出版社 : 早川書房
スタート合図のピストルの音が響き、六人の選手がいっせいにプールに飛び込んだ。と、みるまに第二コースの女性のまわりに赤い輸が広がっていった…そこは、スタート直前のコース変更までは友人のアリシアが泳ぐはずのコースだった。命を狙われるどんな秘密が、アリシアにはあるのだろうか?友人の窮地を救うため、わたしは航空会社のエンジニアである彼女の身辺を洗いはじめた…女探偵V・I・ウォーショースキーの心暖まる活躍を描く「むかし泳いだ場所で」はじめ、今もっとも注目を浴びる私立探偵が登場する書き下ろし12篇を収録。
おれの特殊な能力を見込んだ友人の依頼をうけ、おれはある天文台へ向かった。そこで出会った天文台の関係者らしい美貌の女性の話によれば、最近、世界有数の天体物理学者がこの天文台から姿を消したらしい。しかも、どうやら宇宙科学者の失踪事件はこれにとどまらず、ソ連でも発生している。CIA、KGBなども必死にその足どりを追っているらしいのだ。この世界的な集団失踪事件の背後にはどんな秘密が隠されているのか…。広大な宇宙に源を発するコズミックな異常現象とその謎の解明に挑戦する超能力探偵アシュトン・フォードの新たな活躍。
夕方のセミナーで私を笑いものにしたのは、美しい女子大生だった。私は中年の大学教授で、片頬に醜悪な傷があった。その傷を女子学生の目の前につきつけると、笑い声はやんだが、私の頬は思いきりたたかれた。この時から、彼女への異常なまでの愛情が湧き起こったのだ。期待の英国女流新人が放つ各書評子絶賛の“美女と野獣”の物語。
高校生のカップルと若妻が連続して惨殺され、平和な田舎町は震撼した。しかし被害者同士には何のつながりもない。妻と教え子を殺されたうえ、警察から殺人容疑までかけられた高校教師ブレットは、一見無関係な事件の謎を追うが…。戦慄の連続殺人と無実の男の必死の追跡行を巧みなプロットで描く、期待の新進女流のサスペンス大作。
ベートーヴェンの交響曲〈エロイカ〉の形式にのっとって、英雄ナポレオン・ボナパルトの波瀾万丈の生涯を描き上げる-音楽と文学を合体させた壮大な実験場が、この本である。1796年の第1次イタリア遠征、ジョゼフィーヌとの結婚を幕開けに、コミカルな独裁者、凡人の悩みをかかえた皇帝ナポレオンの姿を、エジプト遠征、ロシア遠征、エルバ島およびセント・ヘレナ島配流などを通じて“文学の交響楽”の中に浮彫りにする。英文学界にそびえる巨人バージェスの、文学性豊かな笑いと諷刺にあふれた、大胆不敵な長篇。
ラボー・カルベキアンは、亡き妻の大邸宅で孤独に暮らす老人。トルコ帝国による虐殺を逃れてアメリカに移民してきたアルメニア人を両親に生まれ、画才を生かして抽象表現派の画家となった。一時はポロックらとともに活躍もしたが、才能のなさを思い知って今は抽象画のコレクターに甘んじている。そのラボーが、開かずの納屋に大切にしまいこんでいるものとは一体何なのか?『ガラパゴスの箱舟』に続いてヴォネガットが贈る、人類に奇跡を願う長篇。
至近距離から発射されたショットガンは、バート・ラムジーの胸部をほぼ完全に吹き飛ばしていた。だが、ダン・ローズ保安官には、町の便利屋として地味な生活を送っていたバートに射殺されるような理由があるとは信じられなかった。再登場ローズ保安官が、テキサスの田舎町で凶悪な敵を相手に縦横無尽の活躍を見せるシリーズ第2弾!
散弾転送星系に対するテフローダー艦隊の攻撃は、セントラル・ステーションという宇宙駅から行なわれたことが判明した。かつてマークスがアンドロメダ星雲と銀河をつなぐ橋として作った宇宙駅システムーその三つの主要ステーションが、今や島の王たちの邪悪な目的に使われている。そこでローダンらは、宇宙駅システムを攻略しようと大艦隊を派遣したが…!?
人類はついに星々を征服した。画期的なフォクナー・ジェネレータの開発で光速の90パーセント近い速度での宇宙飛行が可能になったのだ。だが発明者フォークナー博士は、人口の激減した地球で無聊の日々を送っていた。そこにはるかなアマテラス星から、テレポーテーションができる動物が見つかったという知らせが届く。博士はさっそく、物質転送の鍵を秘めたこの動物の調査に赴いたが、謎はますます深まるばかりだった!遺伝子工学で生み出されたケンタウロスの奏でる竪琴のメロディにのせて、新鋭が情感ゆたかに紡ぎ出す神話的SF叙事詩!
広大な宇宙へ向かって人類はようやく進出しはじめていた。だが、有機生命を敵視する機械文明との遭遇が、人類の運命を大きく変えてしまった。有機生命の抹殺をもくろむ機械文明により、地球と人類は徐々に破滅の道へと追いやられていく…それでも人類は生き延びていた。銀河中心にある年老いた恒星をめぐる惑星スノーグレイド。メカと呼ばれる機械生命の惑星改造のため、寒冷化と砂漠化が進められているこの惑星で、人類は戦いつづけていたのだ!科学者作家ベンフォードが、人類と機械文明の未来を壮大なスケールで描きだす傑作ハードSF。
定住の地〈城塞〉を機械生命のメカに破壊されて流浪の民となった人類は、メカに見つからぬよう逃げまわるだけの存在になりはてている。だが、そのメカに対抗すべく人類はみずからの体を機械化していた。あらゆるデータを網膜に直接投影したり、電波を臭気として感じることもできる。死亡直後の脳髄から情報を取りだし、それをチップの形で生き残った者の体に埋めこみ、死者との会話も可能になっているのだ。圧倒的な力を持ち、人類を虫けら同然に見なす機械生命のメカに戦いを挑む人々の姿を、ネビュラ賞受賞作家が迫力ある筆致で描く傑作長篇。
モーゲンの夫ユーリエンス王は寄る年波には勝てず、しだいに病床に伏すようになった。となると、やがて王の実権を握るのは長男のアヴァロッホ。だが、この男、性悪なうえに根っからのキリスト教徒。しかも、モーゲンが次男のアコロンと密かに情を交わしていることまで知っている。ドルイド教の復権を願うモーゲンにしてみれば、その信奉者であるアコロンこそ次期王となるべき人物。さらには、アコロン王誕生のあかつきには、アーサー王との対決の計画もある。かくしてモーゲンは、アヴァロッホ殺害を企むが…。超ベストセラー大作、堂々完結。
山頂の奏楽堂で演奏に一万年もかかる交響楽を演奏し続ける楽団は、演奏開始三百年のいま最大の難所〈八百人楽章〉を迎えていた。前代未聞の楽器製作や大量の写譜に大わらわの楽団員の姿を描き’88年星雲賞に輝いた表題作ほか、書き下ろし中篇「電線世界」など奇想天外で優しい物語6篇収録。
ナチ・ドイツの猛攻にあえぐ英国に、生活必需物質を運ぶ老朽輸送船団。その最後尾を進むオリンピアン号は、幾多の航海を乗り切った古強者だった。老練な船長、有能なエリス一等航海士以下、いずれ劣らぬ海の男たちは、Uボートの跳梁する海域を抜け、あとわずかで味方の勢力圏内に入ろうとしていた。不屈の英国商船隊魂を雄々しく謳いあげる海戦小説の白眉。
白波を蹴立て、キャメロン中尉の乗る外洋臨検船キャッスル・ベイ号は、ノルウェーの北部に向かっていた。フィヨルドの奥深くに造られたドイツ軍の秘密基地ーそれを破壊する奇襲部隊を運び、秘かに上陸させることが与えられた任務だった。それは困難な命がけの任務といえた。フィヨルドは狭く曲がりくねり、断崖に囲まれて密易には進入できない。基地には厳重な警戒網が張りめぐらされている。しかも、キャメロンらを狙って、ドイツの巨艦が迫ってきたのだ!苛酷な戦場で、海の男の意地が、闘志が燃え上がる!迫力溢れるシリーズ第3巻。
電話がかかってきたのは、ヘレンが飼猫と遊びながら、10年前に失踪したきりの優しいフランクリン伯父のことを思い出していたときだった。フランクリンだと名乗る電話の男の指示に従って、ヘレンはメイスンとデラ・ストリートとともにリーチという男を訪ねたが、そこでヘレンを待っていたのは、すでに冷たくなったリーチの死体だった。電話の男はほんとうに伯父なのか?なぜ突然名乗り出てきたのか。伯父と死体の関係は…。行方不明の富豪の莫大な遺産がからむ殺人事件で被告席に立たされたデラ・ストリートを救うべく、メイスンは奔走する。
レジスタンスの英雄だった老富豪が、北フランスの館に親族を呼びよせた矢先に事故死した。数日後、館では第二次大戦中のものと思われる切断された人骨が見つかり、さらに親族の一人が毒で…。現在と過去の殺人を解き明かす、スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー教授の本格的推理。アメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞受賞の傑作。
戦時中ドイツで行方不明になった富豪の息子を捜し出せー金儲けのために手を組んだ元OSS大尉ジャクソンと小人の悪党プルスカーリュ。しかし二人の追うその息子とは、米英ソ三国がそれぞれの思惑で必死に捜索中の凄腕の暗殺者だった。第二次大戦直後の混乱のドイツに展開する追跡劇ークライム・ノヴェルの最高峰が贈る傑作長篇。