出版社 : 平凡社
ユゴー研究の第一人者による長年の『レ・ミゼラブル』研究の集大成。刊行当時の一般読者の大反響とレアリスム小説家たちの酷評とのギャップから、執筆時の時代背景、著者ヴィクトル・ユゴーの思想、小説技法やプロット設定、舞台・映画など諸芸術へのアダプテーションまでを精緻に解き明かし、時代と国を越え人々が熱狂する『レ・ミゼラブル』の神髄に迫る。
「太陽の地図帖」名作漫画シリーズの最新刊は、不朽の名作『あさきゆめみし』「大和源氏」の世界を研究者の解説でひもとく。大和和紀のロングインタビューやカラー原画も掲載。登場人物図鑑付き。 [目次] 文=愛華みれ/稲本万里子/斉藤昭子/佐竹知佳/佐野みどり/橋本ゆかり/三田村雅子/三村友希/吉井美弥子/ヤマダトモコ(敬称略) ●特別巻頭口絵/『あさきゆめみし』イラストギャラリー ●巻頭言/『源氏物語』の真髄に迫る 『あさきゆめみし』という試み ●作品解説/日本最高峰の古典『源氏物語』を現代に解き放つ!高貴な男女が綾なす、雅な王朝絵巻『あさきゆめみし』 ●「名作」の舞台を訪ねて/紫式部の足跡を辿りながら 平安京の面影を歩く ●大和和紀ロングインタビュー/千年の時を超え、その魅力を伝えるために 『あさきゆめみし』が描いた『源氏物語』 第1部:古典の名作『源氏物語』に挑んで 第2部:55年を超える「漫画人生」を振り返って ●登場人物図鑑/登場人物相関図 ●大和和紀略年譜・作品&単行本リスト ●評論 ・『あさきゆめみし』に息づく、国宝『源氏物語絵巻』の美 ・日本美術史から読み解く 物語の空白を埋める創作シーンと、読者へのメッセージ ・少女漫画のヒーローへと“転生”! 『あさきゆめみし』が救った光源氏 ・六条の御息所の重層性を映す「源氏能」の世界 ・「髪」が表現する、女君の心情 ・現代の源氏絵『あさきゆめみし』と、「源氏絵」の優品 ・光源氏亡き後の世界「宇治十帖」で描かれたヒロイン浮舟の“葛藤” ・“少女漫画の王道”としての『あさきゆめみし』の成しえたこと ●女君で旅する『あさきゆめみし』 【Chapter1】桐壺の更衣と藤壺の宮 【Chapter2】六条の御息所 【Chapter3】紫の上 【Chapter4】明石の君 【Chapter5】女三の宮 ●コラム 桜と“禁忌の恋”/消えた語り手と「源の典侍」/“青海波”とひるがえす袖/紫の上の最期と“陵王の舞”/「末摘花」のこのうえなく美しいもの/常に控えめな「花散里」の隠された本心とは?/「玉鬘」を照らす蛍の光/回想で描かれる、「空?」との甘美な恋/光源氏の永遠のライバル「頭の中将」/「夕霧と雲居の雁」、その幼な恋の行方/結婚を拒絶する「大君」の意図 ●特別寄稿 愛華みれが語る、宝塚歌劇団『源氏物語 あさきゆめみし』秘話
人気シリーズ「文豪怪異小品集」の最新作は今年生誕150年を迎える泉鏡花の第二弾。初期短篇「龍潭譚」の系譜を中心に、奔放猟奇な鏡花世界の真価をじっくり堪能できる一冊。
ジョイス『ダブリナーズ』の短編を同時期に書かれた妖精・幽霊短編作品と併読するアンソロジー。19世紀末から20世紀初頭、人々が肌で感じていた超自然的世界が立ち現れる!
ロシア文学を代表する小説「罪と罰」をドストエフスキー研究の第一人者が読み解く。登場人物に重ねあわされる聖書のイメージ、日付や名前などのディテールに込められた意図、作者が仕組んだ「二重構造」のプロット…。死に支配された物語を丹念にひもとき、ドストエフスキーが残した謎に挑む。
ペレストロイカの自由な風のもと、ファンの熱い想いから創設された「カレル・チャペック賞」。アシモフもディックも知らぬまま書かれた、その応募作を中心とする独創的な13編。
アメリカ在住の日本人ノンフィクションライターが、引っ越し作業中にふと手にした一冊の本。それは50年前の世界的事件を追うことになる迷路の入り口だったー。半世紀前の1972年5月30日、イスラエルのテルアビブ空港で起こった乱射テロ事件。起こしたのは3人の日本の若者たちだった。彼らはなぜ遠い異国の地でそんな事件を起こしたのか。それは崇高な使命感からだったのか、それとも別の残虐非道な目的からだったのか。そして、事件の首謀者・渡良瀬千尋が短い生涯で遺したものとは。正義と使命感に駆られた人間の「光と影」をリアルに描いた、渾身の長篇小説。
なんたるでたらめ! 『兵士シュヴェイクの冒険』で知られ、カフカ、チャペックと並ぶチェコの人気作家の実体験に基づく(!?)面白すぎる短編27編。ヨゼフ・ラダの挿絵入り。