出版社 : 河出書房新社
ふとしたことから、貴重な古本を手にしたジル。すぐに売りとばして中古バイクを買った彼女だが、それがあらゆるトラブルの始まりだった。かくして24時間以内に本を取り戻さなければならなくなった彼女の前に本を狙う奇妙な輩が次々と現れ、ジルのタフな旅は続く…タランティーノ世代によるキュートなハードボイルド。大型新人のデビュー作、映画化決定。
通称“のっぽ”ことエルネスティーヌがメグレに奇妙な話を持ちこんできた。金庫破りで有名な彼女の亭主がある邸宅に忍びこんだところ、女の死体に出くわしたというのだ。彼は泡を食って逃げ出し、彼女に電話でその話をしたあと、行方をくらましてしまう。メグレはさっそく件の家を訪ねる。しかし死体はなかったし、その家族は泥棒にはいられたことすら否認する…。
古いのれんを細々と守るビスケット屋ラショーム家の当主が、深夜、自室で胸を撃たれて死んだ。庭に梯子、窓に梯子を立てかけた跡、割れた窓ガラス。状況は外部からの侵入者の犯行を物語っていたが、家族は誰も朝まで気づかなかったと主張し、それ以上訊きだそうとすると、奇妙に口をつぐんでしまう。メグレはそこにただならぬものを感じた…。
息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへ旅立った。息子のディッキーに羨望と友情の相半ばする感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画する…。ルネ・クレマンによる名作『太陽がいっぱい』の原作であり、再び『リプリー』として映画化された、ハイスミスの代表作。
酔っぱらって警察に現われた踊り子アルレットがしゃべったことは出たらめではなかったー彼女は自宅で絞殺死体となって発見され、彼女が殺されると予告した伯爵夫人も、同じ手口で…。彼女が口にしたオスカルとは何ものか。アルレットーオスカルー伯爵夫人を結ぶ線は?モンマルトルを舞台に、司法警察の捜査網は謎の男オスカルをしだいに追い詰めていく…。
メグレ警視のところに、見知らぬ男から電話がかかってくる。数人の男からつけ狙われ、生命が危いと告げ、助けを要請する。メグレは男の告げた場所に刑事を派遣するが、彼はすでに立ち去ったあとであった。深夜、電話の主とおぼしき男の死体がコンコルド広場で発見される…。死体の見許割出しから犯人逮捕まで、推理とサスペンスをリアルな筆致で描く最高傑作。
このとき初めて、ぼくは友情のエクスタシーを知った…理想的な友を求め、友だち紹介所に入会。魂馳せ舞う友情生活を送るぼくらに忍び寄る友情ゲリラとは?究極の友情を描いた抱腹絶倒の超話題作、ついに文庫化。
感受性の鋭い、内気な少年ニコラ。スキー教室参加をきっかけに、予期せぬドラマが次々と展開する。謎、怪奇、犯罪…少年の白昼夢はリアルで、読者は夢想の世界だけであってほしいと願うのだが…。少年特有の心象風景と避けられない人生の悲劇を、抑制のきいた文体で鮮烈に描いた傑作。仏・フェミナ賞受賞のベストセラー。映画化。