出版社 : 早川書房
クムの虜囚の身から一転、モンゴール再興軍を率いてトーラスへと攻めのぼるアムネリス。彼女を助けるイシュトヴァーン、そしてイシュトヴァーンに影のようにつきそう軍師アリ。しかし、彼らの軍勢は実際にはモンゴールの残党と野盗の混成軍にすぎなかった。トーラス防衛にあたっているのは数においてまさるクム正規軍。しかもその彼らの背後には本国から急遽トーラス防衛にかけつけるタルー公子摩下の精鋭が迫るが…。一方パロでは、モンゴールの不穏な動きをめぐって、アルド・ナリスと少年レムスとの確執は深まっていくのだった。
TV・映画業界最大手の総合制作プロダクション、グレッグ・カイザー映像企画に勤める元気いっぱいの新米撮影技師小泉マイは、組織のなかでの自由のない撮影活動に欲求不満がたまっていた。そんなおり、たまたま出会った零細ながら興味深い仕事をするプロダクション・スーパー・ノバ。行動をともにするうちに次第に彼らに惹かれていくマイだったが…。ヒロイン小泉マイ、およびプロダクション・スーパー・ノバのメンバーの華々しい登場篇、そして舞台をスペースコロニーに移しての活躍を描いた活躍篇の二篇を収録。浅香晶の新シリーズ登場。
何者かの意志によって異なる次元を転々と飛ばされていくテッド・アマノ。突如、太平洋戦争のさなかの昭和19年に飛ばされたアマノは、四国の善通寺師団に設けられた特設語学研修室に参加していた。美人教師ナンシイの問いかけに持ち前の英語力で受け応えて優秀な成績をおさめ、さらに上海への密使の役目を負ったアマノだが、その最中にも何度か転移を続け、そしていくどとなく命を狙われた…戦時中の日本、中国、さらに未来と多元宇宙を戦場として闘いを繰り広げていくテッド・アマノの活躍を描く「悪夢の戦場」の第2弾。
戦争が終わり、平和をとりもどしたロンドンの街角で、2人の女が再会した。大戦中はともに空軍司令部に勤務していたが、今は2人とも相手を見つけて結婚していた。一方の女は公務員の夫のつましい給料で不自由な生活に耐えており、片一方の女は富豪の夫の金を湯水のごとく使い、しかも不倫の真っ最中だった。対照的な2人には、しかしひとつだけ共通点があった。自分の夫がうとましくてならなかったのだ。そして、片方の女がある危険な計画を耳打ちしたとき、運命の歯車がひそかに、ことりと動き始めた。強烈なサスペンスと意外性の最新傑作。
弁護士ザルマンは女も金も得たが背の低いのが玉にキズ。その被のもとに、ヘマな義兄が泣きついてきた。騙し取られた1万ドルを取り返してほしいというのだ。が、いやいや腰を上げたザルマンが探し当てた詐欺師は、なんとオフィスの冷蔵庫で死体に。思わぬトラブルに巻き込まれ、事件解決のためにハリウッドの街を駆けめぐる羽目になった弁護士の四苦八苦。
暗い壁から突き出た人間の首ー7歳の少女ルースは夜ごと見る悪夢に怯えていた。叔父夫婦と生活する彼女には幼い日の記憶がなかった。悪夢の意味を解く鍵は、誰もが口を閉ざす彼女の過去に?真実を追うルースは、やがて両親の間に起きた忌わしい事件を知るが…。美しい田園を背景に“ほんとうの自分”を探る少女の姿を描く、クラシックな英国サスペンス。
目覚めると、ベッドのなかには見知らぬ男の死体。おまけに、わたしは全裸。自分がどこに、いつの時代にいるのかさっぱりわからない。いったい、何が起こったのだろう…。わたしの名前はモーリン・ジョンソン・ロング。長命族の指導者ラザルス・ロングの母にして、その共同妻。植民星テラス・ターシャスに、時空間移動可能の航宙機〈ゲイ・デシーバー〉に乗ってやってきてからというもの自分の子孫にかこまれて優雅な生活を送っていた。なのに、昨夜からの記憶がまるでない。わたしは必死になって記憶をたどるのだが…。本書はラザルス・ロングの母モーリンを主人公に、〈未来史〉シリーズにふくまれるすべての作品が見事に結び合わされる、巨匠ハインライン、最後の作品である。
雨の日の月曜日。それだけでいいかげん気が滅入ってくるというのに、ずぶぬれになって帰宅してみれば、暖炉の前には同僚のライザが死体になってころがってるなんて!英語教師のアマンダには、自分にこんなことが起きるとは信じられなかった。それに、捜査にあたることになった若手刑事のマッケンジーは、どうやらアマンダを容疑者ナンバーワンとみているらしい。このちょっぴり生意気な刑事の鼻を明かしてやろうと、アマンダはライザの身辺調査を開始した。女優としても活躍し、ちかく地元フィラデルフィアの名士と結婚することになっていたライザ。でも、殺された日の朝に会ったライザは、なにか悩みごとがあるみたいだった。だが、それを探りだす前に、アマンダは第二の死体を発見するはめに…。事件にまきこまれた美人教師が始めたちょっと危険な探偵ごっこ-恋と推理のロマンティック・サスペンス。アンソニー賞新人賞受賞。
ソニイはけちな小悪党で、麻薬売買でぱくられ、弁護を依頼してきた男だった。だから、そのソニイが殺されたと聞いても、どうせくだらないもめごとが原因だろうと、弁護士のビーノはさほど驚かなかった。ただ一つだけ気になることがあった。ソニイの死体を発見したのがFBIだったのである。ビーノは事件の背景を調べ始めた。そのころ、ソニイを殺した二人組の男は、ビーノの生命を狙ってダラスの街を俳徊していた。知らぬまに死の標的とされていたビーノがあばきだした、一見単純な麻薬密売人殺害事件の裏に隠されていた真相とは?ダラス政界の巨悪にひとり立ち向かう弁護士の姿を、裏の世界から生々しい筆致で描くクライム・ノヴェル。
射手座区にある恒星ルクバトの第3惑星パーンー緑ゆたかなこの星に、いま、地球から三隻の植民船が飛来した。FSP(生命既存惑星連邦)の法にのっとりこの地に理想の植民地を建設するのが目的だ。ヨコハマ号の船長ポール・ベンデンの指揮の下、処女地パーンにふさわしい、科学技術にたよらない共同社会を築くための政策がつぎつぎと実行にうつされた。地球から冷凍輸送してきた植物や家畜もパーンの自然環境に適応し、人びとは広大な土地を自由に開拓していく。植民地として、パーンにはなにひとつ欠点がないように思われたのだが…。
スペースホームの考古学者ホワイトディンプルと、土星研究ステーション出身の天才少年バディルの活躍なよって発見された異星人の遺物。そこに書かれたメッセージの解読結果は、驚嘆すべきものだった。人類へのプレゼントとして、太陽から850億キロの距離に恒星船が置かれているというのだ。その船をつかえば、謎に包まれた異星人〈ヘキシーズ〉の母星に到達し、進歩したテクノロジーを人類のものにすることも夢ではなくなる。かくして本格的な調査が開始されたが?より壮大なスケールで気鋭が放つファン待望の『サターン・デッドヒート』続篇。
発見された〈ヘキシーズ〉の宇宙船は、全長860メートルにもおよぶ巨大なものだった。同時に見つかった大量のデータから、この船で彼らの母星に行けることが裏打ちされた。ただちに太陽系精鋭の科学者たちからなる遠征隊が組織され、人類史上かつてない旅が開始された。船長ホワイトディンプルの指揮のもと、幾多の危機を切り抜けて、ようやくヘキシー星にたどりついた地球人一行を待っていたのは、奇妙きわまる異星人たちとあらゆる想像を絶した不可解な文明の姿だった…。新星キャリンが、雄渾の筆致で描きあげた話題のハードSF巨篇登場。