出版社 : 早川書房
ロサンジェルスの暗黒街に君臨する悪徳外科医ドクター・アダー。その華麗なメスから生まれる奇抜で醜悪な肉体改変が、この街を肉欲と悪徳の都に変えた!一方アダーを敵視する一派も勢力を拡大している。そしていま、アダーにひとりの客が訪れたーアメゾナの養鶏場で働く青年リミットが携えてきた伝説のハイテク武器は、この戦いの様相を一変させるが…SF史上最も危険な傑作登場!
うだつのあがらない私立探偵のマロリーは、大晦日の夜、ひとり寂しく酒を飲んでいた。すると緑色の妖精が出現して、盗まれた一角獣を探してほしいという。すべてはアルコールの幻覚症状かと思われたが、どうやら妖精はほんとうに目の前にいるらしい。現実の世界になんの未練もないマロリーは妖精に案内されて異次元のマンハッタンへと旅立つが…。ハードボイルド、ファンタジイ、RPGの要素がブレンドされた異色作。
今度のプロダクション・スーパー・ノバの仕事はSUZUKAメビウスサーキットで行われるカーレースの取材だ。新機材を投入して取材にあたるプロダクション・スーパー・ノバと、なみいる強豪を相手に大胆に優勝を狙うプライベートチームを描いた興奮のレース篇。そして、感情回路を組みこまれたアンドロイドと、ひっんなことから意識が入れ替ってしまったマイとの心の交流を情感豊かに描いた佳品を加え、二篇を収録する。
マーク・モリスは一マイル競走の全米記録保持者。彼のライバルは世界最速のランナー、ソ連のペトロヴィッチ。ニューヨークでの大会は二人の初対決の場となるはずだったが、出走直前、モリスはペトロヴィッチから亡命計画を打ち明けられた…。50年代アメリカのノスタルジックな雰囲気を背景に、走ることに青春のすべてを賭けた二人の天才ランナーの友情と悲劇をみずみずしい感性で描く、サスペンスフルな異色の青春小説。
インディアン遺跡の発掘現場から突然姿を消した女性人類学者はいったいどこへ?妻を亡くし傷心のリープホーン警部補が追う失踪事件は、やがてチー巡査が捜査中の掘削機盗難と結びつき、思いがけない殺人事件へと発展した…。全米ベストセラー作家が西部の雄大な大自然をバックにインディアン警官コンビの活躍を描く、シリーズ最高作との呼び声高い最新作。
銀河帝国の首都惑星トランターへ、惑星ヘリコンから一人の男がやってきた。男の名はハリ・セルダン。トランターでの数学の学会に出席するためだった。セルダンはその研究発表のなかで、数学理論の応用により人類社会の未来を予知できる可能性を示した。無事に発表を終えたセルダンだったが、故郷への帰途につこうとする彼のもとに突然、帝国皇帝クレオン一世からの召喚の知らせが届いた。セルダンが心理歴史学と呼ぶこの理論の存在を知った皇帝は、これをうまく利用すれば、帝国に長く平和をもたらすことができると考えたのだ。だがもし帝国の転覆をはかる反対勢力に先に利用されれば、逆に帝国は崩壊の危機をむかえることになる。それを見越して皇帝は先手を打ち、セルダンを呼びよせたのだが…。伝説の天才数学者ハリ・セルダンを主人公に、心理歴史学の完成とファウンデーション創設にいたる人類の苦闘を鮮烈にえがく、ファン待望のシリーズ最新刊。
嵐は突然襲ってきた。安定した仕事につき、子供たちと幸せな家庭を築いていた夫婦ダンカンとメガンは、過去からの復讐者によって地獄に引き戻された。ある日、メガンの父親の老判事と息子のトミーが忽然と姿を消した。そして長い間恐れていた女、オリヴィアからの誘拐を告げる電話。かつて学生運動のさなか、ダンカンとメガンは女闘士オリヴィアが率いる過激派に属していたが、銀行襲撃の折に逃走したために彼女は逮捕されてしまった。それから20年あまり、ついにオリヴィアが出所し、復讐に乗り出したのだ。夫婦は反撃に立ち上がる。ティーンエイジャーの娘たちも、祖父と弟のために銃をとった。息づまる対決の時は迫る!ストーリーテラー、カッツェンバックのサスペンス巨篇。
少女は必死に走った。最終バスに乗り遅れると、門限に間に合わない。だが、バスは無情にも目の前を走り去っていく。翌朝、少女は死体となって発見された。ノーフォークの連続絞殺魔“ホイッスラー”の4番目の犠牲者だった…。ダルグリッシュ警視長は、亡くなった叔母の遺産を整理するため、休暇をとってノーフォークの海ぞいの寒村を訪れた。青い海を背景に、午後の光を受けて金色に輝く松林や修道院廃墟。そしてその向こうには、ラークソーケン原子力発電所の巨大な灰色の建物が、岬を睥睨するように聳え立っている。この平和な光景に、“ホイッスラー”の影などどこにも感じられない。だが、それはたんなる幻想にすぎず、死の脅威がこの岬にも襲いかかろうとしていることを、ダルグリッシュは知る由もなかった。現代本格ミステリの頂点に立つ著者が人間の心に巣くう策謀と欲望を重厚な筆致で描きあげた話題の本格巨編。
時は21世紀。地球はひとつの巨大な“ネット”に包みこまれていた。情報化と核兵器廃絶で力を失った国家にかわり、ネット上で活躍する多彩な多国籍企業が地球を動かしているのだ。そのひとつ《ライゾーム》社の呼びかけに応え、第三世界のデータ海賊の大物たちが、社のゲストハウスに集結してきた。違法なデータ盗用と無意味な武力抗争に終止符を打つのが《ライゾーム》社のもくろみだったー。だが交渉開始の矢先、会談の責任者ローラの目前で悲劇が起こった…。気鋭作家が近未来情報化社会をリアリスティックに描いたSF問題作、ついに登場。キャンベル記念賞受賞。
会談は決裂したー第三世界のデータ海賊のひとりが、正体不明の無人機械に殺されたのだ。疑心暗鬼におちいり、復讐にのりだすデータ海賊たち。だが情報社会に暴力が無意味であることを確信するローラは、彼らを再度交渉のテーブルにつかせるため、単身旅立つことを決意する。グレナダ…シンガポール…権力と軍、秘密警察が一体となってデータ海賊行為をはたらく国々。そこでローラを待ちうけていたのは、想像を絶する悪夢だった。90年代SFを担うスターリングが果敢に新機軸を切りひらき、キャンベル記念賞受賞に輝いた話題の傑作長篇。
ギリシアで紀元前15世紀のミュケナイ文命の遺跡を発掘していたボストン大学の美人考古学者クレア・アンダースンは、同僚のジョージとともに驚くべきものを見つけた。これまでミュケナイ文明の遺跡から出土したこともない遺物が、古代の王が埋葬されている墳墓に隠されていたのだ。それは、黒い石灰石でできた縦横1メートルの立方体だった。その側面には琥珀でできた長さ10センチほどの角が埋めこまれていた。これは3カ月にわたる発掘作業で最大の発見だった。だがこの苦労のすべてを水の泡にする事件がクレアたちを待ちうけていたのだ…。
アメリカとの共同発掘のギリシア側の責任者であるアレクサンドロス・コントス大佐は、突然アメリカの学者たちに2週間以内に調査隊を解散し、発掘現場から立ち去るよう要求した。しかも、コントス大佐は発掘続行の見返りにクレアにいかがわしい申し出までしてきたのだ。考古学史上前代未聞の出土品の調査をどうしても続けたかったクレアは、ついにとんでもない計画を実行に移したが…。恐るべき怪物を封じこめた古代の遺物をめぐるアメリカ・ギリシアの争いを、科学者作家ベンフォードが息もつかせぬ展開と壮大なスケールで描く傑作冒険SF。
考古学者エリザベスは、マヤのジビルチャルトゥン遺跡を発掘調査中、奇怪な現象を体験したー古代マヤ語を話す女の“幻”と遭遇したのだ。この女こそ、マヤに実在した女神官スーイー・カーク。壮大な使命を秘めて永劫の時を超え、マヤ暦の大いなる時の円環が一巡する現代にやってきたのだ。同じころ、長いあいだ音信不通だったエリザベスの娘ダイアンもマヤに姿を現わす。時を超えて3人の女が一堂に会したとき、古代マヤの恐るべき予言が着実に実現しようとしていた…。期待の新鋭マーフィーが華麗なる神話的小宇宙を紡いだネビュラ賞受賞作。
現実の世界から暗黒の生き物が人肉を求めて暴れまわる異世界へ転移した女子大生のジルと自動車整備工員のルーディ。ふたりは化け物と闘う間に、それぞれのうちに秘められた力を発見したージルは剣士に、ルーディは魔法使いになれる才能があったのだ。これに気づいた魔法使いインゴールドは、ルーディを連れてクオへと旅立った。その地にこそ、暗黒の生き物を退治する手立てを知る唯一の人物、魔法使い会議の議長ロヒロがいるのだった。だが、たどり着いてみるとクオには魔法がかけられ、誰も近づくことができない迷宮の都市と化していた。
1977年4月、モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女3人の射殺体が発見された。いずれも顔面を鋭利な刃物で削ぎ落とされ、指先も切断されていた。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコは残虐な事件の背後に見えかくれするKGBの影に当惑する。彼は人類学研究所に被害者の顔の復元を依頼する一方、被害者のひとりがはいていたスケート靴から運命の女性イリーナと出会う。反体制派の彼女に次第に魅かれてゆくレンコ。そして捜査線上に浮かぶアメリカ人の毛皮商…。不可解な事件の真相を追ってレンコはソ連社会の暗部へと迷いこんでゆく。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞。