出版社 : 文藝春秋
本と日常の謎はコタツ探偵におまかせ!消えた映画の名台詞はどこへ?あの傑作の名付け親は誰?原作料だけもらった大作家?教師の父と編集者の娘の“名探偵コンビ”シリーズ。
一九二三年、大震災による未曽有の被害で帝都は壊滅状態にあったー。不安と恐怖から人心は乱れ、治安は荒れるばかり。さらに、その混乱に乗じて陸軍が胡乱な動きを見せる。果ては、致死の感染症の恐怖もひたひたと忍び寄り…。今まさに瓦解せんとする首都を救うため、集められたのは…竹取の翁、光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子・薫、半人半虎の李徴ら、日本文学が生んだ名キャラクターたちだった!?決して交わるはずのない面々が、それぞれの物語世界から躍り出て、一致団結。絶体絶命の東京を舞台に大立ち廻り!彼らは無事、帝都を守り抜けるのか?奇想天外、摩訶不思議。圧巻の一大文学エンタテインメント。
四国・松山の名門校に通う二人の男がいた。後に代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。「この政治家が、もしも誰かの操り人形だとしたら?」最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫る。
父を旗本奴に殺された少年・予助は、水戸光圀によって剣の腕を見出され、捨て子を間諜として育てる幕府の隠密組織「拾人衆」に加わる。仲間とともに火つけ盗賊「極楽組」を追っていたが、父の死の真相を知りー。了助と光圀、「極楽組」の絡み合う因縁。そして、新たな師を得て了助は日光道中へ。さらに加速する大江戸諜報劇!
放送作家見習いの「俺」は、十年間師匠と仰いでいた人物が自殺した日、映画館で偶然出会った女・スミレにいきなり結婚を申し込む。スミレは離婚したばかりだった。することのない俺とスミレは、酒浸りの日々を送るようになる。そんな中、俺を捉えて離さないのは、師匠が手首に入れていた矢印形の刺青のことだったー。
小さい頃から、殴って、殴られるのが普通だった。誰も本当のことを教えてくれなかった。なぜ自分だけが、こんな目にあうんだろうー上京して芸人となった石山の前に現れる、過去の全て。ここにいるのは、出会いと決断があったから。著者渾身の初小説。
中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で 幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、 自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、 叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていたーー。 宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、 実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。
朝の散歩の途中、“たすけて”と書かれたメモを拾ったお草。その日の夕、紅雲中の女子生徒が行方不明になる。その後、生徒は家出と判明し一件落着するが、では助けを求めているのは、いったい誰ー。
「ミカエルは人を救う天使じゃない。偽物だ」手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條と、ドイツ帰りの天才医師・真木。難病の少年の治療をめぐり二人は対立。そんな中、西條を慕っていた若手医師が、自らの命を絶った。情報を手に入れたジャーナリストは、大学病院の闇に迫る。天才心臓外科医の正義と葛藤を描く。
舞台は室町時代、播磨国。律秀・呂秀の兄弟は、庶民を相手に病を診て、薬を方じ、祈祷によって物の怪を退ける法師陰陽師。だが、実際に物の怪が見えているのは弟の呂秀だけだった。ある晩、呂秀のもとに恐ろしい異形の鬼が現れる。鬼は、かつて蘆屋道満に仕えた式神で、三百年以上も新たな主を求めていたのだったー。新たな陰陽師ものの誕生!
ショウは教会を襲撃して逃走した若者二人組を追跡していた。難なく居場所を割り出して二人を見つけ出したショウだったが、その眼前で一人が崖から身を投げて死亡してしまった。教会襲撃は冤罪で、いずれ疑いは晴れるはずだったのにー自殺した若者は“オシリス財団”なるカルトグループの研修を受けていたという。彼は洗脳されたのではないか。調査を始めたショウは、同カルトに関する記事を発表した記者が殺害されていたことを知る。“オシリス財団”が死の原因ならば、これ以上の犠牲を阻止せねばならない。ショウは身分を隠し、ワシントン州の山中にあるカルト施設への潜入調査を決意した。指導者イーライのもと、屈強な男たちが目を光らせるカルト村。ここで何が行なわれているのか。若者はなぜ自ら命を絶ったのか。この村に隠された真の目的とは?武器なし。外部からの援軍なし。24時間の監視下で、ショウの孤独な戦いがはじまる。「静」の名探偵リンカーン・ライムに続いて名手ディーヴァーが生み出した「動」の名探偵コルター・ショウ第二作。緊迫度、孤立無援度100%の傑作誕生。
「わが懐にはいった窮鳥をどうして殺せようか」これまでの劉備の生きかたを観て、-人からうけた恩を返す型の人間ではない。と、洞察した。どれほど曹操が厚くもてなしても、劉備に滲みてゆくものはない。檻にはいった虎に愛情をかけても、檻からでた虎は飼い主をいきなり襲うであろう…。中国歴史小説の第一人者がいざなう「魏」を創った男たちの物語!
「ホノカは何度も炎上したが、そのたびに必ず復活した。炎上が、文字通りこの不死鳥をさらに強くしたのだ」脅される“パパ活女子”、女性を狙う“ぶつかり男”、トリプルワークの“デリバリー配達員”、人気女子アナを襲った“ネット炎上”…。いま池袋で起きているトラブルに、Gボーイズが打った手とはーI/W/G/P第17弾!
台湾でドラマ化進行中! 台湾モダンホラーの決定版が満を持して登場。 タクシー運転手の呉士盛(ウー・シーシェン)は人身事故を起こして借金に追われて、娘は家出し妻とも言い争いが絶えない。ある日、タクシーの溜まり場に放置されていた車の中で古いカセットテープレコーダーを見つけ、何気なく再生ボタンを押すと男のかすれた声が漏れてきた。 「……ミナコ?」 士盛の妻・郭湘瑩(グオ・シャンイン)は最近、ひどい耳鳴りに悩まされていた。 耳鳴りはやがて台湾語や日本語が混ざった幻聴となり、ある夜ついに幻聴と幻覚に操られ、自宅の屋上から墜落し重傷を負う。 病院に駆け付けた士盛はその帰りに、気味の悪い道尼をタクシーに乗せる。道尼は士盛に、「早く穢れを解かなければ、妻は死ぬ」と告げた。 湘瑩は「ミナコが私と娘を殺しに来る」と言い続けるようになり、ついに精神科病棟に隔離される。その夜、湘瑩は首を 180 度捻じ曲げた異様な状態で死んでいるのが発見される! 妻の死に、謎の声が囁く「ミナコ」が関わっていると直感した士盛は道尼から聞き出した「毒を持って毒を制する」呪法を用いて悪霊を倒すべく、玉山(新高山)西峰の悪霊の棲家を目指す。