出版社 : 白泉社
江戸日本橋の小児医者・宇田川三哲は、いつも昼過ぎまで寝ているので「ねぼけ医者」と呼ばれ、身分違いの恋に悩む男。また、無眼流の遣い手であり、夜になると御庭番の助っ人として非情の剣を振るう。御庭番と、幕政の混乱を狙う尾張藩が江戸に送り込んだ御土居下同心との壮絶な闘いの行方は!?無眼流の奥義に潜む妖魔とは!?
植木奉行同心とは幕府ゆかりの地や寺社領の植木を見廻るのが務めだが、直心影流の達人・斎藤作左衛門は、その垣根を越えて江戸の悪と戦う。不器用な性格ゆえ、上役の姪・初音に好意を打ち明けられずにいたが、僚友・駿馬も恋心を抱いていた。彼ら三人に迫る波乱の予感!恋・友情・勇気!耐える男の切なくも愛に満ちた物語。
代三郎は、日がな一日好きな三味線ばかり弾いているぐうたら大家。しかし、その一方で、江戸に蔓延る魔物を退治できる特殊能力を持っていた。ある日、江戸で流行りの断食療法について、妙な噂を聞いた彼は、そこに“座敷わらし”が絡んでいることを突き止める。その裏にある真相を探るべく、飼い猫・栗坊と奔走するのだが…。
不穏な噂がつきまとう謎の老婆、母親殺しの疑いをかけられた娘、雪だるまの中から発見された男の死体ー。江戸の町に次から次へと湧き起こる難事件に半七の推理が冴え渡る。探偵小説の元祖『半七捕物帳』が、リミックス版として現代に蘇る!『石燈籠』他、傑作五作品を収録。現代的な表記、意訳、解釈を織り交ぜ、新たに編集した文庫版。
大事に扱われてきた着物には、持ち主の情念が宿る…。江戸日本橋の古着屋の看板娘・お紺のもとには、持つと怪異に見舞われるという「わけありの着物」が持ち込まれる。謎の解決に乗り出すお紺には、着物に潜む想いを断片的に視る能力があった。すれ違ってしまう人と人の想い、情。それらをほぐした時、お紺の目に映るものは…?文庫書き下ろし。
五代将軍綱吉公が世を去って一年ー。生類憐みの令が撤廃された江戸の町を、純白の紀州犬とともに駆け抜ける若き同心の姿があった。心優しく、正義感溢れ、人の善を信じて疑わない犬飼研吾と忠実な愛犬・お蘭。父の死の謎を追う研吾らの前に立ちはだかる事件の数々…。研吾は人の心の闇にどう挑むのか!!文庫書き下ろし痛快時代小説。
大工の娘・庸は“棟梁のお嬢さん”だが自分を「おいら」と呼ぶほどの男勝り。不自由ない生活を送っていたが、ある夜、家に賊が押し入ったことで生活が一変する。庸はある決意をして、貸し物屋の若き店主の元を訪れる…。江戸のレンタル業・貸し物屋に持ち込まれる摩訶不思議な注文を解決する庸。江戸を駆ける痛快キャラクター誕生!文庫書き下ろし。
老中・水野忠邦の天保の改革が始まらんとする12代家慶の頃ー大奥の実力者であり、幕政にも隠然たる力を持つ広大院に仕える一人の絵師がいた!その名は一丸。彼には絵師としての顔のほかに、命令を受け、裁けぬ悪を討つ、殺し屋としての顔があった!!ライトノベルで大ヒットを放った著者が挑む時代小説。書き下ろしで登場です!
江戸の町には、猫の数だけ物語がある。ある日の貨物屋で「借りたい」と依頼があったのは、白くて尻尾の曲がった子猫。怪しげな連中を追う途中で、ふところに飛び込んできた黒い猫。突然、恋のキューピッド役を買ってでた猫。奉公先の奥方にかけられた猫の化身疑惑ー。江戸の町を闊達に猫と人とが駆け巡る。五人の作家が描きだす、文庫書き下ろし作品集。
平安時代末期。栄華を極めた平家一門の陰で、過酷な運命に翻弄された女たちがいた。平清盛をめぐる祇王と仏御前の葛藤、安徳天皇の母として国母となった建礼門院徳子の悲劇、二人の天皇に愛され后となった藤原多子、宮廷一の美女と謳われ夫に殉じ、海に消えた小宰相…。一門の興亡を女性たちの視点で描く、新たな「平家物語」。文庫書き下ろし。
虎吉は、読本をしょって商う貸本屋で、派手な着物とつづらがトレードマーク。目端が利くので、戯作者・九玲彬に人気作を書かせるなど、版元の手伝いもしている。そんな二人は、読本に夢中になった大店のお嬢様の恋を助ける羽目に…。ちょっとせつなく、ちょっと不可思議。江戸の季節をめぐるほっこりあたたかい連作短編登場!文庫書き下ろし。
代三郎は「猫手長屋」のぐうたら大家。仕事もせず、三味線を鳴らすばかりで、店子からも頼りにされていない。しかし、彼には故郷の氏神・大猫様から授かりし使命があった。それは、江戸の町に跋扈する魔物を退治することー。今日も飼い猫の栗坊と、三味線片手に不穏な空気漂う屋敷へ向かうのだった。新感覚・江戸長屋ファンタジー!文庫書き下ろし。
江戸初期、幕府の基礎を築いた名老中と言われた阿部忠秋。彼が育てた数多くの孤児の中の二人ー柳之介と秋太。二人は反発しあいながらも力を合わせ、柳之介は鍛え上げた剣術、秋太は明晰な頭脳で、様々な困難に立ち向かう。「誇り高き心」と「幽玄なる智」-異なる才を持ち、強き絆で結ばれた二人の若き男達の物語。文庫書き下ろし。
カナダ・プリンス・エドワード島の、「赤毛のアン」の舞台となった様々な場所、四季の風物、名所の数々を丹念に撮影、取材。また、作者・訳者らの知られざるエピソードや、未公開写真なども詳しくご紹介します。美しい写真集として、物語を深く知るためのガイドとして、いつか憧れの島を訪れる日の旅のお供としてー「赤毛のアン」ファン必携の一冊です。
闇の中で緑色に燃える眼、呪い師に操られ蠢く屍者、壁の中から聞こえてくる声、月の光に揺蕩う恋人の白き顔、桜舞う幻想のなかにゆらめく炎。現実と怪奇幻想の狭間にある、底知れぬ恐怖を描いた珠玉の作品集。
銀の美貌をもつ青年は、その第三の眼で男を見た。男は血に濡れた虎そのままに、死と硝煙の匂いの中に立っていた…。アフガンから欧州、そして氷の荒野へ、国家的謀略と欲望が渦を巻く中、青年は同じ傭兵として男の傍らにいることを選ぶ。それは彼の過去も精神も、肉体すらも贄として男に捧げる運命の序章であった…。初稿から10年、血と泥の中を這いずりながら己れの生き方を貫く人間たちを描いた花郎藤子の大作、ついに刊行。
アメリカに連れ去られた藤林響を何としてでも救いださねば!このままでは伊賀忍者の秘密だけではなく全世界が危ない。響の姉・莉花ほか、強力な超能力者の助っ人を得て、おれは敵地へ殴り込みをかけることにした。歴史の裏に潜む究極の「組織」とは。爆発的バイオレンスで、スーパー腕力小説が本領を発揮する。
妖怪の生まれ変わりである生徒ばかりを集めた、私立神堂学園。闇使いにして唯一フツーの高校生神無木良太は、あいもかわらず能天気な彼らに振り回されっぱなしである。新宿で、若い女性ばかりが惨殺されるという事件が起こった。犯人は大江山の酒呑童子。1000年の時を経て、人間への凄まじい恨みと復讐心に燃えて甦ったこの鬼は、ついに学園都市に姿をあらわした。時同じくして、学園の生徒たちに異変が起こり始める。次々に姿を消した彼らを操る、少年の目的は何か。良太の下を訪れた陰陽師・水柿源佐は、都市周辺の結界が緩み始めたこと、狂った妖怪たちを封印しろという『上』からの命令を、彼に告げるのだが…。妖怪アクション人気シリーズ第2弾。
おれの名は藤堂風牙。身すぎ世すぎの新聞記者稼業と忍者の裏商売の両方で面白そうな社会現象、新興宗教団体「カオス真幻教」とその教祖・千川澪瑠を探るうちに、おれは超能力をある野望のために研究しているとんでもない集団と闘わねばならぬ羽目になった…。バイオレンスが爆発する腕力小説、シリーズ第3弾。