出版社 : 早川書房
ダ・タイ・バオーベトナムに古来より伝わる奇跡の癒しの力。アラン医師はこの力を得たために妻と家を失い、あまつさえペテン師の汚名を着せられて医師連盟追放の憂き目にあった。そんな彼に救いの手を差しのべたのがマクレディ上院議員だった。だが、この上院議員の申し出も、実は自分の難病を治すためにアランを監禁し、奇跡の力を一人じめする口実にすぎなかった…。『城塞』、『マンハッタンの戦慄』で著名のベストセラー作家が放つメディカル・ホラーの傑作。
人類が宇宙に進出し、居住可能な惑星に植民するとして、どんな状況が現出するのであろうか。植民世界がしだいに建設されるとき、教育と訓練を受けた司政官と呼ばれる人間が、理屈の上では公平無私のロボット官僚たちを駆使して、その植民世界を統治するかもしれない。-司政官シリーズは、この一見統一されたかたちの中での司政官を描こうとするうちに生まれた。が…少し考えれば自明のように、それは連邦と植民世界、植民者と現住種族との間に立つ、矛盾した存在である。『引き潮のとき』は、その矛盾のうちに連邦から自己の世界を混乱に導く使命を与えられて赴任し、しかも司政官制度退潮の中でおのが何をし、どうあるべきかを追られなければならなかった男の物語というわけなのだ。社会と個人の関係に、透徹した視線を向け続ける著者のライフワーク。待望の第1巻。
あれはやっぱり事故じゃない。殺人だったんだわ!-ホテルの階段から落ちて死んだ老女の宝石が盗まれたのを知ったとき、パージェター夫人の疑念は確信に変った…〈デヴェルー〉は上流階級の人々が老後を送る、長期滞在客専用の高級ホテル。泊り客は貴族、退役軍人、元女優-誰もが申し分のない地位と富を持っている。亡き夫の遺産で優雅な生活を楽しむパージェター夫人は、その新しい住人だった。老女の転落死が起ったのは、夫人がホテルに到着した日の夜のことだ。老女は以前から目が悪く、事故であるのは明白に見えた。だが、あれは宝石目当ての殺人だったのではないか?だとしたらこのホテルに殺人者がいることになる…夫人は夫に伝授された特殊な“技術”を使って独自の調査を始めたが、まもなく第2の殺人が-陽気でリッチでちょっと謎めく、未亡人の素人探偵パージェター夫人登場。鬼才ブレットの新シリーズ第1弾!
深夜ともなると孤独な男女がひそかに語りあう秘密の電話回線-その回線で恋人探しをしていたジェニーン・ボイントンという若い女が、自宅で惨殺された。犯人探しを私立探偵アロー・ナジャーに頼みにきた被害者の双子の姉ジャネットは、妹がそんな生活をしていたことを警察に知られたくないらしい。彼女の言によれば、回線を利用していた女がすでに2人、やはり自宅で殺されているという。殺人鬼が獲物探しにその電話を使っているのだろうか?ナジヤーは、ジャネットをおとりにつかって問題の電話でデートの約束をさせ、犯人をおびき出そうと考えた。だが、調査もろくに進まないうちに、彼の周囲を不気味な大男が威嚇するようにうろつき始め、またも一人暮しの女が無残な死体で発見された…セントルイスの夜を脅かす怪事件の驚くべき真相とは?心優しき探偵アロー・ナジャー、待望の再登場!
男の名前はドネル・ハリソン。詩人。だが彼は普通の人間ではない。死後数時間以内の新鮮な死体の脳に、墓地に棲息する特殊なバクテリアを注入することにより、死から呼び戻されたゾンビーなのだ!しかも復活する以前の死体は、ドネル本人のものではない。彼の人格はどこから来たのか?自分は何者なのか?脳がバクテリアに侵しつくされ、瞳が緑の輝きをおびるまでしか生きられないことを悟ったドネルは、人里離れた秘密の研究所を脱走して、放浪の旅に出るが…アメリカ南部のむせかえるような熱気の中に、生と死の織りなす不気味なSFゴシックを構築した俊英の話題作。
文明国家アメリカは、もはやどこを探してもなかった。核戦争のために、すべてが崩壊してしまったのだ。あとに残ったのは、大混乱を必死で生きのびた人々の集落と、弱肉強食の掟が支配する廃墟のジャングルだけ。ゴードンも、そんな世界を一人で生き抜いてきた男だった。だが、山中に遺棄されていた郵便車を発見したとき、彼の中で何かが目覚めた。失われた夢の王国アメリカの幻影がよみがえってきたのだ!かくしてゴードンは、郵便配達員の制服を着て孤立無援の戦いに挑むが…ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の新鋭が、荒廃した世界に射しいる希望の曙光を雄渾の筆致で描く。キャンベル記念賞受賞。
「きみも同行したまえ、〈パイアティー〉に派遣調査官として乗り組み、卑劣な行為がないかどうか確認するのだ」クレイヴィッツ提督のこの命令に、宇宙港での仕事にうんざりしていた運航本部長のグライムズは、いちもにもなくとびついた。だが、はじめはちょっとした小旅行のつもりのこの旅が、やがてひょんなことから…。われらがグライムズの新たな冒険の旅。
〈シルバーソーン〉の事件から1年、クロンドル諸島王国に平和がよみがえり、巷には喜びと幸せが満ちあふれていた。だが、折しもクロンドル公アルサとアニタ妃の双子の息子の誕生を祝う式典の日に、邪悪な魔道士マーマンダマスの命によりアルサ暗殺を図るナイトホークス団がふたたび王国に現われた。情報によれば、暗殺団はアルサの偽者を用意して、迷路のような下水道に潜伏しているという。さっそくアルサは戒厳令を宣告すると、大寺院に正体怪しき者を逮捕して取り調べを行なった。まさかその場で暗殺者の刃にかかるとは夢にも思わずに…。
今までの魔法とは異なる秘術を妖精族から学んだパグは、ようやく自分が大悪魔に立ち向かうべく訓練された道具であったことに気がついた。だが、肝心な敵については何もわからぬ始末。すべての謎の答を知る者は偉大なる魔術師マクロスだけなのだ。彼は大悪魔を倒すべく、旧友トマスと共にマクロスを探して既知の宇宙の外にある“永遠の都”へと旅立った。だが時すでに遅く、大悪磨の罠にかかったマクロスは、すでにすべての力を失っていた。『指輪物語』を超える壮大なエピック・ファンタジイとして大ベストセラーになった三部作、堂々完結。
新兵訓練中、銃の暴発事故で大けがを負った夫と、事故は町の軍需工場でつくった銃のせいだと、町の人びとに怨みをいだく義母。若い妻・サラには、二人と暮らす毎日はつらかった。だが、かつての夫の親友であった工場の重役に、義母が鎖につながられたお守り・アムレットを渡した時から、サラの目の前で次つぎと惨劇が連なっていった。-アメリカ深南部の田舎町を舞台に、呪われたアムレットがつなぐ惨劇の鎖。
科学振興を目的とするビンガム財団に、100万ドルの助成金申請があった。申請者は哺乳類細胞の研究でノーベル賞を受賞したソーンデッカー博士。彼は今、細胞の老化の仕組みを解明し、永遠の命を生みだす研究に腐心していた。財団は博士の身許を確認すべく、調査員トッドを派遣する。だが過疎の町コウバーンで彼を待ち受けていたのは〈ソーンデッカーは殺す〉という謎のメモ。研究所をめぐる奇怪な人間関係を調査するトッドは、やがてメモの暗示する恐るべき事実を知る!鬼才が細胞学の知識を駆使して不老不死の問題に挑む衝撃のサスペンス。
周囲は暗闇。荒れはてた道を運ばれていく。心の中には熱くどろどろした恐怖。でもわたしのじゃない、殺された彼女の恐怖を感じているのだ。若き霊能者テレサが幻影で見た場所で、大地にはりつけにされた死体が発見された。それが事件の発端だった。その日からテレサは死を告げる執拗な幻影に悩まされる。やがて、タロットカードの図柄に合わせたかのような奇怪な死体が次々に発見され、テレサ自身にも殺人鬼の魔手が迫る。女流詩人が豊かな感性で紡ぐ出す傑作サスペンス。アメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞ノミネートの力作。
何人もの血を吸い、手から手へと渡っていったひとつの壷ーその行方を追って雇われ探偵ナイツブリッジは、ワイオミングのさびれた炭鉱町にたどりついた。だが、探りあてた壷の持ち主フリールはすでに死亡、壷には彼の遺灰がおさめられていた。町では、不審火、死亡事故など奇怪な出来事が続き、やがて、死者たちが町をさまよっているという噂が流れはじめた。ナイツブリッジはそこに陰謀の匂いを嗅いだが…雇われ探偵が巻き込まれた血みどろの抗争を型破りな設定で描く、アメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞候補のハードボイルド。
えッ、エニドが歩けなくなっちゃうー飛行ライセンスを取ったジョージと初フライトに出かけたエニドだけど、セスナ機が事故を起こして大ケガを!いっしょうけんめい看病するジョージだけれど、じつはエニドとわかれる決心をしていたのよ。なんとロビンと恋におちて…でも、何も知らないエニドには、とっても言い出せなくなっちゃった。ぐうぜんそのことを知ったエリザベス、親友エニドと苦しむジョージやロビンのあいだで、板ばさみになって…。
エーゲ海を航行中のNATOフリゲート鑑〈アリアドネー〉は、尋常でない高度から墜落炎上中の機影をとらえた。国籍不明の大型機-何の目的でこの海域を飛んでいたのか?ところが、黒煙を吐いて飛行機から落ちていく海面の近くに、もうひとつ炎が上がっていた。個人所有のヨットが火災を起こして救難信号を発していたのだ。同時刻に同じ海域で発生した二つの遭難事故。そこに〈アリアドネー〉が居合わせたのは偶然だろうか?ヨットの生存者であるギリシアの富豪一行を救出した〈アリアドネー〉鑑長タルボットは、機関室が爆発したというヨットの事故原因に疑問を抱く。だが、タルボットの想像を超える陰謀が二つの事故の裏には隠されていた。エーゲ海全体が、死の罠にとらえられようとしていたのだ-!1987年に急逝した冒険小説の巨匠マクリーン。その最後の作品となった、サスペンス大作。
現代のアメリカをあざやかに映し出す、16の恋愛短篇。ほんのり甘いのも、やるせなく苦いのも、ユーモラスなのも、深刻なのも。ボストンとその周辺に展開する大人の恋の駆け引きは、ウィット豊かで、意外に純情で、そして優雅な色気が漂う。
ヴェガ星系ピゲルの地下ステーションで、レッドホース少佐らテラナー6人は、レーザー蛇の群れに追いつめられていた。ほかに逃げ道のなかった6人は、どこに通じているかもわからぬ転送機に跳びこんだ。ジャンプを終えた6人の前には、銃を手にしたテフローダー10人が待っていた。しかもテラナーたちの背後には、同時に転送されたレーザー蛇が迫っていたのだ!
32世紀を迎え、人類文明は繁栄と爛熟のきわみにあった。その拠点のひとつ、プレアデス連邦の権力者ローク・フォン・レイは生涯の仇敵プリンス・レッドを破滅の淵に追いこむべく、途方もない冒険に乗りだした。稀少な超エネルギー資源イリュリオンを大量に採取し、プリンスを出し抜こうというのだ。だが銀河広しといえども、多量のイリュリオンが存在する場所はただひとつー大爆発をおこしてノヴァになる瞬間の恒星の中心部のみ!かくてロークとその奇妙な部下は一路ノヴァを目指すが…華麗な神話的宇宙を織りあげて、現代SFの頂点をきわめたディレイニーの最高傑作。