小説むすび | 出版社 : 早川書房

出版社 : 早川書房

Sの誘惑Sの誘惑

私の人生は17歳から始まった。ある早朝、意識をなくし、傷つき、顔を潰され、全裸で放り出されているのを発見されたのだ。ようやく昏睡状態からさめたとき、私は何も覚えていなかった。自分の名前も、顔も、自分が何をしてきたのかも…15年後。その雑誌を見た時、確信が私を襲った。この男は、私の過去を知っている。写真に写っていたのは、ワイナリーの経営者ジェームズ・マクゲイン。過去を知るため、私は彼のワイナリーに料理人として勤めることにする。やがて、私の正体に気づいたジェームズは、自分の過去を知りたがる私に条件を出す。15年前の真相を知りたければ…それは、性の奴隷として絶対的な服従を強いることだった。拘束、凌辱、調教。ジェームズの要求に限界はなかった。過去を知りたい一心で背徳の世界に踏みこんだ私は、いつしかその虜になっていく。だがその先で私を待っていたのは、あまりにも衝撃的な事件だった!『Mの日記』の官能と衝撃を上回り、モラルの限界を超える、超エロティック・サスペンス。

アイスマンアイスマン

母親が死んだ今、ビルの収入はまったくゼロになってしまった。母の死を届け出ず、死体を寝室に隠すところまでは知恵がまわったが、送られてくる年金の小切手を換金することが出来ないのでは、まったく同じことだ。もはや母親が溜め込んでいた食糧も底をつき、どうにもならない瀬戸際まで追い込まれていた。そこでビルが思いついたのは強盗だった。遊び仲間二人をさそって、手近な屋台を襲い、売り上げ金をいただくのだ。だが、やはりと言うべきか、襲撃は失敗に終わった。うろたえた仲間が店員を射殺してしまい、警察に追われて逃走中に起こした事故で仲間の一人は死に、金は沼に沈んだ。逃げ込んだ沼地ではもう一人が蛇に噛まれて死に、追ってきた警官も銃の暴発で命を落とし、ビル自身も虫の大群に襲われる。半死半生で沼地を抜け出したビルは、旅回りのカーニバルに拾われた。だがそこで暮らしていたのは、いままで考えたこともないような連中だった。やむなくそこへ身を隠し、彼らと生活を共にしながら逃亡を決意するビルだが、やがて…『ボトムズ』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を獲得したランズデールのパワーが全開された会心作。

大統領法律顧問大統領法律顧問

法律問題の側近として絶大な権力を持つ大統領法律顧問。そのオフィスに所属するマイケル・ギャリックは有能な青年で、将来を嘱望されている。そんな彼が大統領の娘ノラからデイトに誘われた。ノラの奔放な振る舞いに驚きながらも、その魅力に引き込まれていくマイケルだったが、思わぬ事件に遭遇する。彼の上司、大統領法律顧問のサイモンの姿を偶然見かけ、あとを追った彼とノラはサイモンが何者かに大金を渡している証拠をつかんだのだ。だが、その時からマイケルの運命が狂い始めた。法律顧問オフィスの一人が殺され、マイケルが容疑者としてFBIから追及されることになったのだ。FBIはノラも共犯者と見なしていた。大統領選挙の年にそれが公になることは絶対に避けなければならない。強さと弱さを合わせ持つ複雑な性格のノラを守りつつ、マイケルは自分の無実を証明するために、陰謀の真相を突き止めようと調査を始める。だが、次々と思いもよらぬ事件が起き、彼は蜘蛛の巣にからめとられるように絶体絶命の危機に陥っていく…。ホワイトハウスを舞台に、巧妙な罠を仕掛ける敵とマイケルが繰り広げる白熱の頭脳戦。圧倒的な面白さで全米を熱狂させたサスペンス大作。

ダイヤモンド・エイジダイヤモンド・エイジ

日常に普及したナノテクノロジーが、文明社会を根底から変容させた21世紀中葉。世界は、多種多様な人種・宗教・主義・嗜好の集まりからなる国家都市に細分化されていた。文化の坩堝・上海でヴィクトリア時代復興を願うフィンクル=マグロウ卿は、孫娘の教育のため、若き淑女のための絵入り初等読本の開発をナノテクノロジストのハックワースに依頼した。ナノテクの粋を集めたプライマーは、読み手を主人公とし、その境遇を“物語”に取りこみながら教育していく、究極のインタラクティヴ・ソフトだった。しかし、ハックワースが自分の娘のために不正コピーした〈プライマー〉は、ある事件をきっかけに、貧困と虐待の境遇にある少女ネルの手にわたってしまう。プライマーをめぐる複雑な思惑が渦巻くなか、そのささやかな物語によって育てられたネルは、己れの人生という大いなる物語を切り拓き、その物語の力は、やがて激動の世界そのものを変えてゆく。『ニューロマンサー』の“近未来”に『ハイペリオン』の“叙事詩”をリミックスし、デジタル仕様の世界観を華麗かつ過激に超越する、SF新紀元のパラダイムシフト。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。

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