出版社 : 早川書房
全人類宇宙からエリートを結集し、一人前のアストロ・パイロットに育てあげる養成学校にジェイスンという名のとてつもない新入生があらわれた。上級生のアンドレア伊藤は、ジェイスンの発散する危険な香りに心をひかれてゆくが、彼がやってきた真の目的や、彼の胸に秘められた野望には、気づくよしもなかった…。広大な宇宙に夢をかける痛快冒険SFの傑作。
妖魔の君、闇の公子アズュラーンは、かつて一時の戯れに人間の娘と交わって世継をなした。だが、闇の公子は己れの種から生じた娘をアズュリアズと名付けただけで後は顧みず、人界はもとより妖魔の都からも遠く離れた幻の孤島に幽閉した。そして妖魔の暦で17年の歳月が流れた時、おそれおおくもアズュラーンの娘を人界に連れ出した男がいたー惑乱の公子チャズである。もちろん、宿敵チャズの奸計を黙認するような闇の公子ではない。アズュラーンは、孤島を脱出するやたちまち恋に落ちた二人の仲を裂き、チャズに恐るべき刑罰を与えるが…。
この世に生まれ出た己れの使命を父たる闇の公子に悟らされ、今やアズュリアズは邪な女神として地上の三分の一を、悪業の数々を織りなす舞台として支配していた。実際、女神の治世は残虐非道を極めていた。というのも女神の冷酷な戯事は、闇の公子の指示に基いて神々の非道や無関心を人間に教えるためのものであったからだ。これを天界の神々が快く思うわけがない。アズュラーンの娘を懲らすべく、地上に派遣したは天使にして戦士三たり。片や、わが娘を守らんと人界へ赴く闇の公子。かくて、妖魔の父娘と天界の使者との究極の決戦が始まった。
カリスト防衛軍陸戦隊のダンテ隊長は月のセントジョージ市に潜入していた。外惑星連合軍の航空宇宙軍艦隊への奇襲攻撃と同時に陸戦隊も後方破壊を行なう。その目標がここにある月面最大の工場群だった。ダンテは気がすすまないながらもこの無謀な作戦準備のため、自ら情報収集を買ってでたのだ。しかしダンテのスパイにあるまじき能天気な行動、駐在武官柏崎中佐の非協力的態度、加えて一枚上手の航空宇宙軍警務隊らの障害にあい、事態は思わぬ方向に動いていく。果たして奇襲作戦は成功するのか。外惑星動乱勃発のときは刻一刻と迫っていた。
伊号潜水艦を駆り、インド洋を荒らし回る日本海軍の吉本中佐に、いま密命が下った。アフリカ東岸の要港モンバサへ急行し、入港予定の英国空母を攻撃するのだ。だが折悪しく、遭遇した米国商船から反撃を受け、船体が損傷。吉本は修理のため、一時、小島に艦を隠すことを余儀なくされる。一方、英国駆逐艦のバラツト艦長は、撃沈された商船の生残者から敵潜の損傷を知り、必死の探索を開始した。果たしてバラットが潜水艦を発見し、これを撃破するのが先か、吉本が修理を終えるのが先か?熱帯を朱に染める日英両雄の死闘を迫真の筆致で描く。
かわいいけれど実力派、華麗な守備と鋭いバッティングで観客を沸かす大リーグ初の女性プレイヤーー彼女の名前は、リンダ・サンシャイン。大学卒業後、スカウトされたリンダは、持ち前の明るさと抜群の野球センスでマイナー・リーグを卒業、シカゴ・イーグルスに入団し、晴れて大リーガーとなった。新聞記者ニールの励ましもあって、あくどい妨害やいやがらせにも負けず、攻守にわたる大活躍。イーグルスも快進撃を始めた。ところが、行く手に思わぬ事件が…。スーパー・ルーキー、リンダの胸のすく活躍をユーモアを交えて描く痛快野球小説。
あなたに愛想がつきたの。無気力、無味乾燥。もうたくさんー愛しのチコのまさかの別れ話に、さすがのぐーたらトレースも愕然となった。このままでは、わが人生の唯一の成果を失うことになる。だが、どうしたらいい?助け舟はニューヨークの父親からやってきた。私立探偵のライセンスをとり、探偵事務所で働けというのだ。話をもちかければ、チコも大乗り気、拳銃とトレンチコートに憧れ、あっけなく承諾した。こうして探偵稼業が始まったのだが…毒殺事件をめぐり、丁々発止、プロの刑事とわたり合うにわか探偵たちを新趣向で描く新作。
ニューヨークのナショナル・バレエ団では、新作の公演に向けて猛練習が続けられていた。主役を踊るのは花形プリマかライバルか。相手役の男性ダンサーは誰になるのか。すべては芸術監督兼振付家のホルトの胸一つにかかっていた。そんな矢先、ホルトが刺殺された。犯人は逮捕されたが、その殺人には依頼者がいたことが判明した。が、それが誰か告げる前に犯人は死んでしまったのだった。バレエ団の理事長をつとめるウォール街の老弁護士フロストはひそかに調査を始めたが…。現代ニューヨークの知識階級の生態をいきいきと描くシリーズ第二弾。
名家の生まれだが貧乏暮らしのミス・メルヴィルは、突然唯一の収入源である美術教師の職を失ってしまった。これでは生活していけないー彼女は自殺を決意した。ところが…ひょんなめぐり合わせでフリーの殺し屋にとらばーゆしてしまったオールド・ミスの危険な仕事の数々を、現代ニューヨークを舞台に描く話題のシリーズ第1弾!
3月初めの寒い日、ボストンの街は異常な連続殺人の話題でもちきりだった。これまで3人殺されていたが、いずれも40代の黒人女性で、みな両股の間を拳銃で撃ち抜かれ、みな乳房の間に赤いバラが1本おかれていた。被害者の職業も売春婦、ウェイトレス、ストリッパーと、どこか共通点がありそうだった。しかもマスコミから赤バラ殺人鬼と呼ばれはじめた犯人が、クワーク警部補あての手紙で、自分は警察官であると言ってきた。そこで警部補は、警察関係者でないスペンサーに協力を求め、ベルソン部長刑事と共に独自の調査グループを作った。そんな矢先、4人目の被害者が出た。悪魔のような殺人をくりかえす犯人は一体どういう人物で、狙いは何なのか?ボストンの街を凍えさせる赤バラ殺人鬼に立ち向かう私立探偵スペンサー!新展開をみせる人気シリーズ第15作。
3000万人のファンから愛されるマルチタレント、ジェイスン・タヴァナーは、安ホテルの不潔なベットで目覚めた。昨夜番組のあと、思わぬ事故で意識不明となり、ここに収容されたらしい。体は回復したものの、恐るべき事実が判明した。身分証明書が消えていたばかりか、国家の膨大なデータバンクから、彼に関する全記録が消え失せていたのだ。友人や恋人も、彼をまったく覚えていない。“存在しない男”となったタヴァナーは、警官から追われながらも、悪夢の突破口を必死に探し求めるが……現実の裏側に潜む不条理を描くジョン・W・キャンベル記念賞受賞作!
8年前に捨てた妻子に会いたい-気鋭の画家ゲリーの頼みで、私立探偵アッシュは2人の行方探しを始めた。だが、依頼人の妻レイニーは再婚、息子ブライアンは、悲惨なことに、母の運転する車に乗って事故に遇い、幼い命を散らしていた。報告を聞いて激昂するゲリーに、アッシュは一抹の不安を覚えたが…。過去を秘めた謎の魅力とハードボイルドの詩情を堪能させる著者会心の作!
探索の旅は終わった。世界を支配できる力を秘めた〈アルダーの珠〉を奮取し、ガリオンはリヴァ王となってセ・ネドラ王女と結ばれた。すべてこれらのことは時の始まりより定められていたこと。そして今、〈予言〉が語るように、ガリオンは邪神トラクとの最後の対決の途上にあった。だが、彼は暗澹たる思いに閉ざれるばかり。自分の意志とは無関係に王にされ、あげくのはてにトラクを倒せという。だがしかし、果して死すべき人間に神を打ち負かすことなどできるのだろうか…。全米でベストセラーを記録したエピック・ファンタジイ、堂々完結。
宇宙飛行時における最大の問題はートイレ。特に長期飛行の場合は大問題だ。しかし、わが森田衛生設備株式会社が誇る最新式無重力トイレがあれば、そんな悩みは解消。無重力でも快適な生活が送れるはず、なのだが…。このわが社自慢の製品にクレームをつけてきた客がいる。どうやらセンサーの調整ミスみたいなのだが、大変なことになっているらしい。ヴィデオフォンの向こう側にいる不定期貨物船オーナーの罵詈雑言がその程度を示していた…無重力トイレをめぐる大騒動を描く「無重力でも快適」他、5篇を収めるSF短篇集。
おれは美少女麻美と読者もうらやむ甘い生活に浸っている。そのうえ、いつもとんでもない怪現象に巻き込まれ、ものすごく刺激的な日々でもある。うらやましいだろっ!さて今回は正雄が謎のボディコン美女と失踪したのが事の起こり。恋人の杉山は半狂乱になり、そのうち、なんと世界が幻の海に沈んでいくのだ。(またも杉山の変態パワーの暴走か!?)しかも他人には幻でもおれたちには現実の水。なんとかゴムボートで脱出するが…。かくて地上を離れたおれたちは、杉山の変態的直観力に導かれるまま、正雄を求めて天の海原へ乗り出すのだった。
第二次世界大戦中、フランスで対ナチ情報網に従事、目覚ましい功績をあげたチャンピオン。アラブと密接な関係を持つ彼を、いま西ドイツが武器密輸容疑で追いはじめた。かつて情報網の一員だったわたしは、英国情報機関の指令を受け、彼の身許調査を開始する。だが、チャンピオンの身辺に送り込まれた女情報部員は失踪、わたしは情報網ゆかりの地ニースへ飛ぶ。そこで見いだしたものは、戦争の英雄たちの30年後の姿と、巧妙に張りめぐらされたチャンピオンの計画だった!巨匠が古き時代のスパイたちの姿を通して、非情な現代情報戦を描く力作。
忍び寄るピューマ、襲いかかるワシ、そして疾走する馬ー内気な高校生ダンが唯一心を開く相手は、部屋に飾ったポスターや剥製の動物たちだった。無理解な父親から獣医になる夢を禁じられ、学校では校長の息子として特別な目で見られる。そんな彼の鬱屈した心を動物たちは慰めてくれた。だが、町に連続殺人鬼が現われ、その魔手がダンに伸びたとき、突然闇の中から不思議な影が!正統派ホラーの流れをくむ著者が、思春期の少年の幻想が悪夢の世界を鮮烈に描く。
イギリスが開発した戦闘攻撃機ブラックホークがテスト飛行中に墜落し、パイロットの空軍少佐が死亡した。三重のフェイルセーフ・システムを備えた最新鋭機がなぜ?墜落の原因をめぐって謎が深まる中、ブラックホークの配備をめざす政府側と、イギリス版SDI“スペース・ストライク計画”の推進派との対立が激化し始めた。そんな折り、死亡した少佐の恋人でイギリス空軍の女性パイロットのエリカは、通信社の記者である少佐の兄と墜落事件の調査に乗り出す。だが、やがて彼らにも不気味な死の影が!緊迫した筆致で描き出す航空サスペンス。