頃、真吾はかつて一度だけ関係した女学生・安希子から意外な話を聞かされる。
舞台は東京へーー都会で始まる新しい出会い 大学進学を機に上京した真吾は、賄い付き下宿・金沢荘に入居する。下宿先には一人娘で高校三年生のアキがいたが、真吾は高校の先輩で同室の小松原から、アキに気をつけるよう助言される。天性の好色女で、これまでに何人の下宿人と関係したかわからないのだという。案の定、真吾は誘惑されるが、冒険心から誘われるままにアキの部屋を訪ねるようになる。真吾に恋人がいることも承知しているアキは、プライドが高く自分を美化している向きもあったが、多くの東京の女学生にはない、あどけなさや幼稚さを残している少女でもあった。大学の講義への興味を失いはじめていた真吾は、アキに魅力を感じるようになっていく。アキのほうも夢中になり、他の男との関係を断つまでに。だが、金沢荘の古株で粗暴な今重がふたりの仲に疑いを持ったことから、事件が勃発する。一方で、金沢荘の下宿人たちの性生活は様々であった。とにかく一人を好む者、学生の特権を活かして女子大生に声をかけ下宿に連れ帰る者、娼婦にのめり込む者などなど。彼らから聞く体験談は、真吾にとって大層刺激的なものであった。
梅雨のある日、小学生のすばるは学校の近くで、未来からきたという若い女性の幽霊と出会う。アイハラコトナと名乗る彼女は、なぜかすばるのことをよく知っていて、「今日転校してくる相原琴奈と仲良くしないでほしいの」と言った。だが、同じ飼育委員になったことで、すばるは転校生の琴奈と親しくなっていく。その後も、中学、高校、大学と、成長していくすばるの前に時々現れる幽霊の彼女。彼女が未来の琴奈だとしたら、琴奈はもうすぐ死んでしまうのだろうかー?青春小説の旗手による青春ミステリーにして、どこまでも透明なラブストーリー!
イケメン和裁士が解く、着物に隠された秘密 ファッション雑誌から、着物専門誌の編集部へ突然異動になった陽菜子は、体力だけが自慢の新米編集者。極度の着物嫌いな母親の影響で、アンチ着物派だった陽菜子は、思いがけない事態に戸惑いを隠せない。さっそく取材を任されて向かった浅草で、美形の和裁士・桐彦にインタビューすることになるが、知識のなさを思い切りさらして大失敗! 桐彦はそんな陽菜子を「ねこちゃん」と呼び、未熟さをからかってきた。『会いたくない男ナンバーワン』に認定した桐彦と、その後もたびたび顔を合わせる陽菜子は、いつも余裕な態度で陽菜子に意地悪する桐彦にムッとするばかりだった。 そんなある日、母親と違い着物を愛する祖母に教えを請おうと、祖母の古い着物を見せてもらうことになった陽菜子。だが、美しい着物たちの中に一つだけ、無残な保存状態の着物が。祖母の様子に疑問を感じた陽菜子は、着物の専門家である桐彦に相談をすることになって……。 いじっぱり女子と眼鏡着物男子な和装士が、着物にまつわる謎と秘密を解き明かす! じれったい恋の行方も気になる、浅草着物ミステリー!!
入学式の朝。中学生の一色恭夜は、例によって霊にからまれていた。恭夜は代々女だけが生まれ、会話によって「霊を説得」し成仏させる役目をもつ一色家に、初めて誕生した男の子だ。そんな恭夜の前に颯爽と現れたのはひとりの少女。自分の体内から日本刀を出して霊と対峙する望月冴子だ。彼女は代々男だけが生まれ、武器によって「霊を斬る」ことで成仏させる役目をもつ望月家初の娘だった。これまで面識のなかったふたりは、同じ三日月中学に通うことになったその日から、協力しあうことに…。中学生コンビの痛快&ほっこり霊障解決ストーリー!
もう一度あの「食」に出会えたら、彼の本当の気持ちがわかると思ったんですー。京都にある看板のない食堂には、思い出の味を求めて今日も迷い人が訪れる。別れの原因になった親子丼、亡き息子の優しさが詰まっていた焼売、妻と息子が好きだったのに、どんな味だったか思い出せないきつねうどん。夕食を家でとらない元夫が毎晩食べていたおでん、遭難しかけた際におばあさんが食べさせてくれた芋煮、一目惚れした彼が完成させたかったハヤシライス。盛りだくさんなメニューを鴨川流・こいし親子が見事に探し出す。大好評の美味しいミステリー第五弾!
乙一×岩井俊二。伝説のノベライズ文庫化 石ノ森学園中学校に転校してきた有栖川徹子(通称:アリス)は、転校早々クラスメイトから嫌がらせを受けるようになる。どうやら彼女の席には呪われた噂があるようだ。 そんなある日、アリスは、自分の隣の家が「花屋敷」と呼ばれ、話題にのぼっていることを知った。彼女は、ある目的をもって花屋敷に潜入する。家のなかには、長期不登校中のクラスメイト・荒井花(通称:花)がいた。そこで花はアリスに、驚くべきことを口にする。
ファミリーレストランチェーン社長・岡崎秀明が誘拐された。犯人は身代金を要求せず、相応の請け負い料を支払えば、敵対する人物を消してみせると持ちかけた。白石検事に不正経理で告発されることになっていた岡崎だったが、一億円を振り込んだ直後、白石検事と部下が事故死した。その頃、特急「南風」に乗車中だつた岡崎には、アリバイがあった。その後、岡崎の弱みを握った誘拐犯から連絡が入る。それは甘言と卑劣な遣り口で人につけ込む、請け負い殺人グループのさらなる策謀の始まりに過ぎなかった!十津川警部は、奴らの正体をどうやって暴いていくのか?長編トラベルミステリー。
天職は最下位職である『低級魔道士』でしかないものの、圧倒的な才覚、そして恐るべき成長速度を備えた少年、ルーク。彼は徐々に時代を超える才能として周囲から厚い信頼を集め始めていた。冥府の迷宮から再び城塞都市に帰還したルークたち。ようやく訪れた平穏もつかの間、大陸戦争勃発の報せが届く。その裏では謎の女・ユメリアによる、奇跡を起こす魔導具『ホロウグラフ』を巡る戦いが起きていた。今と未来、二つの国に引き裂かれ翻弄されるルークとリリの運命は如何にー。Web発大人気王道ファンタジー、待望の第3巻!
オリヒメはとある南の島に暮らす、中学生のおんなのこ。満天の星の下、彼女の前に現れたのは未来人を名乗る不思議な人物だった!その人物ースバルとのデートを楽しみにしつつ、幼馴染みの同級生たちとの変わらない日常を過ごす少女。しかしスバルが予言した通り島に転校生がやってきたその日から、彼女の日常は少しずつズレ始める…現役東大生作家鮮烈のデビュー作!
若き妻と夫の機微を描いた著者初期の意欲作3編。「ソクラテスの妻」は1963年度の芥川賞候補になった秀作。著者自身がモデルとされた作品で、浮世離れした夫の行状に手を焼く妻の苦労が描かれる。「二人の女」もまた芥川賞候補となり、親友をモデルにした「加納大尉夫人」は1964年度の直木賞候補となった。いずれもユーモアと深いペーソスに彩られた、色あせることのない珠玉の一冊である。
戦に生きた男、焦がれる女ー。二人の小さな恋のつぼみ激動の時代に大輪の花は咲かせられるのかー。時代の転換点ともなる戊辰戦争の一連の戦いの中で明治2年3月25日に盛岡藩宮古村で新政府軍と旧幕府軍の戦闘が繰り広げられた。志ある若者と時代に翻弄される女の感涙必至の人間ドラマ。最後に待ち受ける二人の運命が、ただただ眩しく神々しい。
嵐の夜、米大統領を乗せた専用ヘリコプター“マリーンワン”が、ホワイトハウスからキャンプ・デーヴィッドへ向かう途中で墜落した。フランス製のヘリの欠陥かと全米世論が沸くなか、海兵隊のパイロットだった弁護士マイクは、製造会社の弁護を引き受けることに。何者かに脅かされ命を狙われながらも真相を求めていくと、そこには驚くべき事実があったー。かつて米国海軍のトップガンとして活躍、後に弁護士に転身した異色のベストセラー作家が遺した傑作法廷ドラマが、日本初上陸。虚構か現実か?怒涛の終章まで、ページをめくる手が止まらない!
時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くにある三好家の屋敷に、その男はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。織田信長ですら畏れた稀代の梟雄・松永弾正久秀を突き動かすものは、野望かそれとも…!?「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。