出版社 : 徳間書店
殺人罪で六年の刑期を終えた小早川恵太が熱海に帰ってきた。平穏な温泉街に緊張が走る!!そして二週間後、湯河原に住む会計士が何者かに射殺される。そんな折、十津川警部は東京で発生した幼女誘拐事件の容疑者として小早川をマークする。ところが、新たに起きた連続殺人事件が十津川に立ちはだかる!!巻末に長篇推理「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」連載!!
どの藩の経済も傾いてきた寛延三年、藩札掛となった奥脇抄一郎は命を賭すにたる御勤めと確信。飢饉の際、藩が命ずる実体金に合わない多額の藩札刷り増しを拒み、藩札原版を抱え脱藩。江戸で、表向きは万年青売りの浪人、実はフリーの藩札コンサルタントとなった。各藩との仲介は三百石の旗本・深井藤兵衛。次第に、藩札による藩経済そのものを大本から立て直す仕法に至った矢先、東北の最貧小藩から依頼が…。剣は役に立たない時代、武家が穀潰しでなくなる方策とは?三年で赤貧の小藩に活気ある経済状況をもたらしうるか!
河村金志郎は北町奉行所で定町廻り同心を務めるかたわら、なんと金貸しをやっている。岡っ引きの銀治と下っぴきの音松も、元は闇の金貸し。とはいえ、十手を預かる金志郎が好きで金貸しをやっているわけではない。父親がトイチで借りた三十両を返すため、そして父親を殺した下手人を自らの手で挙げるためだ。銀治と音松の力を借りて、下手人捜しと借金返済を一挙に成し遂げられるか!?
K美を殺してやりたいー呪いの絵馬を出雲大社に掲げた堀井恵が殺された。ジョギング中に轢き逃げされたのだ。十津川警部らの捜査によって、K美とは、モデルあがりのデザイナー井崎清美と判明。当初、エリートサラリーマン栗田信彦をめぐる三角関係のもつれかと思われたが、栗田が、岡山から出雲へ向う特急「やくも」の車中で毒殺され、事件は予想外の展開を…!?傑作長篇ミステリー。
昔の記憶を甦らせてくれないか?いいのかい?頼む…。御門周平は、呪師チムの力によって東亜大学の研究者であった竹島丈二としての記憶を取り戻した。ああ、おれは泣いているのか。その瞬間の心の隙に、マヤの末裔ツァ・コルに、意識を乗っ取られてしまった。友のため、恋人のため、御門=竹島はそれでも疾駆する!ユカタン半島に谺する雄叫び。伝奇アクション、遂に堂々完結!
桑畑の黒い地面からまるで人間の手足がはえているような格好で死体が発見された。惨劇の状況が萩原朔太郎の詩そのもの。警視庁の岡部警部が被害者の上野義則を呼び出した人物を追うと、上野の出身地群馬県で起きた三十年前の中学教師殺人事件に突き当たった。上野は当時、教師の妻の犯行を証言した中学生の一人だったのだ!岡部は二つの事件の関連を読み、教師の息子の行方を追う!
最初の30分は「仕事」、残りの30分は「物語」。見知らぬ男と過ごす1時間。愉楽の波間を漂いながら泣く。「俺の話聞いてくれる?」客は私の胸に顔を埋める。からだから、涙に似た欲望のかたまりがわきだしてくるのはなぜ?ホスピスでのひそやかな逢い引き。からだ中が泣き出す。歌い出す。踊り出す。郊外に建つログハウス風のアパートの各部屋で繰り広げられる恋と官能を連作で描ききる。
尼崎藩江戸家老を長く勤めた塩谷隼人であったが、藩主松平忠告も死去。家中の落ち着きを待ち三回忌の後、ついに暇をもらい晴れて隠居の身となった。主家から離れた後の月々の暮らしを考えた隼人は、八丁堀に土地を借りて長屋を普請。しかしどうしたことか、店子がまったく集まらない。窮する隼人だが、尼崎藩や船宿『海ねこ』の面々に頼るわけにはいかぬ。職を求め、口入屋を訪ねるが…。
「ガッコウがなくなるぅ!?」房総の底辺大学でおバカな青春を謳歌する学生たちに、突如襲いかかった大災難。経営が破綻し、即廃校にするという。「じゃ、俺ら卒業できないわけ?」極楽鳥研究会の面々も青ざめた。“楽に生き抜く法を追求する”サークル活動から一転、真相に迫ろうとする七人組。そして浮かび上がる理事長、官僚、暴力団までが仕組んだ大陰謀…。落ちこぼれパワー炸裂だ!
江東区亀戸の空き家で完全に白骨化した死体が二体発見された。住んでいたのは八十代の老夫婦。検視官は二人とも他殺と断定したが、監察医務院は自然死と結論し、一課の管理官も事件性を認めなかった。城東署の葛木邦彦は、息子の警視庁特命捜査対策室管理官・俊史の協力を得て捜査に乗り出すが、本庁サイドの動きは鈍く、本来なら立ち上げるべき捜査本部を一向に設立しようとしない。やがて浮かび上がった敵に、葛木父子と捜査陣は震撼する。
「僕をこんな男にした責任を取ってもらうからね」。人気ファッションブランドのチーフデザイナー花木麗香28歳。彼女の前に、小学生時代にさんざんいじめた同級生・綾瀬正也が上司として現れた。当時とは別人のように美しく変貌を遂げた麗香は、自分が元同級生だということを必死に隠すが…。麗香に異様な関心を寄せる、イケメン上司の真の目的とは?大人の男女のちょっとアブない恋を描くラブコメディ。
時は宝暦。相次ぐ地震や飢饉で不安にとらわれた人々の心が妖怪やもののけを呼ぶ。そんなこんなでお江戸に巣食ってしまった魑魅魍魎と、時には共に闘い、時には祓って鎮める腕利き拝み屋のろくヱもん。猫神の「ちま又」との迷コンビで、お江戸の怪異をブッタ斬る。此度の敵は謎の妖怪師・和田塚式部。捕らわれのお鈴を救い出せ!妖怪ものの第一人者が贈る大江戸もののけ活劇第二弾!
柏木陸は関西随一の国立大生という肩書きと美しい容姿を利用し、刹那的な生活を送っていた。ある嵐の日、愛車で山中を走っていた彼は道に迷い、偶然見つけた洋館を訪れる。出迎えたのは陸と同年代の美しい女性。しかし彼女は、常に他者との関係で主導権を握ってきた陸を翻弄し、心を先読みする…。彼女は何者なのか?陽炎のように儚い、ひと夜の出会いを描いた、ミステリータッチのラブストーリー。
独覚菌を植え付けられ、獣の姿に変貌し、獣化兵と呼ばれる者は既に十一名いたが、御門周平は人間の姿を保ったまま。いわば、ニュータイプの獣化兵なのであった。強大な兵器ともいえる彼をめぐって、さまざまな組織による争奪戦が開始。マヤの末裔ラカンドン族に導かれ、メキシコに渡った御門は、かつての恋人一ノ瀬京子の姿を追い求めるが、新発見の油田の利権争いに巻き込まれてしまう。著者渾身のノンストップ伝奇アクション超大作。
映像制作会社・チョコレートTV。“老若男女に愛されるチョコのようなコンテンツを提供する”はずが、いまや謝罪の手土産にチョコを持参する始末。時と場所を選ばずダジャレを連発、周囲をドン引きさせる社長の荒巻源次郎のもと、ドラマやバラエティー、はては息子の運動会のビデオ撮影まで、さまざまな現場で奮戦する社員たち。テレビをこよなく愛する人間たちのくすっと笑える裏事情。