出版社 : 幻冬舎
闇の力が蔓延る世界。光の力を授かった英良は、五人の聖女とつながり、世界を救うよう命じられる。そんなとき、聖女のひとりである美咲が大闇カオスに襲われ、余命108日の定めとなる。闇を払うため、世界を巡る「生命の旅」に出る美咲だが、数々の試練が降りかかり…
裕福な家庭で、何一つ不自由なく娘を育ててきた柳島由里枝。お金はなくても、愛と笑顔でいっぱいのシェアハウスで娘を育ててきた馬淵温子。ある日、一人の女性が自殺した。死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘は、今どこにいるのか。警察にも、夫にも、パートナーにも相手にされない二人は、互いを嫌悪しながらも、娘たちの軌跡を辿り始める。人には言えない秘密をそれぞれ抱えながらー。
●山陰中央新報(2024年10月12日付)書評掲載(評者:新藤正春[山陰中央新報報道部]) ●東京新聞・中日新聞(2024年10月20日付)書評掲載(評者:細谷正充[書評家]) ●小説すばる(2024年11月号)書評掲載(評者:大矢博子[書評家]) ●日本経済新聞夕刊(2024年10月24日付)書評掲載(評者:東えりか[書評家]) 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか? 【またうど】愚直なまでに正直なまことの者 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 財源としての年貢が限界を迎え、江戸税制の改革者として商人にも課税。 身分の低い者も実力さえあれば抜擢し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。 前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、 なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのかーー。
就職して6年、広告代理店で残業とプレッシャーに疲れ切っていたさくらには、唯一自分を取り戻せる場所があった。芝公園にあるプリンセスホテルの2811号室。窓一面に広がる巨大な東京タワーを眺めながら、ここで七央さんのマッサージを受けるのだ。初めてこの部屋に足を踏み入れた日、さくらは東京タワーの堂々たる姿に自分が恥ずかしくなり、涙が止まらなかった。仕事を続けられたのは、何度もこの部屋の彼女(東京タワー)の前で悔し涙を流したからだ。7年目、ついに会社を辞めたさくらは、自分の未来に悩みつつもプリンセスホテルでの時間を守っていた。そんなとき、七央が飼っている18歳の老猫すずこが行方不明に!焦る七央と失業中のさくら、さらにさくらの同級生の千夏、舞。自分が一番大切にしているものはなんなんだろう?どうすれば自分らしく生きていけるのだろう?そんな悩みを抱えながら、彼らは全力で駆け回る。
長崎高等女学校専攻科に入学し、合唱部に入った朋。たくさんの友人に恵まれ練習に励んでいたが、戦争が激化するにつれ、選曲も活動場所も、次第に制限されていった。それでも、支え合う友がいること、たまに皆で合唱できること、勤労動員で国の役に立てることに、朋は喜びを感じていた。しかし、8月の暑い日、強烈な青白い光が彼女たちを覆い…。どんな苦難が降り注ごうとも、「合唱」だけは奪われたくなかった。太平洋戦争下の長崎を舞台に描く、友と歌の力を信じた少女たちの青春物語。
誰もがすぐに好きになる、頼れる動物病院院長のメグ先生。愛妻朱美さんとはいつも一緒。病院の裏の丘に土地を買って、ドッグランの中に動物たちの第二シェルターを作ることに。獣医学部の女子留学生が病院のアルバイトにやってきて、何やらやきもきしそうな予感…。メグ先生を取り巻く日常を軽快に描いた、エンタメ小説完結編。
極上の物語を召し上がれ。キュンキュンするようなヴァレンタインストーリー、遠い未来を舞台としたAI料理人のお話、こだわりぬいたスープのレシピの秘密…etc.よりどりみどりの食べ物にまつわるグルメな8つの短編小説集。
週刊誌記者の柊二は、封印していた自分の過去が書かれている小説に出会う。「これは誰が書いたのか、この著者の狙いは」-。覆面小説家について調べ始めた時、会社にかかってきた一本の電話。「おまえの兄は人殺しだ」-。兄が起こした「美麗村少年リンチ殺人事件」と姉がトラックに轢かれて死んだ事故。痛ましい記憶の真相を探るため柊二は故郷を訪れるが、その過去は、追えば追うほど、形を変え、魔物のように襲ってくる。真夜中の公園、死んだ姉、殺された少年…。自分だけが知らなかった真実の物語。
みんなの人気者・晃、真面目で勉強が得意な健斗、気が利き調和的な悟。異なる性格を持つ仲良し三人組は、幼馴染でいつも一緒に行動していた。しかし、入塾や中学進学を機に、彼らの間には少しずつ距離が生まれてしまう。それぞれが劣等感や嫉妬、自己への存在意義に対する疑問を抱きながらも、彼らは心の成長を通じて、友情の大切さを再発見していくー。
ビブリオバトルの3世代3大会のグランドチャンプ本にも選ばれた『同姓同名』の著者が新たに仕掛ける、 多重推理しかも密室しかもデスゲームだけど…… 下村ミステリはフツーじゃ終わらない! 「私が犯人です!」「俺が犯人だ!」、全員犯人です! 社長室で社長が殺された。それに「関わる」メンバーが7人ある廃墟に集められる。未亡人、記者、社員2人、運転手、清掃員、被害者遺族ーー。やがて密室のスピーカーからある音声が流れる。「社長を殺した犯人だけ生きて帰してやる」。犯人以外は全員毒ガスで殺す、と脅され、7人は命をかけた自供合戦を繰り広げるがーー。
心霊、オカルト、SF、サイコ、ミステリー。あらゆる恐怖が押し寄せる!大ヒット『意味怖』シリーズ藤白圭率いる愉怪屋主催のコンテスト「愉怪屋杯」。第五回受賞作品をまとめた、珠玉のホラー・アンソロジー。
花楽亭一門最後の一人である喜之介は、芸能人生の節目を迎えて自分の行く末を考えていた。そこに突然、「人柄と芸に惚れた」という入門志願者が押し寄せる。この異常な事態に彼らを訝しむも、日常に入り込まれるうちに師匠としての自覚が芽生え始める喜之介。誰を弟子にするのか決めあぐねる喜之介にしびれを切らした志願者たちは、公開弟子試験の開催を目論む!そこで明かされる、一連の仕掛け人と弟子たちの秘密とは…。
中学、ほとんど話をしたことがない同級生・下山。しかし高校生となり、今では親友と呼べるような間柄に。だが夏休み、とある事件で、誰にも会わなくなった少年。それは…。「生」と「死」を巧みに活写した雄編。
人生の指針を探し求める全ての人に贈る、六つの物語。李氏朝鮮を舞台に、共存共栄の精神の大切さを問う『魔女の涙』、長年の努力が実らない絶望と、その後の再起をテーマにした『海底農園』。さまざまな時代に生きる人々の想いや生き様を拾い上げ、人生の切なさと儚さを細やかな筆致で描いた、珠玉の短編集。
自動車販売会社のエリート街道をひた走っていた角野は、自ら希望して異動した中古車部門で心身ともに憔悴しきるほどの挫折を味わう。半ば左遷のように言い渡された次なる勤務地は、沖縄の弱小営業所だった。失意の中行き着いた南の果てで、人生逆転を目指した挑戦が始まる。飛ばされたのは、太陽と海が輝く沖縄ー社会で生きる難しさと人生の美しさが詰まった、ノンストップエンターテインメント。