出版社 : 小学館
ニューメキシコ州南部に口を開ける世界最大の洞窟群カールズバッド。その調査隊に同行した同僚が中で重症を負った。一刻を争う非常事態に、アンナは救助のために、閉所恐怖症を抑えて闇へと降り立つが、救助作業中に不自然な落盤が起きる。救助隊員の中に殺人犯が潜んでいる!底知れぬ暗黒の大洞窟の迷路に入り込んだパークレンジャー、アンナに最大の危機が迫る!サラ・パレツキー絶賛のサスペンスに富んだアウトドア・ミステリ最新作。
主婦・友希江(大阪府八阪市在住・35歳)、病床の夫の左遷を謀る企業への復讐!もう我慢はしない。夫にも、会社にも、法にも頼らない。今までの鬱憤をひとつ残らず晴らしてやる!!負けるものか、負けてたまるか。これくらいのことで、誰が-。主婦たったひとりで大企業と全面戦争突入。
“広大なアラスカ北極圏で、ぼくは点になって待つ” 「広大なアラスカ北極圏で、ぼくは点になって待つしかない」 アラスカに魅せられ、20年にわたりその大自然と動物たち、その土地に生きる人々を撮り続けた写真家・星野道夫。不慮の事故による急逝後も、彼の写真と文章は見る人に変わらぬ感動を与え、新たなファンを増やし続けている。本書はアラスカの大自然の中で星野が多くの生命と出会い、残した数々の写真作品とエッセイの中から選りすぐり、写文集として再構成。写真と文章が相まって生まれる臨場感が、星野ワールドの魅力をさらに広げる。
時代は平安。愛し抜いた女を喰らい、鬼となった大江山の酒呑童子は、自らが年をとらず、若いままでいることに苦しんでいた。そんな時、逢魔が辻で晴明と出会ったのだ。不老不死となった鬼が、いかにして生きる術を得たか。安倍晴明との運命的な出会いを描く「鳴弦の月」と、同じく平安時代末期に材をとった「影喰らい」、明治時代の鬼二人を描いた「幻戯師」の三本を収録。新編集による封殺鬼選集第二弾。
伝説の作家のあの「血のたぎる傑作」が遂に文庫化! 自然の息吹とボクサーの鼓動が響く名編。故・江藤淳氏が文藝賞の選評で「いつの間にか引き込まれていた」「現代の只中に活きている」と語った、伝説の作家の出世作が遂に文庫化。負け犬同然にリングを去ったミドル級ボクサー・新田駿一は、当てもなく帰った故郷の島でジムの会長の訃報に遭い再起を決意したー。文藝賞受賞の表題作他、小説現代新人賞受賞のデビュー作など、著者の現代小説すべてを収録した決定版!
銀行頭取ヴェルカーから匿名の預金者の身元調査を依頼されたゼルプ。だが彼の調査経過報告にも上の空の頭取の態度に疑問を抱いた彼は、頭取自身を調べ始める。彼につきそう謎の男。銀行の歴史を調べていた元教師の不審な死。ゼルプを尾行する謎の男たち。そして旧東独から来たゼルプの息子と名乗る青年の登場。老探偵ゼルプ三部作の掉尾を飾る、サスペンスに満ちたドイツ・ミステリの金字塔。
「あんた、あいつに瓜二つだ」飲んだくれの役者ロディングがロンドンの街頭で出逢った孤児のファラー。彼はロディングが彼の親戚アシュビー家の行方不明の長男パトリックと間違えたほど、そっくりだった。金に困っていたロディングは、彼を説得して家督相続者である行方不明の兄が戻ってきたという触れ込みで、アシュビー家に彼を送り込んだが…。『時の娘』で世界的な評価を受けた実力派女流作家が、それに先だって発表した異色作。物語の面白さを満喫させる、意外性とサスペンスに満ちたミステリ・ロマン。
お台場にカジノ出現!政府高官、警察官僚が招待されたオープン前興行の日、事件は起こった。天才少女マジシャン・里見沙希のショーの直前、招待客で満杯の特設劇場が、突如数十名を超すゲリラ勢力に占拠された。軍用装備で完全武装した彼らは、VIPを人質に、カジノ用に準備された四百億の現金と、海上自衛隊の最新鋭原潜“やましお”の引き渡しを政府に要求した。情報手段は、ゲリラ部隊に完全に制圧された。トップを人質に取られた警視庁は指揮系統が完全麻痺、閣僚を人質にしたテロの発生に政府の緊急事態室も機能不全に陥った。ゲリラの正体は?そして四百億と原潜の行方は?195万部突破の超人気読み切りシリーズ『千里眼』の岬美由紀と、“トリックを超えたトリック”小説『マジシャン』の里見沙希が、未曾有の危機に直面する。小説の枠を次々と打ち破る松岡圭祐の魅力が縦横に炸裂する最新作。
“鬼の血族”の家系に生まれ、身の内に、火鬼、水鬼、風鬼、隠形鬼の“四天鬼”を抱え、その処し方がわからず、悶々としていた成樹の前に現れたのは二人の鬼ー。遠い平安時代に人を喰らい、不老不死の生命を得、千数百年の時を経て、現代に生きる二人の鬼こそ、成樹に声をかけてきた戸倉聖と志島弓生だった。“鬼”の系譜をひく成樹をめぐって、今、闇の戦いが始まる。
心が温まると同時に涙でいっぱいになる、感涙保証100%の恋愛小説です! これほど哀しくて、幸せな涙を流したことはありますか? 「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は稀有と言えるでしょう。父子家庭に起こる愛の奇跡ーわずか6週間のその奇跡が、父に子に、永遠に生きつづけるかけがえのない心の宝を与えてくれます。アーヴィング、ヴォネガットをこよなく愛し、リリカルだが湿度のない、軽いユーモアを含んだ語り口が、静謐な慈しみに満ちた愛情の物語をあざやかに描き出します。読者の一人一人が心の奥底で共有できる記憶が、この物語にはあるはずです。哀しいけれど幸福な、最高の恋愛小説です。
喫茶店「ブルーリップ」の美人ウェイトレスが自室で殺された。畳には大量の竹が敷き詰められ、その中央に全裸の遺体が横たわっていた。容疑者にはアリバイがあり、被害者には過去があり、目撃者には邪心があった。そこに現れたのが間暮警部。持ち前の美声で昭和の名曲を歌ってから言い放つ。「犯人はこの部屋の中にいます」-表題曲ほか『別れても好きな人』『四つのお願い』『ざんげの値打ちもない』など懐かしいヒット曲の裏に隠された真実が、いまここに明らかになる。
バカンス帰りの英国女性アイリスが、特急列車で知り合ったミス・フロイ。だが彼女は疾走する列車内で突然姿を消す。もしや彼女の身になにかあったのでは、とミス・フロイを捜すアイリス。だが、他の乗客は口を揃えてそんな乗客などいなかったというのだ。アイリスは必死で彼女の存在を証明しようとするが…。孤立するアイリスに、列車内に張り巡らされた陰謀の陰が迫る。緊迫するヨーロッパ情勢を背景にしたサスペンス・ミステリの古典的名作。ヒッチコックの映画化で日本でも公開された名画の原作、待望の翻訳ついに登場。
19世紀末に足跡が発見されて以来、何度も目撃されているというヒマラヤの住人・イエティ。自然の摂理に従ったその生き方は潔く、哀しい。「何のために生きるのか」を問うニュー・ファンタジー。
医師という肩書きは、その響きだけで特別なステータスが匂う。近年、頻発する医療ミスの根幹にはどのような原因があるのか。権力、金、性と医師を取り巻く知られざる実態にスポットを当てた!現役医師が赤裸々に描いた医療現場の内幕小説。