出版社 : 文藝春秋
渋谷で自警団「シティ・ガード」を率いる18歳の三枝航。離婚した妻から家庭内暴力を振るう息子を引き取った敏腕ライターの仙元。互いにトラウマを抱える二人の人生が交錯し、やがて航のカリスマ性の裏に潜む、おぞましい狂気が暴き出されていくー。多くの事件・犯罪を取材してきた著者渾身のデビュー小説。
それから日和子は笑いだしてしまう。くすくすと、そしてからからと。笑うことと泣くことは似ている。結婚して十年、幸福と呼びたいくらいな愉快さとうすら寒いかなしみ、安心でさびしく、所在なく…。日々たゆたう心の動きをとらえた怖いくらいに美しい、連作短篇小説集。
あらゆる諜報機関から極秘データを盗み出して作られた、驚愕のコンピュータソフト。その争奪戦に巻き込まれた男の運命は?膨張するネット社会への恐怖と人の心の強さを問いかける、大沢在昌のサスペンス巨編。
兄・神林通之進の使で、旗本・青江但馬の別宅、根岸の白萩屋敷に出かけた東吾は、萩の精のような佇まいの女主人に出会う。が、その美しい顔には、むごたらしい火傷の痕が…。読者アンケートの人気投票でも堂々トップを飾った表題作ほか、天野宗太郎が初登場する「美男の医者」など全八篇を収録。人気シリーズの新装版第八弾。
ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドはボートで単身利尻島に上陸する。長崎の座敷牢に収容された彼から本物の英語を学んだ長崎通詞・森山栄之助は、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。彼らの交流を通し、開国に至る日本を描きだす長編歴史小説。
中国・春秋時代の晋。没落寸前の家に生を受けた若者・士会は、並外れた兵略の才と知力で名君・重耳に見出され、混迷の乱世で名を挙げていく。生死を無意味にしないために人はなにをすべきか。勇気の本質とはー。苦難を乗り越え、宰相にまで上り詰めた天才兵法家のあざやかな生涯を格調高く描いた古代中国傑作歴史小説。