出版社 : 早川書房
島原産の黒糖を燃料にしたキャンディロケットの打ち上げに成功した駆たちは、もっと遠く、宇宙のかなたまで届くロケットを打ち上げたいと思うようになる。そんな駆たちの思惑は島に波乱を呼びながらも、里親や日本宇宙機関職員など、頑なだった周りの大人たちの心を動かしていき…。はたして、島のみんなの想いを乗せたロケットは飛び立つのか?絆と情熱に満ちた青春宇宙小説、いよいよリフトオフ!
父を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波は、惑星〈三体〉の異星人に届き、地球を揺るがす大災厄を招くことに……! 中国で社会現象となったアジア最大級のSF小説、ついに登場!
郊外の名もなき町々についての作品を執筆中の「ぼく」。とある町に滞在し、誰も乗らないバスの運転手をはじめとする町の住人に取材をする。あるとき、街区に大きな穴が空き、町は消失し始める……。〈ガーディアン〉誌で「力強く、かつ不穏」と評された物語。
揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録
凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云うー数多の次元世界を制する支配者集団“無限王朝”に抗い続ける伝説の忍び“光牙”。その一人、零牙に与えられた任務は亡国の姫と幼君の護衛であった。亡命の旅路を急ぐ一行の行手に、無限王朝麾下の骸魔忍群が立ち塞がる。激突する機忍法、生き残るは光牙か骸魔か。幻惑的傑作アクションが新たなる世に徹底加筆の“新装版”で甦り、絶望に塗り込められた夜を裂く!
百合ー女性間の関係性を扱った創作ジャンル。創刊以来初の3刷となったSFマガジン百合特集の宮澤伊織・森田季節・草野原々・伴名練・今井哲也による掲載作に加え、“ソ連百合”として話題の南木義隆「月と怪物」、新鋭女性作家の共作「海の双翼」、『元年春之祭』の陸秋槎が挑む言語SF「色のない緑」、そして『天冥の標』を完結させた小川一水が描く新作宇宙SFの全9作を収める、世界初の百合SFアンソロジー。
1976年12月3日、レゲエ・スターにしてジャマイカの英雄ボブ・マーリーが襲撃された。その日は、高まる政治的緊張を鎮めるためのコンサートの2日前であり、総選挙が控えていた。ボブ・マーリーは一命を取り留めるものの、暴力は加速する。国を二分し、やがてアメリカ合衆国をも巻き込んでゆく。襲撃したギャング、裏で操る政治家、CIA工作員、アメリカ人記者、事件を目撃してしまった女性、さらには亡霊まで、70名以上の人物が闘い、血に塗れながら己が見た真実を語る。現実の事件をもとに、語られざる歴史をつむぐ途方もない野心、禍々しくも美しいディテール、多彩に鳴り響く音楽的文体に、世界の文学ファンが狂喜した!ジャマイカ出身の作家では史上初のブッカー賞を受賞した巨篇。
1990年代にテレビ放映された、平成ウルトラシリーズ。その嚆矢となった伝説的名作「ウルトラマンティガ」を、メイン脚本家の小中千昭が完全小説化! 作品に込められたメッセージ、複雑なSF設定、登場キャラクターの微細な心理が、いま解き明かされる……。
パリ警視庁警視のコルソは、ストリッパー連続殺人事件の捜査を進めていた。猟奇的で陰惨な事件の背後に見え隠れする白スーツの男に導かれ、コルソは社会の、そして自身の抱える暗部と向きあうことになる。フレンチ・サスペンスの巨匠グランジェが放つ最新刊!