出版社 : 徳間書店
男と女の間に流れる深い川。そこに広がる暗さは当事者にしかわからないというー。ASV特務班。通称「α特務班」はDVやストーカー、虐待などの犯罪に特化し、所轄を渡り歩きながらそのスキルを伝える特任捜査チームである。シングルマザーの女刑事・夏目凛子を軸に、女性監察医、熱血若手刑事、元マル暴のベテラン刑事などの個性的なメンバーたちが男女の闇に切り込んでいく。大人気シリーズ第4弾!
気象環境研究所のエミリーは、生物全てが突然死したシルクロードの村を調査するため赤い国に入国し消息を断った。彼女は収容所で性奴隷となっていた。時宗首相は親戚にあたるエミリーの救出を仙石文蔵ら超人四人組に依頼する。地獄から奇跡的に救出されたエミリーは強い正義感から今度は森林破壊調査のため南米アマゾンへ向かう。そこでは大国のエゴが絡む恐るべき実験が進んでいた…。ハードロマン巨篇、仙石文蔵シリーズ白熱の第4弾!
みずみずしさに溢れた女性の告白文体を確立し、官能小説の一時代を築いた芥川賞作家・宇能鴻一郎の代表作が、今、よみがえる!文庫初刊から七篇を精選。連載当時の挿絵も収録。
母を亡くし、施設に引き取られてきた少女・志場崎安那。彼女は持ち前の明るさで、辛い経験を持つ仲間たちを盛り上げていく。十五年後ー。突然のニュースが舞いこむ。アンナが男を刺して逮捕された、と。何がアンナにあったのか。彼女と出会い、かけがえのない時をすごした仲間が集まり、奔走をはじめる。やがて、アンナがひた隠しにしていた過去が見えてくる…。著者自身も愛読した名作へのオマージュをこめた、感動の物語。
世界でただひとり、彼にだけ与えられた肩書き「電球交換士」。こと切れたランプを再生するのが彼の仕事だ。人々の未来を明るく灯すはずなのに、なぜか、やっかいごとに巻き込まれるー。謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集。
親友の正美に「青春共和国へ行こう」と誘われたが断った英子。夏休みが明けてみると、正美が亡くなっていると知る!しかも、若者たちの夢の島、あの共和国で崖から落ちたと…。え?正美は高所恐怖症だったはず。正美と知り合いだという青年からもらった奇妙な地図を手掛かりに、英子は彼氏の純夫と正美の事件をたどる。謎だらけの青春共和国をめぐって、冒険が始まろうとしていた。
神君家康の遺宝をめぐる争いで若侍・織江緋之介に煮え湯を飲まされた老中松平信綱は南町奉行神尾元勝に“浪人狩り”を命じる。機に乗じて緋之介を投獄し意趣返しを遂げる狙いだ。当の緋之介は危機を察しながらも徳川光圀から託された探索に乗り出す。三年前、光圀が懇意にする保科家の夕食家で起きた悲劇。その裏で何があったのかー。深まる謎、迫る刺客。死闘の果てに待つ衝撃の真相とは。
厄介事を起こすのは、いつだってよそ者だ。七十歳の光太郎は憤慨していた。われわれが町を守らなくてはー。そこで互助会の仲間たちと手を組み、トラブルを起こす危険人物を町から追い出し始める。その手段はなんと嫌がらせ!?老人だからこそできる奇想天外な作戦はなかなか好調に思えたが…。大家と揉めていた男を次なるターゲットに決めたことから、事態は思わぬ方向へと動き始める。
フランス革命以降、政情不安な状態が続いているヨーロッパ。北欧の国で結婚式を挙げたばかりの王子が離宮で殺された。その直後、忽然と姿を消した王子の侍女に疑いの目が向けられるが…。離宮近くに住む少年ハンスは、海の国から来た人魚の姫と出会う。彼は、そのセレナと名乗る少女の願いを聞き、旅の途中だという風変わりな青年グリムとともに、王子殺害の真犯人を追う!
老女のひき逃げ事件に不審な出来事が次々と重なり…(高嶋哲夫「連鎖」)。暴力団元構成員が殺害された。この任地では嫌なことばかりだ…刑事の瓜生は苛立つ(西村健「出戻り」)。-こんなはずじゃなかった。思いもよらぬ事態が積み重なり、事件は意外な方向に。望まざる状況に立たされたとき、彼らは何を見るのか。当代きっての書き手が贈る、疾走感溢れるミステリーアンソロジー。
ベトナムが行う極秘作戦の「援護」を目的に、世界最強のステルス戦闘機F22でスプラトリー諸島へ向かったアメリカ空軍。しかし正体不明機による攻撃を受けてしまう。世界最強の空軍を手玉に取る“見えない敵”とは…。アメリカ空軍が自衛隊にDACT(異機種間模擬格闘戦訓練)を申し込んできた因縁の経緯が明らかになる。大人気航空活劇シリーズ!
十津川警部の部下である西本刑事は、深夜、自宅前で倒れていた赤いレインコートの女を救護するが、逆にレイプ犯として告訴されてしまった。現職刑事がレイプ!騒ぎ立てるマスコミから逃れるため西本は国東に旅立った。十津川は、そこに罠があることに気づき、西本を救うため立ち上がる。しかし、二重の罠が西本を殺人犯に仕立て上げたのだ!捜査線上に浮かんだ犯人の狙いは?
寄生して成長するコウモリラン、いつの間にやら大繁殖するホテイアオイ、暗くてじめじめしたところにいるほど生き生きするコケ…。植物のそんな生態は、あの子やこの子にそっくり。人間の不可思議な行動を植物の生態に模して描く、朝倉かすみ版・植物誌!
王串ミドロ、三十三歳。声優としてもぱっとせず、お笑い芸人としても無名。だが年末のマンザイ・グランプリで優勝すれば、どんなに無名でもキャリアがなくても、一夜にしてスターになれる!こうして漫才コンビ“ゼロワン”は、マングラの頂点を目指し、悩みながらも奮闘を開始。頼りなくも健気で熱心な若き相方零、圧倒的な人気と実力を誇るライバル“クロエ”、自由奔放な恋人マドカらの存在を糧に、芸人・王串は自分の笑いを形づくろうとする。零の兄で不慮の死を遂げたかつての相方壱が、王串の作るネタに落とす影とは…。笑って泣けて元気の出る、青春小説の傑作!
ポンポコッ!と変化の呪文を唱えて、化け物に姿を変えれば、人間を脅かして食べ物を手に入れられる。でもおいらは江戸の町で独りぼっち。そんな化け狸のぽん太に、人間の友達ができた。けれども彼女は…。大切なものを守るため、ぽん太は稲亭にむかう。「おいらを買ってください」-事情を聞いた夜ノ介は驚きの提案をする。妖怪たちから「最近、影が薄い」と評判の刀弥に、幸あれ!書下し。
女性の変死体が、密室で見つかった。“第二捜査官”の異名をとる神村の推理は…(安東能明「密室の戦犯」)。「女を捜してほしい」暴力団の若頭補佐が頼み込んできた。刑事の米沢は札束を受け取り…(深町秋生「卑怯者の流儀」)。-悪事を隠蔽しようとする者、嗅覚と執念でそれを追う者。混沌とした世界の中で、思いも寄らぬ真実が焙り出される。注目の作家たちが紡ぎだす、警察小説傑作集。
将軍御成に備え、市中警備のため高積見廻り同心の手伝いを命じられた一ノ瀬金吾。通りがかりの荷車の轍が深く沈みすぎていることに不審を抱く。鉄砲の抜け荷と睨んだ金吾は、軽業を得意とするお恵を使って荷車の行方を探らせる。小網町の問屋の蔵へと運び込まれた荷の中身は、鉄砲ではなく小判、それも新品だった。意外な荷の背後には大きな陰謀が横たわっていた。書下し長篇時代小説。
「俺、店を出すぞ」ある日、自称ツイてる養鶏農家の村田二郎が、村おこしに立ち上がった。その店とは、世界初の卵かけご飯専門店。しかも食事代はタダ、立地は限界集落の森の中とあまりに無謀。もちろん村の仲間は大反対だ。それでも二郎は養鶏場を担保に、人生を賭けた大勝負に出てしまう。はたして過疎の村に奇跡は起きるのか?食べる喜び、生きる素晴らしさに溢れたハートフルコメディ。