出版社 : 星海社
主人公ウィンストンは、ビッグ・ブラザーと党が支配する、どこが相手かもはっきりしない戦時下の超管理社会イングソックの真実省で、公式の歴史改変を担当している。だがふとしたきっかけで禁断の日記を書き始め、そして若いジュリアとの禁断の逢瀬にふける中で、次第に自分の暮らす社会に対する疑問と反発を強める。しかし反政府組織に参加したと思った瞬間、彼は国家に捕らえられー現在のハイテク監視社会、情報操作とフェイクニュースによる大衆支配、戦争やテロを口実にした社会的自由の制約、密告と労働改造所や矯正収容所の思考操作、社会階級の固定化と格差社会、その他現代管理社会のありとあらゆる側面が恐ろしいほどの密度で詰め込まれた、不世出の傑作。
その感染症に罹患した者は、身体全体が白くなる。肌も髪も睫毛も、瞳孔さえも。そしてアンデッド(「死なない身体」)に変化するー何処に行けば君を見失わずにいられるのだろう?逃れられない罪を償うにはどうしたらいいのだろう?マジックリアリズムのように絡み合った世界を歩むための物語。
江戸時代のシリアル・サイコ・キラー、辻斬りにまつわる怪異談を一席「首屋斬首の怪」。『饅頭怖い』には四十年後の恐ろしい後日談というのがございまして「毒饅頭怖いー推理の一問題」。小心者の間男と肝の据わった間女の一席、お付き合い願います「紙入れの謎一寸徳兵衛」。ふたなりというものは、本来が神仏に繋がる尊いものなのでございます「ふたなりの首吊り人」。江戸の昔もお金と暇を持て余したご仁が、おかしなお稽古に勤しむということがありましたようです「真景 よろず指南処 坊主の企み」。名作古典落語をベースにすべてが謎の作家・無門亭無舌が描く、愉快痛快奇天烈な江戸噺五篇!
新左翼の伝説的指導者、藤堂蒼子が逮捕された。押収された七枚の写真には、「L資金」の融資条件である「ルーシー7」が写し出されている。捜査官・笹山徹が、深夜のアジアの都市に潜む危険な人脈を追った先で浮かび上がったのは、子供たちを街に消し去る笛吹き男の都市伝説、あるいはアメリカ統治に入る驚くべき日本の運命だったー。雑誌連載後、未刊行のまま20年近く放置された小説版『多重人格探偵サイコ』最終章。陰謀論に満ちた現代社会を抉り取る「ゼロ年代で最もイカれた小説」が不意打ちで単行本化!
木島平八郎、帰還。偽史と陰謀と地政学が錯綜する戦争前夜、仮面の古書店主と潔癖症の民俗学者・折口信夫が正史に「あってはならないもの」を仕分けする。未刊行の新作長編、20年振りの書籍化!
吐田君と愛娘グミコの「いのち」をめぐる物語。生まれたときからずっと一緒、ふたりきりの家族。なのに、父と娘はどうしてすれ違うんだろう?ある日突然、“運命の女”と出会い、シングルファーザーになったひきこもり吐田君。最愛の娘とふたりで歩む、切ない家族の成長ストーリー。
永遠のデビュー作を装いも新たにハードカバーとして再結晶化。
永遠のデビュー作を装いも新たにハードカバーとして再結晶化。
永遠のデビュー作外伝を装いも新たにハードカバーとして再結晶化。
80年代ー僕も時代も思春期だった。アメリカとソビエトは冷戦状態にあり、ドイツには壁があった。僕も時代も緊張していたし、成熟には程遠かった。そんな時に出逢ったのが、君だった。君から教えてもらったのは、僕になにが欠けているのかということだった。君が求めているものをさしだすために、僕がなにをすべきか、僕はようやく考えることができたんだ。その時、世界が僕をふりむいた。青い春が散り、僕は君の手をとって歩きはじめる。遠い記憶をたどりながら語られる、昨日みた夢のような甘く切ない恋愛小説。
欧州原子核研究機構にて極秘に行われていた“ナイアンティック計画”の実験中、人類を“覚醒”させる未知の物質“XM”の大規模漏洩事故が発生した。その危険性を察知し、人工知能“ADA”の助けを得て研究所から逃亡したプロジェクトのリーダー、デブラ・ボグダノヴィッチ博士を中心に、今、人類の未来を懸けた戦いが始まったー!革命的スマートフォンゲーム『INGRESS』の日本初となる公式小説は、無数の思惑が幾重にも交錯するストーリー。ゲームに秘められた世界の秘密が今、解き明かされる!