出版社 : 新潮社
地方のテレビ局でリポーターを務めるバリーは、大統領夫人のヴァネッサから思いもかけず呼び出された。突然死で愛児を失って悲嘆に暮れるヴァネッサの目的は判然としない。職業意識を刺激されたバリーは、密かに大統領夫妻の身辺と突然死の真相を探り始めるが、浮かんだのは大統領の冷酷な本質と、死因に対する拭い去れぬ疑惑だったー。ラヴ・サスペンスの女王が贈る注目の大作。
謎解きが進むにつれて血は流される。グレイとデイリーの協力のもとに、バリーは恐怖を克服しつつ調査を進める。明らかにされる大統領の過去、そしてグレイの過去。男たちの相克は今、バリーの眼前で苛烈な復讐劇を生もうとしていた。追跡、脅迫、そして救出…。息詰まる展開の末に彼女が突き止めた苦い真実とは何か?権力者たちの実像と家族の葛藤をサスペンスフルに描き切る終幕。
主人公は1933年生まれ。その容貌から「ウサギ」と呼ばれる彼、ハロルド・アングストロームは、男の本性に忠実な、典型的な中産階級のアメリカ人だった-。『走れウサギ』(1960)からスタートし、『帰ってきたウサギ』(1971)、『金持になったウサギ』(1981)、『さようならウサギ』(1990)と四つの作品で書き継がれた、欲望と悔悟に彩られた「ウサギ」の生涯。20世紀後半の激動の歴史を背景に、執筆期間30余年、5000枚に描かれた人生の真実。本書は、最初で最後の4部作一括刊行となる。井上謙治全訳。
父は、一高でバンカラを演じ、療養所では悩めるインテリ青年となり、経営者にまで昇りつめた会社では偽悪家・変人・趣味人を気取った。そして晩年、「緩慢なる自殺」を図る。戦争と結核に行く手を阻まれ、それでもなお、自分の可能性を求め続け、最期まで苦闘する父。時代に、運命に、抗い続けたひとりの男を描く長篇小説。
5歳児ほどの小さな身体。異星人みたいなへんてこな声。ぼくの親友オウエンは、神が遣わされた天使だった!?宿命のファウルボールによる母の死。前足を欠いたアルマジロの剥製。赤いドレスを着せられた仕立用人台。名人の域に達した二人組スラムダンク。-あらゆるできごとは偶然なのか?それとも「予兆」なのか?映画「サイモン・バーチ」原作。
名門プレップ・スクールの学校新聞編集長として活躍するオウエンと、なにかと彼に頼りっきりのさえないぼく。ヴェトナム戦争が泥沼の様相を呈しはじめるころ、オウエンは小さな陸軍少尉として任務につく。そしてぼくは、またもや彼のはからいによって徴兵を免れることになる。椰子の木。修道女。アジア人の子供たち。-オウエンがみる謎の夢は、二人をどこへ導くのか?映画「サイモン・バーチ」原作。
わたしは司書、影のような。彼は少年、巨人症の。初めて会ったとき、彼はまだ十一歳。悠然としたとびきりのノッポの少年、実はその体の中では、ある病が進行中だった-いきなり全米図書賞にノミネートされた、実力派新人の処女長編。
両親を亡くし、江戸時代から続く七夕の町に疎開した三姉妹。次女・育子はそこで敗戦を迎え、進駐軍による町の変貌を目の当たりにする。私利私欲に走る軍人たち、米兵にぶら下がる厚化粧の女。日本はこのまま滅亡してしまうのか。それでも復興した七夕祭りに商店街は活気づき、賑わいが蘇る。自立の道を探しつつ、淡い恋に心ときめかす育子の青春の日々。著者の自伝的小説、第二作。
モスは、収穫祭の日に見知らぬお客が訪ねてくるのがいやだった。だからひとり、森に分け入っていった。男の子なら必ず体験しなければならない「森の時間」。ヤマアラシとの会話やひとりぼっちの少女との出会いを重ねたモスは、家族の絆や他人への思いやりの大切さに目ざめてゆく…。『朝の少女』で家族の光り輝く愛を綴った著者が再び謳いあげる、鮮烈な魂の成長の物語。
あの顔は、殺人事件の被害者にそっくり…。検事補のケリーは、交通事故にあった娘を連れていった診療所の待合室で、信じられない光景を目にした。診察室から出てきた女性が、十年前に関わった事件の被害者そっくりだったのだ。そして翌週にもまた別のそっくりさんが…。美貌に憧れる女心と、愛する人を永遠に手許に置こうとする異常な執着心が生んだ、ダークな味付けのサスペンス。
彼女のためにテープを編集したこと、ありますか?彼氏からそんなテープを贈られたこと、ありますか?この本は、そんな貴男とそんな貴女のための小説です。もうからない中古レコード店を営むロブと、出世街道まっしぐらの女性弁護士ローラ。同棲の危機を迎えたふたりは、どんな結末を迎えるのでしょうか。英国だけで百万部を突破した話題のベストセラー、いよいよ日本に上陸です。
花も鳥も風も月もー森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために…。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩な音色で唱いあげる交響絵巻。谷崎潤一郎賞受賞。
鍵のかかった閉鎖空間で起きた殺人、不可能状況下に横たわる死体、忽然と姿を消す犯人と凶器、二転三転するアクロバティックな論理。なぜ犯人は密室を作らねばならなかったのか?現代日本を代表する七人のミステリ作家が「密室」をテーマに競作!ボーナストラックとして、密室への想いを綴るエッセイも書き下ろしで収録。ファン必携、究極の「密室」がここに誕生。
最後のスコットランド王を自称する荒唐無稽な独裁者、ウガンダのアミン大統領。政府に派遣された若きイギリス人医師は、アミンの侍医となり奇妙な運命に翻弄される。恋あり、内戦あり、暗殺指令あり。グレアム・グリーン、ジョーゼフ・コンラッドら先駆者たちの伝統を見事に受け継いだ、卓抜な文明論、スリリングなストーリー性。そして、絶望的な逃走、戦闘場面の圧倒的臨場感。六年をかけた周到緻密な取材に基づきつつ、史実さえたじろぐようなマジカルな想像力も縦横に駆使された、読書界の話題をさらう会心作。ウィットブレッド賞処女長篇小説賞受賞、サマセット・モーム賞受賞、王立文学協会ウィニフレッド・ホルトビー記念賞受賞、ベティー・トラスク賞受賞。
飲めば大酒、女にはフラれっぱなし。そんな巨漢の高校教師「俺」が設立したアメリカンフットボール同好会『ベアーズ』。肥満児から秀才まで、およそ運動に不向きな生徒11人と俺が繰り広げる、抱腹絶倒感涙滂沱疾風怒涛ファイト一発!の物語。「まれにみる快作」「ビールで乾杯したくなる」と全選考委員が絶賛した、第五回小説新潮長篇新人賞受賞作。「俺はキャプテン」「NG胸を張れ」の二篇を同時収録。
全長4000メートルの海峡大橋を支えるコンクリートの巨大な塊“アンカレイジ”。内部に造られた窓ひとつない空間に集まった科学者・建築家・医師の六名。プログラムの異常により海水に囲まれ完全な密室となったこの建物の中で、次々と起こる殺人…。最後に残ったのは、盲目の若き天才科学者とアシスタントの二人だった。犯人は、私?僕?それとも-。
晩年、艶やかな作品を残した父は人間国宝の陶芸家。「青鞜」に属し、平塚らいてうの恋人と呼ばれた母は婦人解放運動家。強烈な個性と個性の、出会いと結婚。二人の愛は激しく、だから憎しみは深く。父母の愛憎のはざまに生を享けた宿命に、生涯苦悩し続ける息子…。大正から昭和、さらに戦後へと揺れ動く文化情況の、あたかも映し絵のような「業」を生き「業」に死んだ、その家族の肖像。