出版社 : 筑摩書房
ペストを逃れて郊外に移り住んだ男3人と女7人が、毎日1人1話ずつ10日間にわたって話した100篇の物語。この巻では、天使のふりをして女性をだます修道士の話、殺された男が恋人の夢枕に立つ話、愛人といるところを夫に見つかった妻が、機智をもちいていいのがれる話など、人の心の奥にひそむ欲望、嫉妬の落し穴を風刺にくるんだ傑作集。
教会でたまたま落ち合った男3人、女7人が、毎日1人1話ずつ10日間話した100篇の物語。中世の終末と近代の人間解放を告げる最初の作品の一つといわれる。上巻では精力絶倫の修道士が自分の不行跡に修道院長を引きずり込んで罪をのがれる話、恋多き女が修道院を舞台に巧みに思いをとげる話など、人間本能を哄笑の対象として描く。
前篇を読んでドン・キホーテとサンチョ・パンサの遍歴をおもしろがった冗談好きな公爵夫妻がしかけてくる新しいいたずらの数かず。相も変らず見当ちがいの正義感に燃えるドン・キホーテ。或る島の太守に任命され、島民のゴタゴタを見事に片づけ、予想外の手腕を発揮するサンチョ・パンサ。やがて公爵の館をあとにした主従はバルセローナへ向い、そこで銀月の騎士と決闘し、敗れ、長い遍歴の旅に終止符を打つ。
前篇の好評が偽作を生み、10年後にそれを正すべく書かれた後篇。前篇を読んだ人物が次々と登場する。みたび、世の不正をただすため、また魔法をかけられた魂の思い姫ドゥルシネーアを救うため、騎士道・従士道の本分をつくすべく旅に出るドン・キホーテとサンチョ・パンサ。彼らを連れ戻す役割を担った鏡の騎士(森の騎士)、思慮深き紳士らとの遭遇。そしてライオンとの対決、謎の洞窟モンテシーノスへの探検など、数々の冒険がくりひろげられる。
遍歴の旅をつづける騎士ドン・キホーテと従士サンチョ・パンサ。彼らをつれ戻すべく計られた村の住職と床屋による愉快な詭計。謎の高貴な人物カルデーニオと男装の美女ドロテーア、色男ドン・フェルナンドの絶世の美女ルシンダの明らかにされるロマンスをはじめ、親子愛、兄弟愛等々、旅篭を舞台にくりひろげられる悲喜劇。
スペインの片田舎の紳士が、騎士道小説の読みすぎで妄想に取り憑かれ、「世の不正を正すため」従者を引きつれ、遍歴の騎士となって旅に出る。狂気と正気の衝突、夢想へ向かっての猪突猛進、溌刺とした純愛ー世界文学に永遠の生命をもって登場した長篇小説を全4冊で贈る決定版。