出版社 : 徳間書店
音無黙兵衛は初美を護るために中山道を往く。しかし敵に囲まれてしまい、僧兵と共に籠城戦を決意した。復讐の火を灯す横山佐十郎、伊賀者の忍ら難敵が次々と黙兵衛に襲いかかる!謎に包まれた初美の過去が明らかとなる中、それでも黙兵衛は初美を護りきることができるのか。因縁の相手・横山佐十郎との対決の刻、迫るー。大人気「無言殺剣」シリーズ第五弾!
上杉景勝の大軍の前に佐々成政は苦吟していた。堅城として名高い富山城に籠もって上杉家の家老・直江兼続の攻城に対抗するも、わずか四日を以て落ちる。一方、諏訪の真田砦を足がかりとした幸村のもとには、当代一流の武芸者たちが続々集結していた。周囲の徳川領を切り取り勢力を伸ばした真田の去就が、天下の情勢に少なからぬ影響をもつようになった。幸村は甲府に向かって進発した。
北陸新幹線・上越妙高駅の完成記念式典に出席した十津川警部。新幹線開業の功労者である吉岡浩一郎の捜査が目的だった。吉岡は戦時中、航空機の開発に携わり、戦後は国鉄に勤務していたが、十年前東京・青梅の山中で殺されたのだ!故郷の柏崎では、吉岡を悪くいう者は皆無。そんな折り、吉岡の孫娘が、遺品の中から見つけた一枚の写真を持ってきたことから事件は予想外の展開を…。
「ギフト」と書かれた段ボール箱が発見された。中には体液のついた毛布。そして子供の小さな赤いスカートが入っているー。ASV特務班。通称「α特務班」はDVや虐待等の犯罪に特化し、所轄を渡り歩きながらそのスキルを伝える特任捜査チームである。夏目凛子を要として、スレンダー女刑事、元マル暴のベテラン刑事ら個性的な面々が姦悪な犯人を追う!
新蔵は越後岩船藩の江戸中屋敷に向かった。姫を国許に連れ戻す手はずであった。街道筋には見張りがいる。巡礼の親子に扮し、旅が始まった。手に汗握る逃走劇の背後には、江戸表と国許の確執、弱小藩生き残りをかけた幕府用人へのあがきがあった。そして、天領だった元銀山の村の秘密、父子二代に亘る任務のゆくえも絡み一筋縄ではいかないシミタツの魅力満載!山火事が迫る中、強敵と対決する!姫を伴った新蔵の旅は成就するのか?
フリーライターの八坂駿は、オカルト雑誌の編集長から妙な企画の依頼をされる。「この本を読んではいけない…」から始まる警告文と古書を、竹里あやめという女が持ち込んできたのだ。その古書の本来の持主である彼女の兄は数ヶ月前に失踪、現在も行方不明。このネタは臭う…八坂は、タッグを組むカメラマンの篠宮、そしてあやめとともに謎を追う。
内憂外患の波が押し寄せる、京の都。幕府の存続を図るため、幕閣は尊王思想を増長させる『日本書紀』を秘かに焼き尽くす計画を進めていた。しかし、草莽の志を抱く植松頼助・猿投十四郎たち一団は、それを阻止すべく立ち上がる。さらに、人々に勤王の志を説くため、天皇の功績を摺り物にして頒布することに。尊王の志士たちと幕府隠密たちとの熾烈な戦いがはじまったー。
神書頒布を目論む植松頼助・猿投十四郎たち一団は、多くの同志たちの協力を得て、少しずつ頒布地域を広げていた。しかし幕府の隠密たちも容赦なく、彼らを追い詰めていく。凄惨な戦いに命を落とす者たち、そしてかつての仲間と相対することになった者が抱える苦悩…。それでも王政復古を願う、熱い思いの行方はー。構想十年、国とは何か、政とは何かをあらためて問う傑作時代小説。
女渡世人おまさは宿場の旅籠で親子三人連れと同宿し、娘のお玉に懐かれる。その夜、何者かが来襲しお玉の両親が殺害された。危うく難を逃れたお玉は不相応な小判を所持していた。宿帳に記された江戸の住処までお玉を送り届けることになったおまさ。追手が再びお玉を襲うが、偶然、九十九九十郎が窮地を救う。九十郎も内済ごとの絡みからおまさを捜していたのだ…書下し長篇時代剣戟。
小説とは現代を映す鏡であるー。著名作家から新鮮な顔ぶれまで、著者それぞれが多様な表現方法で、多彩に“今”を切り取った物語たち。2015年に各文芸誌に発表された全短篇の中から、読み巧者が議論を重ね、選んだのがこの16作品です。心を温め、鷲掴みにし、ときには棘を刺すなど、時間を忘れさせてくれる逸品揃い。至福のひとときをどうかお楽しみください。
あの女さえ、いなければーー。篠田淳子は中学時代の同級生、佐竹純子が伊豆連続不審死事件の容疑者となっていることをニュースで知る。同じ「ジュンコ」という名前の彼女は、淳子の人生を、そして淳子の家族を崩壊させた張本人だった。親友だった女、被害者の家族、事件を追うジャーナリストのアシスタント……。同じ名前だったがゆえに、彼女たちは次々と悪意の渦に巻き込まれていく。
三重県の山奥、神去村に放りこまれて一年が経った。最初はいやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、いつのまにか林業にも夢中になっちゃった平野勇気、二十歳。村の起源にまつわる言い伝えや、村人たちの生活、かつて起こった事件、そしてそして、気になる直紀さんとの恋の行方などを、勇気がぐいぐい書き綴る。人気作『神去なあなあ日常』の後日譚。みんなたち、待たせたな!
長野県安曇野のホテルで、東京都新宿区在住のイラストレーター早見有希世の他殺体が発見された。彼女は、安曇野の優良企業であるアイケ理研の社長・笛木岳彦の支援を受けていたという。痴情のもつれか?しかし、笛木は彼女の死亡推定時には京都の出張所にいたはずだというのだが、出張所を訪れた様子はなく、行方不明となっていた。笛木は、京都にも愛人を囲っており、彼女の故郷である高野山に潜伏している可能性が浮上するが…。そして新たな殺人が!?道原伝吉シリーズ、書下し長篇山岳旅情ミステリー。
宝暦十一年(一七六一)、遠山弥吉郎に主君を誑かす不届き者・丸屋を闇討ちせよとの密命が下る。弥吉郎は正義のため、そして家禄の引き上げのために、難題を引き受ける。しかしそれは謀略だった。妻子とともに江戸へ逃げることになり、並々ならぬ貧苦に揉まれ、ただひとつ譲れぬものを見つめなおそうとする弥吉郎だったが…。魂震える時代小説超大作!
家督を妹の婿に譲り、讃岐藩を出て、江戸・神田の長屋に住む平賀源内。 探求心旺盛で幅広い知識を使い、数々の発明をするだけでなく、歌舞伎などの台本なども手掛ける彼の元には、いろんな難事件が持ち込まれて……。
大挙襲来した刺客から将軍家綱を救った織江緋之介のもとに新たな危機が迫る。家綱失墜を企てる堀田正俊の命で、大奥別式女衆の武芸達者が緋之介暗殺に動いたのだ。かつてない強敵と対峙する緋之介。そこにさらなる難局が。妖刀村正をめぐる幕府領袖の熾烈な争奪戦に許婚の真弓が巻き込まれた。徳川家に祟る村正に隠された神君家康の驚愕の秘密とは。緋之介は愛する者を、幕府を護れるか。
チャイナホワイトとは中国を経由し香港からアメリカへ持ち込まれるヘロインのことだ。一九九七年、世界最大の薬物ターミナル香港には、各国の犯罪組織が盤踞していた。ロシアマフィア、蛇頭、日本の広域暴力団、そして麻薬ビジネスを新たに牛耳ろうとする謎の男“ホワイトタイガー”。台湾ルートを追っていた麻薬取締官三崎は何者かに襲われ拉致される。大沢在昌の最高峰ハードボイルド巨篇!
華僑の徐とともに捜査を進める厚生省麻薬捜査官三崎。アジアでの動きを睨むDEA連邦麻薬取締局も捜査官ベリコフを日本に送り込んだ。三崎とベリコフは共通の敵“ホワイトタイガー“を追い詰めていく。中国公安部、CIAもからみ、ユーラシア大陸に広がる麻薬の連鎖“ユーラシアホワイト“を三崎とベリコフは壊滅できるのか!? ホワイトタイガーの正体は!? ハードボイルド巨篇完結篇。
警視庁公安庶務課、通称「公安J」。類稀なる身体能力、海外で傭兵として活動したことによる豊富な経験、莫大な財産を持つ小日向純也が率いる公安の特別室である。ある日、警視庁公安部部長・長島のもとへドイツの駐在武官が一緒に自衛隊閲覧式へ行ってほしいとやって来た。一緒に向う長島だったが、式にて日本国総理大臣でもあり純也の父でもある和臣が狙撃されてしまう。事件を追う純也だったが真犯人の狙いは別にあり……。