出版社 : 文藝春秋
父・信秀の亡きあと、尾張の織田家を継いだ信長は、苦心の末に乱れていた尾張を統一。そして、上洛のため西上を始めた駿河の大守、今川義元を、周到に練り上げた戦略のもと、桶狭間で見事に討った。美濃を手に入れた信長は、十五代将軍足利義昭を迎え入れ、上洛を果し、いよいよ天下布武へと動きだすのだが…。
足利義昭との溝が深くなった織田信長は、越前の朝倉義景や近江の浅井長政を滅ぼし、天下人への地歩を着実に固めていく。そして、甲斐の武田、本願寺を中心とする門徒衆、越後の上杉等と血みどろの死闘を繰り広げていく。次々と難敵を倒していく信長にとり、最後の大敵である西国・毛利討伐のため、京・本能寺へと向う…。
アスピラントの教子とともに修道院を脱け出し、長崎・五島列島を訪れていた朧は、教子に「王国」を目指していることを告白する。隠れキリシタンの島で深く感応しあう二人に、“ヴィジョン”は到来するのだろうか?『ゲルマニウムの夜』に始まる『王国記』シリーズ第四弾は、『雲の影』と『PANG PANG』の二編を収録する。
品川・御殿山にあるお屋敷の庭でかくれんぼをしていた源太郎と花世が、迷い込んだ隣家で遭遇した殺人事件。その背後には、一通の手紙を巡って前御台所を巻き込む複雑な事情があったが、幼い花世が解決の鍵を握っていた。表題作ほか「マンドラゴラ奇聞」「薬研堀の猫」「江戸の節分」など全八篇を収録。大好評人情捕物帳シリーズ。
■内容紹介■ 禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えて……。愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。