出版社 : 文芸社
アウン・サン・スー・チー氏自宅軟禁から5年が経とうとする頃、解放の要求を受け容れないSLORCに対し、若きアメリカ大統領は民主化への策略としてCIA諜報員ランス・ベーリンガーにミャンマー崩壊の任務を与えた。ベーリンガーはタイで、アメリカとミャンマーのハーフであり救出活動家でもある美しい女性、マンダレー・アウンの補助を得ながら任務を遂行し始める。しかし、ミャンマー少数民族の反逆者リーダーに面会するベーリンガーに、元KGB諜報員レスコフとSLORCの執拗な追跡が…。それをくぐり抜けながら任務を全うしようとするベーリンガーは、SLORCによるバンコク国際会議に出席するアメリカ国務長官暗殺計画を知る。しかしもうひとり、国務長官暗殺計画を遂行しようとしていた人物がいた-。
市役所に勤務する綾子は28歳。かつての不倫相手を忘れるために見合いを繰り返しながらも、どこか満たされない思いを抱いていた。エリート銀行員、杉下にプロポーズされるが、答えを見つけられずにいる毎日。そこへ、5歳下の従弟、達也が現れて…。幸せをつかむための一歩をふみだそうとする女性の姿を描いた、美しく静謐な物語。
あの時、持っていなかった「自分」は手に入ったかい?僕らは自分がどこからやってきた何者なのかを知らずに大きくなった。だから自分に自信が持てずに目立たない大人しい子供になるか、常に瞳の奥に警戒心を持つような人間にならざるを得なかった。
16才。アイデアのお値段は10億円!ルックスも成績もコンプレックスだらけの女の子が、広告代理店の高校生ブレーンに。脳みそに嵐を起こすアイデア出しの修羅場で見つけたものは、自信と勇気と夢のかけら。そう、宝物は、あたしの頭の中にある。
あの頃から、僕の時間は止まってしまったんだろう。もうすぐ、夏になる。夏になると、よくそう思う。あの頃から、僕の時間は止まってしまったんだろうと。とくに、こんな晴れた日には。透明感あふれる柔らかな描写は静かな中にたゆたいながら、圧倒的な存在感で、読む者の心をひきつけて離さない-若き新人期待のデビュー作。