出版社 : 徳間書店
お好み焼きの命ともいうべきソース。夫婦二人でソースを作っていた町工場。奥さんの体調不良と借金がかさんで閉店になりそうになった。そこで立ち上がったのは意外な人物で……。神戸を舞台に、様々な職種の人たちが絡み合う人情小説、2ヵ月連続の書き下ろし第2弾。
水都セキュリティサービス警護課に所属する岡崎大希は、グループ総帥じきじきに呼び出され、ある特殊任務を与えられた。それは、宗教団体アマツワタリの指導者である天川煌という十七歳の少女の護衛だった。教団の内紛で事故にあった彼女は入院中。さまざまな思惑を持つ連中の追跡を振り切り、彼女をようやく安全なホテルへ送り届けたと思った矢先、大阪府ほぼ全域が、異世界に転移した!! 第36回日本SF大賞受賞の『突変』シリーズ新作書下し!
これはうつつのことなのかー。目付・川名佐吉のいる備中高松城は、秀吉による兵糧攻めの一環として、周囲を水で囲まれ、陸の孤島と化していた。そんな中、城中で老臣の暗殺が起きる。早速、佐吉は犯人探しを始めるが、飢えと日を追うごとに増す水位、非協力的な家臣たちが邪魔をし、調べは遅々として進まない。さらに、何者かの凶刃が佐吉の命を狙い…。密室の城で一体何が?!
真壁を引き止めるかのように、奥多摩分署管内で連続美女冷凍殺人事件が発生。浮き足立つ署員たちの中で、ひときわ動揺している刑事がいた。二週間後、妻の命日を機に辞職すると決めている真壁修だ。被害者の左胸にあった木の葉のような印。それが、在りし日の妻の左胸にあった痣と酷似していたのだ。妻を殺した犯人は、死んだはずだった…。なぜ犯人は、俺を挑発するのかー。
単身赴任中の四十路の大手スーパーマーケット副店長の元に押しかけてきた「魔法少女の類」と「鵺」。叩き出すわけにもいかず、渋々同居する羽目に……。栄転間近だったはずが……。 青春小説が好評な日本ファンタジーノベル大賞出身作家が描く、ファンタジーでもライトノベルでも無い、ねじくれ家族小説。
カリブ海に浮かぶマルティニーク島。島に住む少年ジャンは、異国風な美少女エマノンに出会う。地球に生命が誕生して以来、三十億年の記憶を持つという彼女。しかし、以前この島を訪れたときの記憶を失っていた。記憶を取り戻すために、島の奥へ向かうエマノンに、画家ゴーギャンと記者ハーンらが同行することに…。ゾンビや様々な伝説が息づく神秘の島で、エマノンに何があったのか?
JR西日本の社長宛てに脅迫状が届いた。「大阪発の寝台特急トワイライトエクスプレスに爆弾を仕掛けた。爆破を回避したければ、金沢駅到着までに現金一億円を列車内に積みこめ。ただし、金沢までに爆弾を見つけることができたなら爆破はしない」という奇妙なものだったのだ!翌日、トワイライトエクスプレスは何事もなく終着の札幌に到着したのだが…。会心の長篇推理。初文庫化。
小さな郵便局に勤める青年。外回りの仕事にマイナンバーの書類を配布する仕事が加わり、苦戦中。頑固な老婦人から地元のヤクザと幅広く、直接手渡さなきゃいけないからだ。あるとき、仲の良い兄に小遣い稼ぎになるからと頼まれて、週に1回、決まった時間に職場を抜けだし、他行ATMからお金を引き出すことに……。街の名物のお好み焼き屋さんや珈琲屋さんなど、美味しいもんと人情味あふれる人たちとの交流が心温まる。
大手ゼネコン帝都建設取締役の曽根寛が、東京駅で目撃されたのを最後に行方不明となった!妻と部下が必死に捜した結果、東京駅の霊安室から死体で発見される。続いて駅構内にあるホテルの非常階段で、若い女性の死体が見つかったのだ!?二人の死の背後には何かあるのか?駅を行きかう人々の人生模様と知られざる東京駅のバックヤードを織りまぜて描かれた、傑作長篇ミステリー。
わしと共に、京の者たちを呪い殺そうとは思わぬかーー。薬師寺別当に任命され、遠い京から下野国にやってきた道鏡は、行信という僧から禍々しい誘いを持ちかけられる。一瞬、道鏡の心を過ぎったのは……。日本の威信と将来を担う人々の姿、奇跡のような瞬間が、奈良の都に満ちる。『若冲』の著者による、人生の機微に触れる傑作歴史小説。
鍵盤に手を置くと指が自然とメロディーを奏でる。弾けないはずのピアノなのに、まるで魔法のように。そして桂は思い出す。会えないはずの少女に会った記憶を(「別れの曲」)。かすみ草を使って優しいお見舞いの花束をつくる木太郎。届け先は老いたパティシエがひとり住まう家。彼には遠い日に亡くした愛娘がいた(「火車」)。哀切で愛らしく、ほのかに怖い短編集。
ピンクのぶたのぬいぐるみなのに、動き、喋り、働くおじさん「山崎ぶたぶた」。 今回も、疲れた人、悩んでいる人、ツライ目にあってる人など、さまざまな人の前に現れて、癒やしていきます。 人気シリーズ「ぶたぶた」最新作は、花をテーマに描いた5作を収録する短篇集。
世の中には、わざわざ飢えた魔の顎へ首を突っ込みたがるような輩がいるのでございますよ。我が殿アーモンさまもそのおひとりでしてな。虎が人喰いをしたと聴けば、ふらりとそこへお出かけになったり。今回は人語を解する狼の話に興味をもたれ、シヴァ神が舞い降りるというムリカンダ山へ出掛けたのでございます。そこは月の種族が棲む地だと人は怯えているのですが……。九十九乱蔵の原型キャラ、アーモンの活躍を描く、古代インド怪異譚!
良寛と一茶を卒論に選んだ田尻風見子と野村良樹の二人は、信越路に調査旅行に出る。その途中、長野県野尻湖で良樹がフィルムを盗まれ、そこで人骨で発見されたH大の畑野教授の事件を捜査していた信濃のコロンボ・竹村警部と知り合う。さらに竹村は二人の話から畑野が発見された同じ日に、良寛ゆかりの地・五合庵で良寛研究家の大沢助教授が殺されたことを知り、事件の奇妙な繋りに気付いた。
警視庁組対四課に所属する米沢英利に「女を捜して欲しい」とヤクザの若頭補佐が頼み込んできた。米沢は受け取った札束をポケットに入れ、夜の街へと繰り出す。“悪い”捜査官のもとに飛び込んでくる数々の“黒い”依頼。解決のためには、組長を脅し、ソープ・キャバクラに足繁く通い、チンンピラをスタンガンで失神させ、時に仲間であるはずの警察官への暴力も厭わない。罪と正義の狭間で、たったひとりの捜査が始まった。
イジメが嫌で高校に行かなくなった岡本瑛太。そんなとき、父親は自分の店である鍵屋の仕事を手伝わせた。意外とこの仕事に向いていた彼は、父親が亡くなった後、家業を継いだ。借金付きで…。ある日、近所に大手の鍵チェーンが出来て、経営が苦しくなったところに、やばい人とのトラブルから、とんでもないことをするハメに…。何をやってもついてない真面目男に、未来はあるのか?