出版社 : 文芸社
高名な陰陽師・加茂忠行の子孫である忠明は、幼い頃、闇の眷属・宵闇姫によって己の宿命を知らされ、その証を身に刻まれた。世を守るという“運命の重さ”に一度は潰されそうになった忠明だったが、幼馴染みの沙紅弥の存在がその重責を“守りたい”という真っ直ぐな想いに変えてくれたのだった。忠明は進むべき道を歩み、そして今、運命が動き出す。二人の幼馴染みである紀子の微妙な心情も巻き込みながら-。学園陰陽師ホラー。
ある夏の夜、花火大会に繰り出したオトコ好きのミカは予定通りナンパされる。ところが、そのオトコがベッドの中で死んでしまう。親友のユミに助けを求め、そのオトコの死体を「処分」しようとするが…。脳内に「世界」が次々現れる奇才作家が贈る!『真鶴道路殺人事件』に続く空色ワールド。進まぬ車に、2人の美女はイライラ。シリアスにしてコミカルなミステリー。
生徒会が学校を占拠した?!スピード感溢れる表題作「七重的学校図」。自らの信念を胸に、周囲からのいじめにも無関心な孤独な少女を描く「私と少女」の2作品を収録。中高生の青春、友情、そして現実を描いた学園ストーリー。
引きこもりに甘え、暴力で癒され、時間の感覚すら失った14歳のケダモノ。私をもう一度世界に連れ戻してくれたのは、祖母ちゃんの静かな、深い愛だった。二十歳の著者が放つ、新しい家族小説。
相沢深雪、十六歳。母と弟との三人暮らし。母の佐和子さんはJelly Beansという雑貨屋を営みながら、弟・月光と深雪の二人を育ててくれている(深雪と月光は父親の違う姉弟だ)。それだけでも複雑っぽさ十分なのに、佐和子さんが再々婚することになった。しかも相手には六人もの息子がいて、中の一人は元人気アイドル!?親友・泉ちゃんも巻き込んで、深雪のジェットコースターな日々が始まる。
「この先生はお嫁さんじゃなくて、私の娘だよ」いつもと変わりない笑顔で若林先生は答えたが、さすがに教室内は「くだらない嘘をつくな」という失笑に包まれた。そして、先生はALTの先生に英語で自己紹介を求めた。次の瞬間教室が凍りつくとは、誰も思ってもいなかったことだろう。「Hi,How do you do?こんにちは、私の名前は若林キャメロンです」。
地獄を滅ぼし、人間たちを粛正する目的で大天使ガブリエルが仕掛けた罠が思わぬ方向に転がり出す。人間、小天使、超能力者、悪霊が入り乱れた戦いに突入する、多次元空間ファンタジー。
重度の障害をもつ美樹、ともに生きようとする悟。彼女を救おうとするあまり、すれちがっていく二人-障害者の夢と現実を描いた小説「薬」と、著者自身の障害について綴ったエッセイ&詩集「私の自立生活」を収録した命の作品集。
旧弊で形式的なヴィクトリア朝から、自由で民主的なエドワード朝へ移行していく20世紀初頭のロンドン。自分の居場所を見つけられずに悶々としていた女性が、婦人参政権運動に出合い、のめり込み、そして悲劇的な最期を遂げる。繊細な筆致から紡ぎ出される女性の「叫び」が聞こえたとき、あなたが覚えるのは共感だろうか、反発だろうか。