出版社 : 幻冬舎
なぜ、私たちは別れたのだろうーー。家事と子育てを卒業し、久し振りに自由で穏やかな日々を過ごしていた由香。たまたま立ち寄ったカフェで、昔の恋人・拓と再会する。未来への不安、親や社会への反発、抑えきれない互いへの想い。共に過ごした高校最後の夏が一瞬にして蘇り……。三十年の歳月を経て、再び出会った男女の切なくも甘い恋愛小説。
視聴率低迷の番組を立て直すため、敏腕プロデューサー藤村は業界ナンバーワンのアイドルアナ仁和まなみを起用。知的なニュースキャスターへと転身をとげたい彼女は、権力欲にまみれ保身に走る男たちや、敵意むき出しの女たちによってやがてスキャンダルの渦に引きずり込まれる。女たちの嫉妬・執着・野心を描く、一気読み必至の極上エンタメ小説。
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金マネーロンダリング融洗浄、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ……。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは? 国際金融情報小説の傑作!
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実はー。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
京都下鴨。老舗料亭「賀茂の家」の四姉妹には美しく悲しい秘密があった。不倫でしか男を愛せない長女、夫の性欲を憎む次女、姉を軽蔑する三女、父親の違う四女…。騙し合い、嫉み合い、薄氷の上で均衡を保つ四人の女。しかしー「お義兄さんやから、寝たんやで」。その一言が偽りの家族を破壊する。嘘をついているのは妹か、罠を仕掛けたのは姉なのか。
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の異常な美しさだけだった。舞台をフランクフルト、東京へと移し国際刑事警察機構の僕は独自に捜査を開始したー。
時は江戸時代中期。大坂の生國魂神社の境内には、芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、多種多様な芸能が行われていた。笑話の道を志した米沢彦八は、役者の身振りや声色を真似る「仕方物真似」、滑稽話の「軽口噺」などが評判となり、天下一の笑話の名人と呼ばれ、笑いを大衆のものとした。彦八は何故、笑いを志し、極めようとしたのか?そこには幼き頃から心に秘めた、ある少女への思いがあったー。
反省しない殺人者には、死ぬより辛い苦痛が。虐待を受けた者には、復讐のチャンスが。そして、愛する者を失った人のもとには、幸せな奇跡がー。天上界から“神様の子”が見た、1話3分で読める42の物語。
プライドと自意識だけ人一倍高い無職同然の夫にようやく仕事のチャンスが舞い込み、働き者でしっかり者の恐妻、5歳の娘とともに4泊5日の四国旅へと向かうが…。結婚10年。「女房とのセックス」のハードルが、ここまで高くなろうとは。
引きこもりの高三女子・詩織、ミュージシャンの夢破れた三十男・リュー、ヤクザまがいのおっさん・サトケン…。震災の爪痕も生々しい気仙沼に、素人ばかりで結成されたアイドルグループ「KJH49」。ほぼ一カ月の猛練習でデビューステージに立ったはいいけれど、「震災の被害者ヅラしたインチキアイドル」とネットは大炎上、早くも暗雲たれ込めて…。実話をもとにした笑いと涙の感動ストーリー。
兄の死以来、人が死ぬ小説ばかりを読んで過ごす亮太。けれど高校最後の体育祭をきっかけに付き合い始めた天真爛漫な小春と過ごすうち、亮太の時間が動きはじめる。やがて家族となった二人。毎日一緒に美味しいごはんを食べ、幸せな未来を思い描いた矢先、小春の身に異変が。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」亮太は小春を励ますが……。
五年前、東シナ海島嶼上陸訓練で姉を亡くした沖縄新聞記者の山本秋奈は、姉の死の真相を明らかにするため周辺取材を続け、とうとう「冊封使録」の存在に辿り着く。その中の一冊「羅漢」が、姉の死に関わっているというのだ。尖閣の領有権を主張する根拠として中国がたびたび言及するこの古文書には、一体どんな意味があるのか?折しも沖縄では米兵による女子高生強姦殺害事件と、その後の県警の不適切な対応が世論を激化させ、さらに白昼オスプレイが墜落。現場に急行した秋奈が目にしたのは…。米国の思惑と背後に見え隠れする中国。その時、日本政府は??圧倒的リアリティと情報量の大型エンタメ小説。
ロシア・ウラジオストクで外交官の夫が突然、姿を消した。同じく外交官である妻・雪村紗羅(SARA)は、単身現地に乗り込み、必死に夫を捜し続けるが、いくつもの謎に行く手を阻まれ…。次第に、「銀色の闇」に隠された大いなる陰謀に巻き込まれていくー日本とロシア、中国、そして北朝鮮。綿密な取材に基いて、国家の思惑と外交官の本質を暴く!書き下ろし傑作インテリジェンス・ミステリー。
丘の上の馬鹿(フール・オン・ザ・ヒル)みたいに超然と老いたいのに、じたばたするばかりの金森カナエ(59)。舟唄ばりの不倫にどっぷりな桑原カオル(32)。ピンク・レディーのコスプレにはまった落合光弘(26)…。さえない、うまくやれない自分だけど、背中を押すテーマソングがある。軽妙なシニカルさと温かい視線が描き出す、9人の物語。
陽一の指導によってT校は都大会を制覇、全国大会へと進む。エース加賀屋のプロ入りを後押しするため、メンバー一丸となって全国優勝を目指すが、二メートルを超す外国人留学生や、日本代表候補を有する超強豪校が立ちふさがる。満身創痍となりながらもチームワークで接戦を制していくが…。夢と希望をボールに託す、青春小説シリーズ第七弾。
アラフォーを迎えて落ち目になった女優の麻矢は、元アイドルの桜とこずえを誘い新作映画を企画する。艶かしい媚態でスタッフを誘い、スキャンダルを揉み消すために股間に顔を埋める麻矢。「あぁ、感じちゃう。もっと上から下まで…お願い、監督」。一方、桜とこずえは濡れ場の撮影で我を忘れ、淫らに熱を溜めた下腹部を男の中心部に擦りつけたー。人気女流官能作家、待望の長篇新作!
「この女を知らないか?」。暴力的な情事の後、刑事・榊木に一人の風俗嬢の写真を見せられたフリーライターの美久。天使のように美しいその女の名前は「ユア」。行方を捜すと、彼女を抱いた男たちはみな壊れ、狂人のようになっていた。「ユアは特別な女なんだ」。彼女は何者なのか。やがて美久は、自らもその愛欲の渦に巻き込まれていくー。狂気の官能サスペンス。
悲願の仇討ちが、新たな波乱の幕を上げるー。人情居酒屋の毒舌女将・お夏に忍び寄る黒い影。その裏には、縄張り拡大を目論む悪党・市蔵の思惑が。しかも、お夏が敢行した仇討ちを、高輪から品川を取り仕切る五郎蔵一家の仕業と勘違いしている。野心と復讐心に燃える市蔵。このままでは江戸に血の雨が降る。お夏は止められるか?激動の第四弾。
みのり28歳。恋は3年していない。美味しい料理があって、気が置けない友達がいて、わたしの生活はどうにか回っている。そんなとき、通い始めた生け花教室で、8歳年下の透と出会い…。でも、この気持ちは封印しなければいけない。