出版社 : 小学館
時代劇の伝説的脚本家、小説も大ヒット! 第一話 箱入り娘 六平太は不意の付添いが縁で、播磨石郷藩米倉家のお抱え屋敷に出入りするようになる。屋敷の主・お佐江の方の娘、結衣の輿入れが決まった。西国へ嫁ぐ前に、六平太は結衣を江戸見物に連れ出す。 第二話 島抜け ひと月前、伊豆大島で三人の島抜けがあり、一人の消息がつかめない。男は兇盗・黒弥陀の一味だったくちなわの惣兵衛。黒弥陀は六年前、内部の裏切りにより全員が捕らえられた。一味を売った丑松は、半次と名を変え、六平太も通う元鳥越の髪結い「きのし床」を営んでいた。 第三話 神隠し 秋月六平太は、困っていた。神田「紙半」の娘・お夏の行き先は、なにがなんでも野巫(町場の陰陽師)の御託宣に従うからだ。大川の川開きの当日、お夏は夕刻から花火見物でごった返す両国に出かけると言い出した。案の定、六平太は大川の橋の袂でお夏を見失う。 第四話 藪入り 夏の藪入りの十六日、六平太は竹木炭薪問屋「田丸屋」の丁稚奉公・幸助と深川にやってきた。幸助は一年前の夏に父を亡くした。その年の藪入りに実家のある下谷の裏店に行くと、母の姿はなく知らない家族が住んでいたという。幸助の母・おれんは、深川で男に売られていた。 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ時代劇の四英雄 北大路欣也さん、高橋英樹さん、 里見浩太朗さん、松平健さん、 こぞって絶賛!(コメント到着順) 書き下ろし時代小説界最後にして最強の新人! 早くもシリーズ第四弾!
音楽には、物語を引き起こす力があるー。八〇年後半から九〇年代の日本の音楽シーンを彩ってきた名曲を中心に、そこに寄り添うようにして紡がれた十四のショート・ストーリー集。秦基博さんとの対談も収録。
新たな『神様のカルテ』はここから始まる。 シリーズ300万部突破のベストセラー『神様のカルテ』にまつわる人々の前日譚であり、かつ珠玉の短編集です。栗原一止は、信州にある24時間365日営業の本庄病院で働く内科医です。本作では、医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。ますます深度を増す「神カル」ワールドをお楽しみください。 【編集担当からのおすすめ情報】 二度映画化され、日本中を温かい心に包み込んだ 大ベストセラー、待望の続編!
日本ルイス・キャロル協会会長、大絶賛! いつものようにフランス人形のポレットと、ドールハウスで遊ぶアリス。8才だから「そろそろ大人にならなきゃ!」と決意をし、ポレットに別れをつげたその夜、ドールハウスの中の、あるはずのないらせん階段を下りていくポレットを目撃する。「ポレットが逃げちゃう!」と驚くアリスが手を伸ばした瞬間、身体が小さくなり、らせん階段に吸い込まれてしまう! --そうしてアリスが辿り着いた先は【人形の国】だった。 積み木の船頭【ブリックス・ブロックス】が漕ぐリンゴの舟に乗り、ポレットと【A〜Z】のアルファベットを追いかける、アリス新たな冒険が始まる! ********************************************************** 人形の国にいざなう ころがりはじけることばたち 『不思議の国のアリス』から150年 星がきらめく夜の奥 あなたを夢中にさせるのは デジャビュのような別世界 日本ルイス・キャロル協会会長 安井泉 大絶賛! **********************************************************
京都の魔界の闇に人妻料理人が迫るミステリ 京都御所の近くにある「ビストロ青猫」ではフランスの家庭料理を手軽に楽しめ、ケータリングサービスも評判だ。37歳の辻村凪子ももともとは夫の公輔と足繁く通う常連客だったが、三年前からこの店で働きはじめた。三年前、取材に出たまま行方がわからなくなった新聞記者の夫が、いつかここに姿を現すかもしれないという淡い期待もあったからだ。 貴船の南3キロほどにある溝口家を凪子がケータリングに訪れたその日。料理の準備を進めていると、ときどき店の手伝いをしている大学生の準平が声をひそめて言った。「あの人、もしかして『キミーK』じゃないですか?」神社仏閣巡りが趣味で“魔界”に詳しい準平によれば、溝口家のリビングでくつろぐ年齢不詳の女性は、いかがわしい噂もある呪術研究家だという。 そのキミーKこと桂喜美恵の死体が、翌朝「鐵輪の井戸」近くで見つかる。井戸は貴船神社丑の刻参りの出発点といえる“魔界”スポットだった。凪子はこの出来事を発端に、やがて続発する事件に関わっていく。それが夫・公輔の危険な“居場所”へと近づくことも知らずにーー。 呪いか、祟りか、トリックか?「髑髏本尊殺人事件」の謎に人妻料理人が迫るミステリ小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 静岡新聞で連載された同名小説を改稿した文庫オリジナル作品です。
珠城学院高校の体育教師・桐野一寛(イッカン)は、「スクールセイバー」の一員でもあった。メンバーは、教頭の魚塚(ウオッカ)、国語教諭の範田、数学教諭の尾根、英語教諭のジョー・ラベリス、用務員で、もつ焼き「あらい」の店主・荒井二郎(あらじい)の六名。その任務とは、学校で起きた不祥事を表に出ないように上手く収めることだった。生徒の賭け麻雀や競馬、教師による体罰、果ては卒業式の爆破予告まで!生徒の将来と学内の平和をどう守るのか。そして、イッカンと小宮知子との仲はどこまで進展するのか。読めばもつ焼きが食べたくなる、シリーズ第二弾。
とびきりピュアでキュートな初恋純情小説! 毎朝六時半のラジオ体操ではじまり、「いただきます」の声を合図に、ほかほかの朝食が食堂のテーブルに並ぶ。京都の左京区の学生寮で四年間なじんだ生活は、山根が大学院生になった春からもつづいている。寮には、生物学科の安藤や電気電子工学科の寺田、たまに顔を出す数学科の龍彦も含め、趣味と研究を偏愛しすぎるゆかいな仲間ばかり。山根も例外ではない。工業化学科でエネルギーを研究しつつも、花火をはじめ何かが燃える様子を見ているだけで気持ちがたかぶり、「爆薬担当」とからかわれるほどだ。当然、異性のことなんて頭の片隅にもなかったのだがーー。 糺の森を訪れたその日、突然の雷雨に浮かび上がる満開の山桜の向こうに、白いワンピースを着た女のひとがいた。ずぶ濡れになった山根は熱を出し、熱が下がってからもなにやら調子がおかしい。そして、龍彦のガールフレンドの花にたやすく言い当てられる。「山根くん、もしかして好きなひと、できた?」。花は言う、もう一度“姫”に会いたければ、下鴨神社に毎日参拝すべしーーと。 葵祭や五山送り火、京都ならではの風物を背景に、不器用な理系男子のみずみずしい恋のときめきを愛おしく描いた長編、初恋純情小説の決定版! 【編集担当からのおすすめ情報】 好きになった相手の一挙一動に心が大きく揺さぶられ、頭のなかのすべてがそれで満たされたあのときの記憶。初めて恋をしてしまった主人公・山根のぎこちなさは、きっと誰もが身に覚えのある初恋の記憶と重なるはずです。ぜひ山根くんのまっすぐな恋に、あたたかなエールを送ってください! *本作は、「ダカーポ最高の本!2010」で“女子読み恋愛小説”第1位に選出された『左京区七夕通東入ル』の姉妹編で、どちらの作品からでもお愉しみいただけます。
三十五歳、ひとり暮らしの私は、契約社員として、顧客クレジットカード申し込み記載漏れリストを修正する職務に就き、淡々とした日々を過ごしていた。そんなある日、記載漏れリストのなかに、十数年来音信不通の姉の連絡先を見つけてしまう。姉の出奔は、学生時代、私が当時付き合っていた恋人を奪って逃げたことに端を発していた。しばらく躊躇した後、久しぶりに電話してみる。不思議な体温のやりとりが続き、じゃあ、会おうかという話になった。姉は、幼少期、母に対していい思い出は少なかった。年の暮れ。私は姉を連れて帰省することにするのだがー。
江國香織の新訳で、あの名作が甦る! 竜巻に巻き込まれて家ごと吹き飛ばされたドロシーと愛犬トト。少女が辿りついたのは、いい魔女と悪い魔女、そして偉大な魔法使いオズが支配する見知らぬ国でした。故郷のカンザスに帰るためにドロシーの冒険が始まります。道連れは、脳みそのないかかしと心臓のないブリキのきこり、そして臆病なライオン。一行は彼らの願いをかなえてくれるという、偉大な魔法使い・オズのいるエメラルドの街をめざして長い旅に出ます。致命的なひなげし畑、邪(よこしま)な魔女、翼のあるさるたち、おそろしい獣……読みだしたらやめられないワクワクさせる物語が江國香織の名訳で楽しめる極上のおくりもの。あの世界の名作は大人も子どもも楽しめる現代のワンダーテイルなのでした。 映画化もされたこの傑作シリーズ第一作を完訳した魅惑の一冊。瑞々しい江國ワールドを、植田真の繊細で美しい絵といっしょに楽しんでください。 【編集担当からのおすすめ情報】 誰もが一度は触れたことがある名作が、江國香織の生き生きとした訳で甦ります。かつて読んだ大人も、これから読む小中校生も。幅広く楽しめる一冊です。
「あんたの親父、亡くなったぞ」卒業し、入社一ヶ月で会社を辞めた直後のことだ。連絡してきたのは、名乗りもしないぶっきらぼうな男。孤独死だったのか?霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。文哉は、疎遠になっていた父の足跡をたどりはじめる。新境地の感動作。
歴史小説の巨人、6年ぶりの新刊!! 弘化三年(1846)日本海に浮かぶ隠岐「島後」に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎、十五歳。大塩平八郎の挙兵に連座した父・履三郎の罪により、六つの年から九年に及ぶ親類預けの果ての「処罰」だった。 ところが案に相違して、島の人々は常太郎を温かく迎えた。大塩の乱に連座した父の名を、島の人々が敬意を込めて呼ぶのを常太郎は聞いた。 翌年、十六歳になった常太郎は、狗賓が宿るという「御山」の千年杉へ初穂を捧げる役を、島の人々から命じられる。下界から見える大満寺山の先に「御山」はあったが、そこは狗賓に許された者しか踏み入ることができない聖域だった。 やがて常太郎は医術を学び、島に医師として深く根を下ろすが、徐々に島の外から重く暗い雲が忍び寄っていた。 『神無き月十番目の夜』『雷電本紀』『始祖鳥記』『黄金旅風』『出星前夜』と、いずれも歴史小説の金字塔となり得る傑作ばかりを書き続けてきた作家・飯嶋和一。 いつの頃からか、書評家や書店員のあいだで、「飯嶋和一にハズレなし」と語られるようになった作家の6年ぶりの新刊です。 今回も超弩級の大作です。存分にお楽しみください!
岩瀬修は六十三歳、今は文具会社の経営陣に収まっている。彼には、昔夢中になった任侠映画にまつわる忘れられない思い出があった。初めて観たのは中二のとき。たちまち高倉健の虜になった。映画を観たいがために家業の飲み屋を手伝うようになり、周囲からはヤクザと煙たがられている中間のおっちゃんと仲良くなる。そして、心臓が悪い従姉妹の弥生が、近くの県立病院に入院してきた。学校に通えない弥生のために、修はプリントなどを届けに行くようになった。弥生は、優秀で本好き、しかも絵を描くのが抜群に上手い。ケンカもしながら、親しくなっていく。任侠映画と、二人との出会いを経て、修は人生の荒波に漕ぎ出し始めた…。忘れ得ぬ人たちと映画への想いを綴った落涙必至の書き下ろしハートウォーム小説。
時は幕末、陸奥国八戸藩と南部藩に挟まれた小さな国、外館藩西根通大平村が舞台。大平村には、60歳になると全ての役割を解かれ、御山参りをする習わしがあった。それは食い扶持を減らす為の姥捨ての旅とも囁かれていた。一方、代官所は、どんな飢饉の年でも、きちんと年貢米を納める大平村に不審を抱く。老人の口減らしだけで、重い年貢を納めることができるのか、もしや「隠田」を開墾しているのではないか…。隠田は死罪に当たる時代、真実を暴きたい代官所と村人との攻防戦が始まる。老人達の知恵と勇気が、役人達を翻弄、果たして大平村の運命やいかに…?痛快!幕末老人エンタテインメント。
アラフォー三人娘のホラーなラブコメディ 夏美、秋子、冬は仲良しのアラフォー三人娘。カフェのオーナーを夢見て会社を辞めた夏美が借りたお店の場所に行くと、そこはおかしな店主がいる「喫茶面影」という怪しい店になっていた。地味な音楽教師の秋子は男子生徒に女心をもてあそばれ、自称女優の冬は上司ともめて会社をクビに……。散々な目にあった三人は、ひょんなことから夏美が働くことになった「喫茶面影」に集うことになる。さらに夏美の幼なじみで刑事の二階堂やその後輩・悲別を巻き込みながら、彼女たちの負のオーラが呼び起こした怪奇現象や妖怪たちに翻弄されていく。三人の恋の行方と運命はどうなるのかーー!? 日本の演劇界を代表する演出家、さらに映画監督、ミュージシャンとしても活躍する奇才、ケラリーノ・サンドロヴィッチが満を持して自身初の完全オリジナル脚本&演出でテレビ界に殴り込みをかける! 豪華スター競演で贈るポップなホラーラブコメディを完全ノベライズ。 【編集担当からのおすすめ情報】 注目の連続ドラマを放送開始前にノベライズ! 読んでから見ても、見てから読んでも楽しめる、キッチュで可愛いラブコメディです。
大人気コミックの映画版を完全ノベライズ! 都会でキャリアOLだったつぐみは、もう恋はしないと決めて田舎の祖母の家に身を寄せる。しかし祖母が急逝。葬儀の翌朝、見知らぬ男が門に立っていた。海江田醇といい、52歳の大学教授。祖母の教え子で祖母から家を自由に使えと鍵をもらったという。戸惑うつぐみをよそに海江田は家に上がり込み、奇妙な同居生活が始まった…! 素直になれない女と不器用な男の想いを温かく描いた、大人のラブストーリー。累計150万部突破の大人気コミックス「娚の一生」を原作に待望の映画化。映画完全ノベライズ本!
「名探偵コナン」との夢のコラボ短編収録! お嬢様刑事の宝生麗子と、毒舌な執事探偵の影山のコンビが活躍する、シリーズ累計400万部突破の国民的ユーモアミステリ第3弾。 宝生邸に眠る秘宝が怪盗に狙われる「怪盗からの挑戦状でございます」、体中から装飾品を奪われた女性の変死体が発見される「彼女は何を奪われたのでございますか」をはじめ、続々と発生する難事件に麗子はピンチ。しかしながら、「お嬢様は無駄にディナーをお召し上がりになっていらっしゃいます」--影山の毒舌と推理は絶好調! そして、影山、麗子、風祭警部の3人の関係にもついに変化が訪れて・・・・・・ 文庫版の特典として、「名探偵コナン」との夢のコラボレーション短編「探偵たちの饗宴」も収録。コナンと影山が力を合わせて、パーティ会場で起きた奇怪な殺人事件に挑む!! 【編集担当からのおすすめ情報】 ともに国民的な人気を誇る探偵、江戸川コナンと影山が智恵を結集して事件に挑む、「探偵たちの饗宴」は必読です。どちらのファンにとっても、ついニヤリとしてしまうようなシーンが満載!!
船戸与一衝撃のデビュー作堂々刊行 1977年、非合法員として世界を舞台に暗躍する神代恒彦のもとに、メキシコ内務省保安局から1968年に起こった学生反乱の実質的指導者の四人を始末するよう依頼が入る。その見返りとして高額の報酬を受け取るはずだった神代だが、仲間のベトナム人、グエン・タン・ミンの裏切りに遭い、まんまと金を持ち逃げされてしまう。グエンを捜し出し報酬を取り戻そうとするものの、神代の行く手を、何者かが次々と阻んでいく。最初は、全てグエンの仕組んだ罠だと思っていた神代だが、実は、強大な組織が自分の命を狙っていることがわかり・・・・・。神代は、過去にいったい何をしたのか?なぜ命を狙われているのか?最大にして最高のスケールで描く船戸与一処女作。巻末に、著者特別寄稿『デビュウ事情』を掲載。
至純の愛を描く心ふるえる恋愛小説 物語は、十年前の展覧会場から始まる。画家の卵である主人公は、そこで初めて「わたしだけの神様」に出会う。二十歳以上年上の彼は額縁職人だった。すぐに〈わたしたち〉は愛しあう。でも、恋は一年しかつづかなかった。そして十年後の再会。〈わたし〉は高校の美術教師になっている。三十八歳。再会はホテルの一室だった。そこでの優しくて官能的な性描写は、ため息が出るほど美しく、嘆賞に価する。 〈わたし〉が唯一気に入っている自作の絵は「夜の街なみ」を描いた風景画だ。「夜の風景は、いかなる光を浴びせられても夜のままなので安定しているし、すべての色を使うには昼よりも夜のほうが描ききれると、わたしは考えている」。その絵を見た高校生の教え子たちはこう感想を述べるーー「誰も愛しあわなかった夜みたい」「愛しあうって、どういうこと?」「セックスだろう」「誰もセックスしなかった夜みたい」 物語は、〈わたしだけの神様〉の死、感動的な終結に向かって静かに穏やかにながれていく。
たった1人がいたから、この家族はできた。 今年最高の家族小説が出来ました!! 人目を避け地方の旅館で働く、すみ江。 父親を憎み続けた小料理屋の女将、愛子。 母親から見捨てられた公務員、哲生。 家に寄りつかなかった日本画家、現(げん)。 ーー深い孤独を抱えながら生きる4人の人生が、 たった1人の女性によって、温かく優しく照らされていきます。 読み終えて、ああこの人がいたから、この「家族」ができたのだと、深く深く思うでしょう。 ラストは感涙必至です。 そしてきっとあなたの心にも、優しい奇蹟が起きるでしょう。 この感動を、ぜひ味わってみてください!