出版社 : 祥伝社
歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「島津公」とされる人物を中心に、総勢13人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?この大男が彼だとしたら、この写真はいつ、何ために撮影されたのか?謎を解明するために望月は鹿児島へ飛んだ。
出版社の経理部で働く久美子は、突然新雑誌の編集長に任命されファッション誌をつくることに。二十七歳で、編集未経験の彼女は大パニック!さらに集められた創刊メンバーはクセモノばかりで彼氏の学まで部下になる始末。久美子は書籍編集者の学を頼るが、どこかとんちんかんで…。無事雑誌は創刊されるの!?働く女子が悪戦苦闘する、お仕事×ラブコメディ!
報酬は一億円。大明寺と名乗る人物にそう声をかけられた六人の男女。スリの達人、元JR運転士、射撃のオリンピック候補など、特殊な技能を持つ彼らが実行したのは、特急サンダーバードの乗っ取りだった。三時間以内に十一億円用意できなければ、四百人の乗客もろとも爆破するという。ノンストップで疾走する特急。刻限迫る中、十津川警部は犯行グループにどう挑むのか?
早稲田大学四年の早乙女香夏子には、留年を繰り返す脚本家志望のダメ男・長津田という腐れ縁の彼氏がいた。しかし、必死で就活に励んでいる間に後輩の女子が彼に急接近。動揺する香夏子だが、内定先の紳士的な先輩に告白されて…。自意識過剰で不器用で面倒臭い早稲女の香夏子と、彼女を取り巻く微妙な距離感の女子五人。傷つきながら成長する女子たちの等身大の青春小説。
強風吹き荒れる大伝馬町で、火の手が上がった。青柳剣一郎たち風烈廻りの働きで小火に済むが、数日後、今度は通旅篭町で付け火未遂が起きる。しかも、犯人を目撃した男が刺された。当夜の風向きからすると、狙いは牢屋敷の解き放ちか!?死罪で入牢中の五人と関係の深い者を探る剣一郎。やがて、事件の真相が人の心に棲む“善と悪の奥深さ”にあると気付くが…。
「死にたくなければ、大人しく龍眼を渡せ」幻の秘宝龍眼はどんな病も治す薬の原料である。だが実は、豊臣秀吉の莫大な財宝の鍵でもあった!大御所吉宗からそれを盗み出していた元御庭番里見伝兵衛。しかし彼は一切の記憶を失っていた。一方で豊臣の末裔、吉宗、将軍御用取次、尾張徳川家まで加わった争奪戦が勃発、その最中、記憶が甦るが…。老忍者の矜持を見よ!
将軍家斉の落とし胤ながら本所の料理屋に居候をする若さま、日之本源九郎の前に、救いを求める若い娘が現れた。話題の人気占い師、鬼連坊の許から友達を救い出して欲しいという。鬼連坊は「千里眼」を授けると称し、廃寺に道場を造り弟子を集めていた。強引に寄付を集めていると聞き、入門者を装って道場に潜入する源九郎。だが凄腕の用心棒が立ちふさがって…。
秋月栄三郎は又平を伴い東海道を大坂に向かっていた。幼少時に通った剣術道場の師・山崎島之助の具合がよくないという文が、父・正兵衛からとどいたのである。彼の剣の原点は山崎道場にあったー野鍛冶の家に生まれ武士に憧れた少年が、いかにして気楽流剣客として“手習い道場”を構えるに至ったか。取次屋を育んだ人々の大活躍に笑いと涙の花が咲く浪花人情譚。
『アルスラーン戦記』『銀河英雄伝説』の著者が贈る 大、 大、大人気シリーズ最新刊! あこがれの南国リゾート(?)で、お涼さま、大暴れ! 血も凍る戦慄のラスト3行とはーー!? ここがあこがれの南の島? 十年前の未解決事件殺人犯を捜しに、薬師寺涼子警視が派遣されたのは、絶海の孤島だった。無人島を開発、一大リゾートとなった島には、お騒がせ国家公安委員長と後援会御一行も訪れるが、搭乗してきた飛行艇が海中からの奇襲により撃墜。捜査に駆けつけた海上保安庁の巡視船、海上自衛隊のオスプレイも相次いで破壊される。某国の秘密兵器か、謎の深海生物か? バカンスムードも一転、海自、海保、警察の捜査権争いが勃発する中、不気味な怪生物が! 警視庁の魔女王が忠臣・泉田と大暴れ!
花鳥茶屋「せせらぎ」は上野不忍池に面したおよそ六百坪の敷地に、珍しい鳥を集めた禽舎や植物を配した行楽の苑であった。いかがわしさとは縁遠く、女子供にもたいそう受けがよい。子供のころ、手習いの師匠が語ってくれたさまざまな鳥の話に、足が痺れるのも忘れて幼馴染みたちと聞き入った勝次は、ここ「せせらぎ」で鳥かご職人の修業中だった。弟子入りして五年、仲間も皆、巣立ちの時を迎えようとしていた…。
激情で人を殺め、服役中に消息を絶った婚約者と息子を探す秀夫。だが、伝手となるオジの慈郎は凶刃に倒れる。さらに現場から、故郷の街で起きたNPO横領事件の内幕を記すノートと大金の入った鞄が、少年康昊に持ち逃げされた。回収のため悪徳刑事天明谷を遣う殺人者の一味や、匂いを嗅ぎつけた冷酷な金貸し智勲の追跡が激しさを増す中、危機を救った秀夫に、少年は山分けを主張する。新宿の闇に、欲と野望の火花が炸裂したとき、秀夫と康昊の絆が呼ぶ結末は?著者の人気警察小説シリーズ、特別長編!
阿蘇山に旅客機が墜落、大山知彦は唯一人生還、他の乗客乗員は消失した。消えた婚約者苫辺千穂を捜し始めた知彦は、熊本で挨拶に訪れる予定だった彼女の実家で父親尊利に会う。千里眼を持つ彼が語る苫辺家の秘密と阿蘇を護る一族の存在。彼らの縁者も事故で消えたという。直後、一族の祭祀場“基”で異変が続発、やがて怪現象が阿蘇を覆い始めた…。未曾有の変事の行方は?
東京月島の便利屋倉持のもとに、北アルプスの名峰槍ヶ岳に登れるようにしてほしいという初老の依頼人山田が訪れた。ずぶの素人が必死の体力トレーニングを続ける真の目的とは?丹沢、奥多摩と試登を続ける二人に謎の尾行者が迫り、“槍”挑戦への行程を早めた直後、山田が消えた!一度は山を捨てた倉持の、誇りと再生を賭けた闘いの行方は!?山岳サスペンスの傑作!
大阪・新世界のどん詰まりに店を構える「ラーメン味よし」。放蕩親父ゲンコの作るラーメンはえらく不味くて閑古鳥が鳴いている。しっかり者の一人娘センコは頭を抱える日々だ。最近、ぼんやりしているおばあやんも気にかかる。そんなある日、幼馴染の質屋の息子カメヤが東京から帰って来て…。下町商店街に息づく、鬱陶しいけどあったかい、とびっきりの浪速の人情物語。
ネットワークを介したあらゆるテロに対処するため、防衛省に設置された“サイバー防衛隊”。天才ハッカーや米セキュリティ企業出身者も参加する、官民の精鋭を集めた組織だ。悪辣ロシア人ハッカーを内偵の最中、突如、日本全国の工場が原因不明の稼働率低下に見舞われた。真相解明を急ぐが通信網も障害多発でー民間人が引き鉄を引く現代の戦争を描くサスペンス!
易者として何千人もの顔相を観てきた隠密同心鬼堂民斎には、最近、大いに気になる男がいた。男は往来にただ立っているのである。それも十日も。誰かを待っているらしいが、誰を待っているのか本人も知らないらしい。立派な悪党面で近くの店は気味悪がるばかりだ。そんなある日、大店が賊に襲われー(待ち人来たるか)。浮世の珍妙は心の妙薬。抱腹と感涙の第三弾!
“開帳”とは、寺院が特定の日に秘仏を一般の人々に参拝させる事を云う。そして、開帳を催す興行師を“開帳師”と呼んだ。その開帳師・宝船の長兵衛から真光院御開帳の万揉め事始末役を任された素浪人・矢吹平八郎。金の匂いを嗅ぎ付け押し寄せる地廻りや貧乏御家人を次々と退ける一方で、莫大な“お布施”を狙う者の影が…。悪を許さぬ男気の剣。傑作人情時代小説。