出版社 : 岩波書店
朝鮮の文化と伝統美を紹介することに生涯をささげた編者が、1920年代に東京在住の朝鮮人から採集した口伝民謡のうち童謡を一書に集めたもの。「鳥のうた」「魚や虫」「植物」「父母・兄弟」「諷笑・諧謔」「あそびうた」「子守唄」等に分類・整理され、無邪気な童心と朝鮮各地の風物をつたえる貴重な資料となった。
アルヌー夫人への満たされぬ思慕をますますつのらせつつも、フレデリックは官能的なロザネットとの交渉を深めてゆく。そして2月革命。歴史は大きく揺れ動き、政治の渦は彼らをも巻きこむ。フローベール(1821-80)の円熟した手腕の冴えが見事に発揮されたこの長篇は、写実主義が生んだ最も完璧な作品と称えられている。
19世紀も半ば、2月革命に沸く動乱のパリを舞台に多感な青年フレデリックの精神史を描く。小説に描かれた最も美しい女性像の一人といわれるアルヌー夫人への主人公の思慕を縦糸に、官能的な恋、打算的な恋、様々な人間像や事件が交錯してゆく。ここには、歴史の流れと人間の精神の流れが、見事に融合させられている。
歓楽の生活をなげうち、真実の恋に生きようとする娼婦マルグリットと青年アルマンとの悲恋の物語。何ものにも代え難いその恋さえ恋人のために諦めて淋しく死んでゆくマルグリットに、作者(1824-95)は惜しみない同情の涙を注ぐ。汚土の中からも愛の浄化によって光明の彼岸に達しうるもののあることを描き、劇にオペラに一世を風靡した。
はしがき 序 一 ダルタニャン老人の三つの贈物 二 トレヴィル邸の控えの間 三 初の謁見 四 アトスの肩、ポルトスの吊帯、アラミスのハンカチ 五 近衛の銃士と枢機官の護衛士 六 ルイ十三世 七 銃士の内証 八 宮廷の密謀 九 ダルタニャン片鱗をあらわす 一〇 十七世紀の張り込み所 一一 事件はもつれる 一二 バッキンガム公ジョルジュ・ヴィリエ 一三 ボナシュウ氏 一四 マンで見た男 一五 法官と武人 一六 司法卿セギエ、かつてせしごとく、また鐘を鳴らさんと紐を探すこと 一七 ボナシュウの家 一八 恋人と夫 一九 作 戦 二〇 旅 二一 ウィンテル伯爵夫人 二二 舞 踏 会 二三 逢 引 二四 離 れ 屋 二五 ポルトス 二六 アラミスの論文 二七 アトスの妻 二八 帰 還 二九 身仕度の苦心 三〇 ミレディー 訳 注
三一 イギリス人とフランス人 三二 代訴人宅の午餐 三三 侍女と奥方 三四 アラミスとポルトスの身仕度の話 三五 夜はすべての猫が灰色になる 三六 復讐の夢 三七 ミレディーの秘密 三八 アトスが一歩も運ばず身仕度をしとげた話 三九 おもかげ 四〇 恐ろしい幻影 四一 ラ・ロシェルの攻囲 四二 アンジューの葡萄酒 四三 赤鳩舎亭 四四 煖炉管の効用 四五 夫婦の場合 四六 サン=ジェルヴェー稜堡 四七 銃士の密談 四八 家庭の事情 四九 宿 命 五〇 兄妹の会談 五一 士 官 五二 囚われの第一日 五三 囚われの二日目 五四 囚われの三日目 五五 囚われの四日目 五六 囚われの五日目 五七 古典悲劇の手法 五八 脱 走 五九 一六二八年八月二十三日のポーツマスの出来事 六〇 フランスでは 六一 ベテューヌのカルメル派尼僧院 六二 二種の悪魔 六三 水 滴 六四 赤外套の男 六五 裁 判 六六 処 刑 結 末 後 の 話 解 説 訳 注