小説むすび | 出版社 : 朝日新聞出版

出版社 : 朝日新聞出版

パンダ・パシフィカパンダ・パシフィカ

パンダと生きとし生けるものとアヒルのおもちゃ。すべてをやわらかく繊細にくるむ、小説の秘術ーー大森望ここには、“命をあずかる”というケア責任の普遍性がそっと提示されているーー小川公代         (「一冊の本」2024年10月号より)テロと戦争が常態化する時代の渦中に命をあずかり平和の実現を企てる組織が存在したーー?あなたを思えば世界は救われる。【あらすじ】春先になると花粉症で鼻が利かなくなるモトコは、副業で働くアルバイト先の同僚・村崎さんから自宅で飼う小動物たちの世話を頼まれる。その後、職場を辞めた村崎さんのメールからは、パンダと人類をめぐる狩猟、飼育、繁殖の歴史がひも解かれ、ある目的で海外を転々としていることが見えてくるのだった。モトコが村崎さんの指示を仰ぎながら動物たちの世話をつづけるなか、上野動物園では日本が所有する最後のパンダ・リンリンが亡くなり、中国ではオリンピックを前に、加工食品への毒物混入事件と大地震が起きるーー。命をあずかることと奪うこと。この圧倒的な非対称は、私たちの意識と生活に何を残すのか? 「命をあずかる」というケアの本質に迫りながら、見えない悪意がもたらす暴力に抗うための、小さく、ひそやかな営為を届ける問題作。

その朝は、あっさりとその朝は、あっさりと

発売日

2024年8月7日 発売

長寿社会という「最先端」の時代を生きる私たちに、道しるべとなる「老衰介護看取り小説」の誕生!老い、病、死にちかづくこと。じつはたっぷりした意味がある!中島京子さん推薦!老いとの闘い。死支度。「死下手」の一茶の俳句が、認知症のお父さんを支える。家族のじたばた、いらだち、せつなさも、どこか飄々とした俳諧のようだ。*元中学教師の恭輔は80代後半には認知症になり、骨折をきっかけに4年前からは在宅介護を受ける身の上だ。通称「かんたき」看護小規模多機能型居宅介護の看護師、介護士が自宅でのサポートをしているが、妻にとっては老老介護、かかわる子どもたちも還暦前後でらくではない。オムツとトイレの大惨事、認知症の薬などを試みるが、次第に出来なくなってくることが増えていく。万一の場合には救急車をどうする?96歳で息をひきとるまでの20日間、家族や介護者はどのように備えるのか。誰にとってもひとしく迎える最期はどのようなものなのか。死ぬときはどうなるのか。そしてその日は信じられないほど「あっさりと」やってきたのだ。*老いや死も庶民の視線で、見捨てない温かさに満ちた、一茶の句が老境の恭輔を、そして周囲の人々を励まし続ける。自分ごととして必ず来る老い、病、死をやわらかく問いかける、先を照らす小説。目次から 一 三度目の危篤 二 トイレ地獄 三 先生と呼ばれて 四 みんな先に死んでいく 五 何もできない 六 ついのすみか 七 思い出の中の人  八 この世とのつながり 九 死ぬのにもってこいの日 一〇 その朝は、あっさりと

明日、晴れますように明日、晴れますように

発売日

2024年6月7日 発売

大きな物語がなくなったあとの複雑な時代に、 新しい出会いや発見、悲しみや葛藤を経験しながら成長する子どもたち、 うつろいゆく大切なものもの。それでもなお世代を超えて受け継がれる、 かけがえのない日々を描く新たな成長小説(ジュブナイル) いまほど世の中の仕組みが複雑ではなかった一九七〇年代。 『七夜物語』という不思議な本の世界を冒険した子どもたちがいた。鳴海さよと仄田鷹彦。七つの夜をめぐる冒険は、二人にとって大切な経験となるが、さよも仄田くんも「夜の世界」の出来事を決して思い出すことはなかった。 あれからおよそ三十年ーー。 さよの息子「絵」と仄田くんの娘「りら」は、両親と同じ小学校でクラスメートになっていた。二人もまた『七夜物語』の世界へと導かれるのか?  二〇一〇年の現代を舞台に、十歳から十一歳へと成長する二人の変化の兆しと、子どもたちを取りまく世界を鮮やかに捉えながら、ささやかな人の営みと、そのきらめきを届ける物語は、二〇一一年の「あの日」へと向かっていく。 著者の長編ファンタジー『七夜物語』から十二年、 次世代を生きる子どもたちの物語

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