出版社 : 徳間書店
十四歳の少女エラ・ウォリスは惨めなティーンエイジャーの典型。学校でいじめられ、両親に誤解され、受け入れてもらうことだけが望みだった。だが、エラには他のティーンエイジャーにはない特殊な能力があった-。この驚異的な小説の中で、ユリ・ゲラーは小説家としての優れた才能と特異なサイキック体験を組み合わせ、隠れたマインドパワーと、それらを爆発(解放)させることの恐るべき結果を探ろうとする。衝撃と感動、そして、示唆に富む荘厳なラスト、実力派スリラー作家の誕生。
明智光秀が愛宕山に参籠し、里村紹巴らと百韻の連歌会に臨んだのは、天正十年五月二十八日のこと。その席で光秀の詠んだ発句「ときは今あめが下しる五月かな」に重大な疑念を感じた紹巴は、本能寺を訪れ、京都所司代、村井貞勝に光秀の謀反の想いを打ち明ける。信長の行動は素早かった。本能寺が不首尾に終わったとき、光秀は…。信憑性のある歴史の可能性を追求した架空戦記。
バーバラはにっこり笑い、ぼくの唇に情熱的なキスをした。ぼくはバーバラを見つめ、そこに「冒険」を見たーサーフィン映画から抜け出たようなアメリカ娘バーバラに会ったとたん恋をしてしまったリチャード。ロンドンの恋人も仕事も投げうって勝手にL.A.にやってきた彼だが、彼女にはボーイフレンドがいる。クレイジーな街で二人の恋は何処へ行く?R・レイナーのおかしくもアイロニックな自伝的処女小説。
JR大宮駅北側の陸橋から、高崎線上り列車めがけて投げ落とされた、身元不明の死体。警視庁捜査一課の馬田権之介刑事は、二ヶ月前にも同じ場所で主婦の投身自殺があったことを聞き、その関連性に首を捻った。一方、“日本アンタレス旅行社”に勤務する水乃サトルは出張先の諏訪で、かつての同僚安場今日子から、行方不明の父親昭一の捜索を依頼される。昭一は郷土史研究家として有名で、武田信玄の墓を探索中であったという…。稀代の美形かつ変人名探偵・水乃サトルが挑む、驚天動地のアリバイトリックの真相は。
耽美派女流作家の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、すでに四年。彼女と縁の深い女たちが、今年もうぐいす館に集まり、時子を偲ぶ宴が催された。なごやかなはずの五人の会話は、謎のメッセージをきっかけにいつしか告発と告白の嵐に飲み込まれ、うぐいす館の夜は疑心暗鬼のまま、更けてゆく。やがて明らかになる、時子の死の真相とは?期待の新鋭、待望の長篇ミステリー。
1999年のクリスマス、イスラエルに流星が降り、軍の秘密のバイオテクノロジー研究所が一瞬で破壊される。さらに2000年が到来した瞬間には、聖地エルサレムが大地震に見舞われる。そうした混乱のなかから、不思議な能力を持つ一人の美しい娘ジーザが現れ、次々と奇跡を起こしていく。人々は彼女こそ救世主だと讃えるが、一方で、彼女は破壊された研究所の実験体ではないかという疑念が浮かび上がる。果たしてジーザは神の遣わした真の救世主なのか?それともバイオテクノロジーの怪物なのか。
南九州一を自称するディスカウントショップ阿古商店のオーナー阿古義男は、人並はずれてケチで好色な男だった。しかも自分以外のものが金を蓄えることを極端に警戒し、高学歴の人間を罵倒して自らの学歴コンプレックスを解消するというタイプ。餌食になったのが、阿古商店の折込チラシを作る広告大理店・アドプラン。経営者の徳倉真一は無理難題を押しつけられ、倒産への道を…。書下しリアル・タイム経済小説。
俺は葉山恋太郎。二十六歳。オートバイと女をこよなく愛する男だ。だが、近寄ってくるのは中年女や誰も相手にしないような肥満体の女ばかり。時々相手をしてやるのが俺のビジネスだ。ある日レース中、警察に追いつめられた俺を助けてくれた謎の老人。奴の話を聞いてビックリ。この俺が十億の遺産の相続人だって!?俺はその爺さんと愛車V-MAXにまたがり、ご先祖様の出身地・岩手へと向かったが…。
恋人たちで賑わうクリスマスイブ。広告代理店「日広」のCMプランナー・戸嶋大作は、恋人のCMプロデューサー・霧島純花と仕事の帰り、レイプされかけていた女性を助ける。翌日、大作は沖縄・小浜島へ飛んだ。大作が手がけた老人ホームの不動産会社元総務部長・大門から呼び出しを受けたのだ。だが大門は西表島で遺体となって発見された。“天国には悪魔が棲んでいる”彼が残した言葉の意味は?書下し。
安史の乱は腐敗しきった玄宗皇帝の治世に鉄槌を下したかに見えた。年が明けて、皇族は延秋門から西へ逃亡した。都には今更とも言えるが、規範がなくなり、いやまさに乱れる。都落ちの一行にも敗戦は知れ渡り、血の気の失せた楊国忠宰相の大言壮語に従うものもいない。逆に血気だった衛士たちに両脚をくくられ、騎馬兵に引き回され悲惨な最期を。しかも、かつて後宮に君臨した貴妃の頸さえ。書下ろし残酷小説。
ケン・パーカーは34歳のポリグラフ(嘘発見器)検査技師。正直な性格ゆえに金に縁のない生活を送る。そんな彼の前に、美貌の女性弁護士ミス・ダニエルズが現れる。横領事件の被告にポリグラフに勝つ方法を伝授してほしいというのだ。報酬は5万ドル。ケンは、湾岸戦争の後遺症に苦しむ弟ボビーのため、ついにこの申し出を受ける。計画が成功したかに思われた時、被告が何者かに殺され、ケンに疑いがかかる。
徳川将軍家八代、吉宗には、政権獲得のための暗い秘密があった。秘密の鍵は、天下三品の名刀の裡に隠されている。名刀を追って、暗闘が展開する。主人公は、素浪人、刀弥平八郎。柳生流の一派、鍋島新陰流の青年剣客である。彼の振るう「まろばしの剣」が、吉宗政権の秘密と暗黒を切り開いてゆく。