出版社 : 新潮社
迷惑な妄想逆ギレ男が、夫の帰りを正座して待つ壊れた妻が、生き地獄を味わう可憐な美少女が、虐待される寝たきり老人が、自己の中心で愛を叫ぶ!勝手気ままに狼藉の限りを尽くす面々をあなたは愛せるか!エンターテインメントの旗手・新堂冬樹が「ここまで書くか!」とばかりに練り上げた、強烈すぎるキャラクターと刺激的なストーリー。
作家とは名ばかりの非道な男、野嶋。だが、玲奈の想いは揺るぎない。やがて、雨降る京都の山荘で二人は結ばれる。幸福な時も束の間、事件を起こした野嶋は、追っ手から逃れるため、スペインへ逃亡した。家族の反対を押し切り、野嶋の後を追う玲奈。そして、約束の橋でめぐり逢った二人は、星の巡礼街道を歩み始めるのだが…。金沢とバルセロナ。東西の古都を舞台に紡がれる運命の恋。
元ヤンキーの美穂と女遊びに余念がない知弘。二人の夫婦仲は冷え切り、息子も登校を嫌がっている。一方、殺人で服役した和也は出所して前科者の父の家に戻るが、なぜか保護観察官が付き添い、和也らと家族のように暮らす。そんなある日、美穂にマン拓FAXや電波系コミックが届いた。一体誰が、何のためにー。二組の“不道徳家族”の狂気と復讐を描く、超破格の犯罪小説。
造園設計家・恵門は、記憶の中にぽっかりと空白があるのに気付いた。大事な会議で、使い慣れた用語がどうしても思い出せない経験もした。ひょっとしてアルツハイマー病か?医師の判断を仰ごうと決心し、身がすくむほどの不安を感じる。自分は本当に真実が聞きたいのか?もし宣告されたら、この先の人生は?とてつもない恐怖に直面する患者の気持が、読む者の心を打つ衝撃作。
元国務省特殊部隊員ジャンソンは見知らぬ女性から、命の恩人であるピーター・ノバックの救出を懇請される。ノバックはインド洋に浮かぶアヌラ共和国でイスラム過激派に捕らえられ、死刑を宣告された平和活動家である。ジャンソンはかつての部下を召集し急遽、アヌラへと飛んだ。一方、ワシントンでは5人の政府高官が“メービウス計画”を検討していた。巨匠の遺作、ついに登場。
ジャンソンらによる救出作戦は成功間際で悪夢と化した。その後ジャンソンは再三にわたって、命を狙われる。誰に、そしてなぜ狙われているのかー彼はただ逃げ惑う。そんな折、彼はジェシカというスナイパーと接触。ノバックに関する驚くべき事実を知らされる。そして、“メービウス計画”に参加したメンバーは立て続けに謎の死を遂げていた。世界規模の陰謀が静かに動き始めていた。
混血の女児は生まれた10分後に息を引き取り、教会の墓地に埋葬された。だが、“純血”に固執する白人の教会執事たちの意向で掘り出され、別の墓地へ送られてしまう。その夜、教会は猛火に包まれ、現場にいた黒人の父親イライジャが拘束される。さらに焼け跡からは、保安官の娘の焼死体が発見された…。怒りと哀しみの充満する町で救済を求める者たちの真実を追う感動のリーガル巨編。
宇佐子は小学校5年生。転校生のちょっと変わった女の子ミキちゃんを仲間はずれにするクラスの空気に傷ついて、夏休みを前に学校にいけなくなった。そんな中、ミキちゃんに誘われ、町のウィンド・オーケストラでトランペットを習うようになった宇佐子は、ブラスの楽しさ、演奏の喜びにふれて、次第に生き生きした心を取り戻していく。きらめく音があふれる、感動の長編小説。
世紀末、東欧革命前夜のウィーンで出会ったバイオリニスト・走馬充子と外交官・真賀木奏。音楽への情熱を共有する二人は、亡命ルーマニア青年のセンデスから、古い手書きの楽譜を譲り受ける。「百年後の愛しい羊たちへ」と題されたその楽譜には、歴史を変える力が秘められていたー。異国での激しい恋が呼び寄せる運命の翳り。謎と官能に彩られためくるめくドラマの幕が上がる。
10歳で死んだ妹が人生を幸福に全うする過程を、兄はCGを駆使して映像にし、悲嘆に沈む父に見せた…「枝の折れた小さな樹」。両親を失った女子高生と、生後まもない娘を遺して妻に死なれた塾講師。二人の前にあるシーンが立ち現れる…「サイレントリー」。打ちひしがれた心が、輝いた瞬間の記憶を頼りに再生していく。人生をいとおしむ静かな7つの物語。
金持ちになりたいー。デヴィッドの夢は、“売り込み”という台本が売れた時から実りはじめた。またたく間にハリウッドの寵児となった彼はテレビ局の女性重役と恋に落ち、妻子とも別れる。その一方で金融ブローカーと知り合った彼は、ある大富豪の書いた台本を読んでくれと依頼される。だがそれは、不遇な時期に自分が書いたものと一字一句違わなかった…。悪夢路線、完全復活。
ミサイルが国連本部ビルに撃ちこまれたー双頭の弾頭にはサリンと炭疽菌が積まれていた。不発に終わり被害の拡大は免れたものの、ニューヨークやワシントンでは爆弾テロが続発。捜査の結果、使用された爆弾はいずれもロシア製と判明した。FBI捜査官カウリーは、急遽モスクワ民警のダニーロフに協力を要請する。ふたりは、国境を越えて三たびコンビを組むことになったが…。
国防総省のコンピューター・システムがサイバー・テロによって崩壊した。商務省、農務省などの政府機関のシステムも一斉にクラッシュする。不気味な犯行声明が送りつけられるが、犯人の意図は依然として不明。そんな折、爆弾テロはモスクワをも襲った。カウリーは至急、現地へと飛ぶ。事件の背後に見え隠れする邪悪なロシア・マフィアの存在。そしてアメリカとの驚くべき接点とは。
植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?-うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。
日本の銀行マンと結婚したフィリピン女性が、転勤で九州から新潟へ移った途端に経験した、雪国という未知の空間。ふさいだ気分が周囲への憎悪に変わる様子を描いた表題作「悪魔の羽根」。早春、恋愛中の女性が突然、姿を消した謎に季節特有の悩みを絡めた「はなの便り」など、四季の風景を織りまぜながら、男女の心模様、友人同士の心のズレを浮き彫りにする。ちょっぴり恐い7つの物語。