出版社 : 祥伝社
たびかさなる刺客の襲来。霞幻十郎は見えざる敵の意図をはかりかねていた。叔父の南町奉行池田長恵の失脚が狙いなのか。未然に防いだ岡山池田家への強請を仕掛けたものの遺恨なのか。さらには、黒狐一味らしき押込み強盗についての助勢を、南町奉行所の面々に求められる。剣客にして名君の血をひく霞幻十郎が、鞍馬流の剣で刺客を斃し、謎を解く痛快時代小説。
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?二人の関係はバレたのか?動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。彼女の目的は何か?平穏な結婚生活を脅かす危機。俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが…(「夜の訪問者」より)。愛する人の“秘密”を描く傑作集!
探偵・神山健介を訪ねてきた和服姿の美女。彼女の依頼は雪に閉ざされた会津の寒村で起きた、ある事故の調査だった。そこで目にした過去の陰惨な事件の痕跡。吹雪で閉じ込められた神山の前に次々と明らかになる連続大量殺人事件!犯人は村人の中にいるのか。古くから伝わる昔語りに隠された歴史の闇とは!?残酷な悲劇の連鎖の謎を、神山は解き明かすことができるのか!
「夫は自ら死んだのではない」自殺とされた札差の妻おとよは確信していたが、証拠がない。話を聞いた青柳剣一郎は調べを進め、死の直前に御家人と不審な大金の取引があったことを掴む。すると、探索を阻むよう、次々と刺客が姿を現した。この執拗さは一体…戸惑いながらも、真実に迫る剣一郎。だが、敵は予想外の奇策に打って出る。シリーズ第二十六作、衝撃の結末。書下ろし長編時代小説。
剣術家の戸田龍之介は、朋輩の三崎から酒に誘われた。御徒組次男坊の三崎には、急逝した親友の遺言で、その許婚・桜木登和との見合話が進んでいた。桜木家は家格も上で登和は美人。逆玉のはずが、三崎は登和から耳を疑う告白をされていた。話を聞いたお葉も仰天。直後、日々堂では飼い猫のシマが行方不明になりさらなる大騒ぎに…。人気沸騰の“泣ける”時代小説!
その死体は、定規、マイク、さらにフォークとナイフで飾られていたー伝説の演歌歌手月我峰貴雄を讃える記念館スタッフが殺された。現場のマンション六階の外壁に残る足跡。過去の自殺と心中。近隣に出現した、リコーダーをくわえた髑髏と火星地表の人面岩のオブジェ。夜空に消えた金髪女性と走る仏像。そして次なる殺人。ひと癖もふた癖もありそうな関係者周辺で続く怪事件…。追うのは機動捜査隊の最厄コンビ木羽と花倉。特殊装備満載の覆面パトカーで不眠不休の狩りが始まる!本格ミステリの異才が放つ超警察推理!
俊英と謳われた豊後・羽根藩の伊吹櫂蔵は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や“襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固めるが…。
東京・赤羽の巨大団地葵ヶ丘に住む北原美紗子の娘・奈月が失踪した。小学一年生である。赤羽中央署生活安全課の疋田務は部下の小宮真子、末松孝志、野々山幸平らとともに懸命な捜査を続ける。だが一向に消息は掴めなかった。奈月はいったいどこへ。やがて誘拐犯を名乗る人物から身代金要求の電話がかかったとき、事件は予想だにしない方向に暴走を始めた!怒り、嘆き、哀しみ、そして希望…。心を鷲掴みにする本格新警察小説、誕生!
「邪馬台国を見つけた。『親魏倭王』の金印を見た…」歴史研究者だった祖父の言葉を糸口に、ライター黒覇王樹が“魏の使者の目的は女王暗殺だった”という説を発表した直後、何者かに襲撃される。危機を救った謎の美女上偶一十三は、祖父の研究仲間鏡英輔の子孫に黒覇を引き合わせた。日本が太平洋戦争へと突き進んでいた時代、祖父と鏡は、卑弥呼の墓を守り続けているという者たちに接触していたのだ。邪馬台国の末裔を称する彼らには、“卑弥呼が密室で殺された”という驚くべき秘密が伝えられていた。黒覇が墓の発掘を依頼され、山中の村を訪れた夜、女王として君臨する老女を潜入者が襲う。さらに、拘束したはずのその暴漢が密室で死体となって発見され…。邪馬台国の真の姿は?執拗な襲撃者の正体は?現代の不可能犯罪が、古代の密室殺人を解き明かす歴史推理誕生!
毎日通う喫茶店でも顔を覚えられず、隣に座っていても大事な話を始められてしまうほどの存在感。だがそんな彼の周囲で、不可思議な事件が起こり始める。友人が失踪し、その友人から借りた自転車が盗まれたかと思ったら、部屋からミイラ化した遺体が見つかったのだ!ややこしい事件と絡まる糸を、解くことはできるのか!「幽霊」のように陰から事件を追いかける小仏さん!?そして驚愕の結末を見よ!
大勢に惜しまれながら、国民的画家・丹生雄武郎が亡くなった。享年九十七。彼は一方で寂れた民宿のあるじでもあったが、その生涯は未だ多くの謎に包まれているー。期待した筋書きを幾度も裏切られる破天荒な構成、そして昭和史の裏面を抉りながら最終的に物語が辿りつくのは…!?小説界が驚倒した空前絶後、衝撃の大傑作。
資産家の独居老人が火事で焼死した。何故か死の直前、株式を売却していた事実が判明。それに事件の匂いを嗅ぎ取った鳴海署刑事佐脇は捜査を開始する。その前に浮上する岡山・兵庫での独身男の不審死に、奇妙な火災事件。すべての陰には謎の美女の姿が。そんな折、鳴海に戻ってきた女がいた。佐脇の元婚約者・結城晶子。彼が悪漢刑事になるきっかけとなった女だった…。
渡り用人・唐木市兵衛は、知己の蘭医・柳井宗秀の紹介で人捜しを頼まれた。依頼主は江戸東郊の名主で、失踪した代官所の手代・清吉の行方を追うことに。一方、北町同心の渋井鬼三次は、本来、勘定奉行が掛の密造酒の調べを極秘に命じられる。江戸で大人気の酒・梅白鷺が怪しいというのだ。やがて二つの探索が絡み合った時、代官地を揺るがす悪の構図が浮上する…。
武家の泣き寝入りをみこして、旗本や御家人の妻女を誘拐陵辱する事件が頻発した。定町廻り同心並木真之介は単身内偵を始める。幼馴染みの小坂志穂が襲われたのだ。だが、世間体の壁は厚く、真相は薮の中だった。そんな折り、花岡紗季が探索に協力すると訪ねてきた。なぜ旗本の姫が?やがて紗季の深い懊悩を知った時、真之介の怒りは天を衝いた!妖艶の時代官能小説。
ガキの頃から金に目敏いろくでなし。そのくせどこか抜けていて、懐はいつもぴいぴいの本所界隈一のバカ侍ー幕末の雄、勝海舟の父小吉は積年の悪行のせいで実家の座縛牢へ幽閉された。ところが無頼の顔役は、反省どころか悪友の早川又四郎に市中を騒がす怪事件の数々を集めさせた!江戸の座敷牢探偵が私欲のために謎を解く、痛快時代小説の傑作!
九代将軍徳川家重。彼は言葉が不明瞭なため、実権は父吉宗が握っていた。しかし、家重は苦しむ民を無視する父に反発し、自らの手で政をと願っていた。引退した御庭番・里見影周こと伝兵衛は、その思いを知る数少ない家臣であった。彼は家重の病を治す秘薬の存在を知り、旅に出ることに。吉宗、そして権力の座を狙う者の妨害を潜り抜け、無事に薬を届けられるのか!?
北多摩署の刑事課強行犯係・相馬刑事は体つきから食欲までウマ並みの快男児。その相馬が奥多摩をドライブ中に衝突事故に巻き込まれた。相手の運転手は逃走するが、助手席には男の他殺体が!遺体は総会屋と判明、捜査を開始した相馬の前に相次ぐ事件。再度の交通事故、強盗事件、そして木曽駒ヶ岳で会った美女が殺されて…。山を愛する純情刑事が挑む難事件!