出版社 : 河出書房新社
執拗に侵攻を重ねる匈奴を駆逐し、前漢の全盛期を築きあげた青年将軍・霍去病…彼を巡る皇帝から無名の庶民たちにいたる、赤裸々な老若男女の群像。超大型新鋭が見事に織りあげた面白さ無類の大河歴史ロマン。
僅か24歳で夭逝した天才将軍・霍去病の出生の秘密と死の謎。絶頂期を迎えた前漢七代・武帝の治世の、風俗生態、世相人情、そして想像を絶する権謀術策を二千百年の時空を超えて鮮やかに現代に甦らせた、サスペンスと詩心あふれる長篇歴史傑作。
その少年の肌は、あの碗の青貝のようで妙に照るんです…雨夜に哉を抱いたのは幽霊か?美しい教師に愛された少年は本当は誰なのか?雨にけむる生と死のあわいで揺れ動く魂の交流を描き絶賛された珠玉作。
彼女は19歳で娼婦、あと半年でぜんぶ終わり、と言った…手にした七つの鍵で扉を開く時、闇のむこうから彼女を引き寄せ、音楽に合わせてやさしく抱いたのは誰?心と体をさいなむ残酷な儀式へと誘う、官能的ホラーの傑作。
現代版聖ゲオルク伝説を翻訳するために火山島を訪れた“わたし”。だが文字の群れは散らばり姿を変え、“わたし”は次第に言葉より先に、自分が変身してしまいそうな不安にかられて…言葉の火口へあなたを誘う魅力あふれる代表作。
その時、村は笑っていたのか-’70年代をすぎて、’80年代へ実りの予感と危機への畏れのあいだで家族は時代を見つめ続けた。名作『四万十川』シリーズの作者が女の半生を通じて問う村の運命。
職業医師として、年来、私は性的強迫観念が色濃く滲み出た情事の破局に関心を懐いている-本書の語り手、ピーター・クリーヴはそう語る。1959年の夏、精神科のマックス・ラファエルはロンドンからうらさびた土地にある、堅固な精神病院に副院長としてやってくる。並外れた美貌と知性をもちながらも孤独な彼の妻ステラは、そこで、狂気の彫刻家、危険な入院患者であるエドガー・スタークと宿命的な出会いをする。堰を切ったように情事に走る二人。そして作中人物たちはそれぞれに自らの悲劇を手繰り寄せていく…。
「大きくなったら女優になるの!」ライス・ウェイヴラルのその夢を、彼の可愛いペニスが打ち砕いた。それでも、俳優、ジゴロとなったライスは、おしろいとコカインのパウダーの中を、エキセントリックな父親の魔の手を逃れつつ、謎の美女ピーチ、クレイジー・ギャングらと共に駆けめぐる。『アナザー・カントリー』の元祖英国美青年俳優ルパート・エヴァレット初の半自叙伝的小説。
エリートたちが隠し続けた愛の秘密結社とは?死んだ医学部教授の妻と娘をめぐる異常な愛そして連続殺人。無気力でユーウツなジゴロ探偵・桂木圭太、事件ファイル。『ボディ・レンタル』の文芸賞作家による初の本格長篇ミステリー。
ブルゴーニュ生まれの私生児、「キキ」ことアリス・プラン。12歳でパリに出た彼女はやがてキスリングのモデルとなり、一夜にしてパリのセックス・シンボルとなる。フジタ、ピカソらエコール・ド・パリの画家たちは競ってキキを描き、愛人マン・レイ、ブラッサイは、その独特の美を写真に写し、ツァラ、デュシャンらシュルレアリストたちは、彼女の奔放さを愛しつづけた。「モンパルナスの女王」と謳われ、栄光の道を歩みながらも、キャバレーで歌い踊る、無邪気な少女でありつづけたキキ-。彼女の純粋さゆえの栄光と悲惨の生涯に、モデルでジャーナリストの新鋭モルガールが迫る、初の本格的伝記ロマン。
十四歳の少年少女たちにとって、学校がとても酷い場所になっているんだよ!全ての女性たちに、社会の矛盾の中でもがき苦しむ子供たちに、彼らとともに変革の時代を生きようと志す男性たちにも…深い絶望を超えた光を投げかけた干刈あがたの小説世界!新たな希望への旅路に、ようこそ。
『余白の街』でゴンクール賞を受賞し、現代フランス文学のエロス的幻想ジャンルを代表する作家の、珠玉の短編集。ローマの北方に密かに佇む十六世紀の遺物「謎の怪物庭園」をめぐって、聖なる人工廃墟の芸術性を浮き彫りにする表題作のほか、『黒いエロス』『ジュリエット』『イギリス人』など、眩惑と官能と怪奇が交錯する独自の世界を渋沢龍彦が編訳。