出版社 : 早川書房
惑星フェンリルのキチン虫からしか産出されない長寿薬ーその莫大な利益をめぐって、原住種族フェインと同盟する第1次植民者と海岸ぞいに居住する第2次植民者とのあいだでは、激しい抗争が繰り返されていた。だが、地球の太陽系世界政府の本格的な介入で、すべての状況は一変した。新たに赴任してきた航宙軍提督シジミア・エンコフは、長寿薬の全権益を世界政府が掌握すると告げたのだ。航宙軍の圧倒的な軍事力を眼前にして、フェンリルの全住民がその提案を受諾するか否かの決断を迫られる。期待の新鋭が魅力的な異星世界を舞台にパワフルな筆致で描く一大戦争SF。
横暴をきわめる太陽系世界政府のやりかたに、フェインと第1次植民者たる高地族の怒りが、ついに爆発した!航宙軍との前面戦争の火蓋が切って落とされたのだ。高度な科学技術を駆使する航宙軍を相手に、勇猛果敢なフェインを軸にして、高地族は捨て身のゲリラ戦法で挑む。だが、奇怪な機甲服を身にまとう航宙尖兵隊には、フェインの攻撃も歯がたたなかった。あまつさえ、ビュート族の族長の娘アーマーダも、航宙軍の手に落ちた。全高地族の指導者、ファンダン族の族長マザー・フェアは、無謀ともみえる作戦を命じる。とうとう、惑星フェンリルの命運はつきはてたのか?
あたしたちケイとユリは、銀河系のはじの鉱業惑星チャクラへ送り込まれた。鉱山技師の一人が未知の獣に襲われたからだ。襲われたといっても、全治三日のけが。どうして、WWWA(世界福祉事業協会)随一のトラコンであるあたしたちが行かなきゃならないの?と思ったのだがー。鉱山のオーナーに市長、宗教集団の長=マスターの三人のリーダーの思惑が交錯するチャクラで、ハンサムなシェリフとともに真相究明に乗り出したあたしたち二人の前に、意外な事実が現われた。大人気ダーティペアの活躍を描く、ベストセラー・シリーズ第2弾!
冥王星ドーム基地へ、半年に1度、故郷からの郵便物を運んでくる郵送艇。だが衛星ケルベルスが引き起こす嵐のため、ドーム脇に着陸した郵送艇は大破した。命がけで郵便物を守った男は…。「ケルベルスの嵐」、小惑星帯の鉱脈でひと山あてようと、違法採掘を始めた宇宙兵くずれと、僻外星界を布教活動している伝道者に偽装した宇宙警察の女刑事との軽妙なやりとりを描く「天女と羽衣」など、太陽系第3惑星地球を飛びたち、兵士として、またはやむなき事情により小惑星以遠の外惑星へ流れついた男女の哀歓を絶妙な筆致で描きあげた連作短篇集。
自らの出生の謎を解き明かすべく、タリオンは故郷の村を目ざす。氷雪に閉ざされた酷寒の地。自然の猛威に加え兇悪な三兄弟の率いるならず者の軍隊が行く手を阻むが…。一方、東方の蛮族の帝都侵攻を好機として、フォルタらは帝国への反乱の狼煙を上げた。帝国打倒の呼びかけに諸国の人々は立ち上がるのか?また、タリオンを育んだ小人族の島に迎えられたレヴィ王女のその後は?さらにミシュリーヌ殺害がもたらしたフリオ侯爵と狂気の剣士バランの確執のゆくえは?いま大陸全土を戦雲が覆いゆく。
レジャーセンターの建設現場で古代の遺跡が発掘された。地下に封じられていた小部屋にはおびただしい骸骨が…。それが恐怖の幕開きだった。建設現場では原因不明の事故が続発して多くの作業員が命を落とし、町では両眼をえぐられた無惨な死体が次々に発見される。美人考古学者キムとウォレス警部の二人が一連の事件の指し示すものに気づいた時、想像を絶する結末は間近に迫っていた。強烈な残酷描写を過剰なまでに盛り込み、パワフルな筆力で描く、鬼才の会心作。
ウォール街の法律事務所〈チェイス・アンド・ウォード〉のあわただしいランチタイム。同僚たちが見守る中、次期所長と目されていたドナヴァンが、もがき苦しみながら息絶えた。毒殺だった。前所長ルービンはひそかに犯人捜しを始めたが、今や引退同然の身である彼には知らされない様々なトラブルを、事務所は抱えていた。所内の何者かが絡んだインサイダー取引、所長の座を狙う所員間のいさかい、同僚の妻との情事。ドナヴァン殺害の動機もそのあたりにあるように思えた…弁護士作家がシニカルかつ巧みに描くウォール街の生態と事件の顛末。
キナくさいとは思った。だが依頼人はすこぶるつきの美人、しかも同業者ときている。男として、あとへは退けない。依頼は、私の故郷にいるらしい娼婦殺しの犯人の捜査に力を貸してもらいたい、というものだった。私は依頼人の女探偵パメラとともに故郷を訪ねた。が、男の正体をつきとめても、パメラはなぜか無関心だった。不審に思って調べてみると、問題の犯人はとうに逮捕されていたのだった。となると、パメラの狙いは何なのか?現代のサム・スペードをめざす心優しき探偵ジョン・デンスンのオフ・ビートな活躍を描く話題のシリーズ第一弾。
ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。西新宿に探偵事務所を構える沢崎が立ち向かう難事件の背後には巨大な陰謀が隠され、鮮やかなラストシーンに向って物語はスピーディに展開してゆく。レイモンド・チャンドラーに心酔する、ジャズ・ピアニストの著者が2年の歳月をかけ完成させた渾身の処女長篇。いきのいい会話と緊密なプロットで贈る、期待の本格ハードボイルド登場。
マサチュセッツ州のど真ん中に小さな町ホイートンで、コカイン密売の調査報道をしていた新聞記者が射殺され、睾丸を切り取られるという事件が起こった。この無残な殺害事件の調査を依頼されてスペンサーは勇躍ホイートンへ向かう。そしてスペンサーの調査が進むにつれ、三人の女性が浮かび上がってくる。果して事件の真相をにぎるのは誰か?そうこうするうち新たな殺人事件が起こり、スペンサーの身にも危害がおよぶ。そこでスペンサーは恋人スーザンと盟友ホークに応援を求めるが…。何十億ドルという規模のドラッグ・ビジネスの世界に挑む私立探偵スペンサーの活躍を描く、人気シリーズ第14作。
相変らず中年の危険から脱せない私立探偵モウゼズ・ワインは精神分析医を訪ねた。が、そこで出された特効薬は新しい“仕事”だった-紹介された依頼人の名はエミリー・プタック。その夫マイクは人気コメディアンで相棒オティス・キングのツッコミ役だったが、ホテルで謎の転落死を遂げていた。警察の自殺説に納得しない彼女から調査を頼まれたワインは、探偵志願の女コメディアンを従えて、聞き込みを始めた。
すべては1984年に始まった。ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』が発表され、英米SF界に〈サイバーパンク〉の嵐が吹き荒れはじめたのだ。テクノロジーとメディアの驚異的な発展が、人間そのものを変化させてゆくという認識のもと、才能ある若手作家たちがぞくぞくとサイバーパンク運動へと参加してゆく。運動の輪はSF界以外にも広がり、今もなおホットな議論をまきおこしている。そして今、現在進行形のこのSF革命の最前線から、1冊のレポートが届けられた。ギブスン、スターリング、ベア、ラッカーらの傑作を結集したサイバーパンク・ショーケース登場。
〈拷問者組合〉を追放され、流刑地スラックスからも逃走したセヴェリアンは、今また黄昏に沈む惑星ウールスの荒野を旅していた。やがてセヴェリアンは、兵士の死体に行きあたった。途方もない霊力と叡知を秘めた宝石〈調停者の鉤爪〉をもちいて兵士をよみがえらせたものの、セヴェリアン自身が病に倒れてしまう。熱にうかされた夢のなかで、彼は自分を待ちうける不思議な運命の片鱗を目にした。だが、すべての謎を解く鍵は、セヴェリアン自身に隠されていたのだ!全SF界の絶讃を浴びた「新しい太陽の書」が、宇宙的規模の壮大なクライマックスを迎える堂々の最終巻。ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。
世界制覇の力を宿す〈珠〉が盗まれた。しかも、犯人は邪神トラクの高弟にして魔術師のゼダー。となると、予言どおりに邪神トラクは、今まさにその数千年にわたる長き眠りから目覚めんとしているのだろうか?〈珠〉がトラクの手にわたれば、この世は死と崩壊と混沌の領域と化すのは必定。ゼダーの後を追い、ガリオン少年は伝説の魔術師ベルガラスとポルガラに連れられて諸国遍歴の旅に出た。だが、これを知ったゼダーは彼らの追跡を阻止しようと、様々な奸計を用いてガリオン少年を窮地に陥れるが…。全米ベストセラーの人気シリーズ第2弾。
大統領選挙に破れ、失意の日々を送る元大統領ジミー・カーター。しかし、彼が気がかりな夢からさめてみると、なんとそこは火星!赤色人、緑色人がウロウロする宮殿の中で、エドガー・ライス・バロウズ描くところの火星の大元帥カーターと対面するのだった!抱腹絶倒の表題作「火星の大統領カーター」そして老宇宙パイロットと若い密航者の心理の襞を描く「最後の方程式」ほか、様々なパターンのパロディ作品をここに結集!5人のイラストレーターによる挿絵とともに、SFを愛してやまぬ著者がおくるSFへのラヴ・レター。待望の文庫化!
カリスト国境警備隊のダンテ大尉は新編制の陸戦隊指揮官に任命される。ダンテは興奮する。陸戦隊が必要な攻撃目標といえば、木星の微小衛星アナンケの航空宇宙軍基地以外考えられなかったのだ!-21世紀末。地球からの独立を望む外惑星連合は航空宇宙軍を仮想敵として、密かに軍事同盟を結んでいた。もっとも未だ弱体の外惑性諸国にとって、地球との戦争など想像を絶する事態のはずだった。だが…。主戦派の急先鋒カリストを舞台に、航空宇宙軍の圧力に反発する外惑星連合の駆け引きと連合自らの内部対立が錯綜する緊迫の外惑星動乱前夜!
ワニは南部に来た。腰には拳銃がない。エッタの喪に服して拳銃断ちをしているのだ。しおらしい限りだが、ずい分思いきったものである。さて、金山の町に足を止めたワニ。おとなしくしていられるはずもなく、たちまち町のボスと険悪な間柄になる。相手はこれまでの悪役とはケタ違いの強大な能力者だ。敢然と立ち向かうワニ。そしてワニを助ける実にやくたいもない能力者たち!一方、尻尾怖い率いるナッツと騎兵隊の緊張高まる中、クサフリは呪術修行に余念がない。さらにマリエも元気に再登場。なんだか彼瀾万丈の展開が予感されるのだが…。
フランシス・フェランはついに帰ってきた。“わが町”オールバニーへ。大リーガーとして鳴らしながら、生後数日のわが子を誤って殺し、出奔してから20年が過ぎていた。元スター歌手で同郷のヘレンは、共に放浪するうちに妻以上の存在になっていた。フランシスは息子の墓に詣で、家族との再会を果たすことによって、過去と対面し自己存在の意義を確かめようとする。死を予感するヘレンはそんな彼を見守りつづけるが…大恐慌下のニューヨーク州の州都オールバニーを舞台に、底辺の人生を浮彫りにする感動の人間ドラマ!ピューリツァー賞受賞。